オーガニック&エコロジーをテーマに、「アースデイ東京」「フジロック フェスティバル」など数多くのイベントを手がけているアースガーデンが主催。春、夏、秋と、年3回開催されている。第2回代々木クラフトフェアと称した今回は、手作りの雑貨や衣類を並べる店が集合。ケヤキ並木周辺に66の店舗が軒を連ね、秋空の下にマーケットが出現した。
会場には、アジアの雑貨やフェアトレード商品を扱う「アジアンマーケット」、環境や医療の方面で様々な活動を繰り広げているNPOや団体が集まった「エコロジーガーデン」、無農薬や有機栽培の野菜や安全にこだわった加工品などが揃う「ファーマーズガーデン」、安心して食べられる素材をていねいに加工した食事に列のできる「オーガニックライフ・カフェ」など、8つのブースを開設。
またライブステージ2つに加え、「ゴミはポイ捨てしていいの?」と、紙芝居などで子どもたちにメッセージを伝える「キッズグリーン」など、子どもと一緒に楽しむスペースも設置。親子連れでの買い物、出店も楽しめるよう工夫されている。
デポジット制で貸し出される食器類や、「買い物袋のかわりにマイバッグを」というメッセージなど、会場内にはエコロジーを感じさせるメッセージがいたる所にあふれている。しかし、「こうしなければならない」という義務感は漂っておらず、ゆったりとした時間が流れていた。
会場で見かけるのは、満足そうな表情で食事を楽しむ人、隣の店主や友人との会話を楽しむ人、自分の作った商品を大切に販売している人、好きな音楽を演奏している人……。好きなことを存分に楽しむ。そんな人たちが集まる会場で、中を歩く人の表情には「これが気持ちいいよね」といった満足感や、笑顔と穏やかな空気感が漂う。
「おいしい」「楽しい」「嬉しい」そういった喜びを生む場所であることが、開催を継続させている理由なのだろう。
にぎやかな色彩の並ぶ会場の中で、ふと黄色い看板が目に留まり、一軒の店で話を聞いた。
「あなたの買ったものが誰かの幸せにつながる」そう書かれた黄色い幕の店の中には、フェアトレード商品、楽器や色彩豊かなネパールの手作り雑貨などが並んでいる。店の主は、会社勤めをしながらイベントなどでお店を開き、ネパールへの支援を続けているという井原さんご夫婦。
ネパールへトレッキングに出かけたことが縁でこのお店を始めたそう。「チョウタリの家」という店名は、ネパールで山を行く人々が立寄り、くつろぐ休憩所「チョウタリ」から名付けた。大きな木の下に村人が集い、旅人を暖かく迎えてくれるそうで、この日店を開いたのも木の下。ネパリ・バザーロのフェアトレード商品や、現地で自分たちが買い付けた雑貨などを販売し、その収益を使って、ネパールの人たちの生活向上を支援している。同じ志を持つ人達が集まったネットワークグループで、ネパールに学校をプレゼントするなど、実践的な活動を続けてきた。
「ネパールが大好きで、住んでいる人達にもよくしてもらったから。学校はできたけど、だまだ足りないものがあるから、少しずつですが支援を続けています」奥さんの由紀子さんは柔らかな微笑みを浮かべながらそう話し、「恥ずかしい」と照れるご主人の清志さんと一緒に写真におさまってくれた。
同じように、自発的な支援を続ける人達の店舗を紹介しておこう。アイデアイーストは映像制作などをしながら、タイの津波被害地域の復興を支援している。ぐらするーつ(=草の根の意)は、「もっとフェアトレードの商品を色々なところで紹介したい」と、様々な草の根の市民団体・NGOや有志によってつくられたお店。他にも、自分たちができることから「心地よい取り組み」を始めた人達が多く参加していた。
国際交流、被災地への支援・援助という言葉を聞くと、何か難しいもの、遠くにあるものという感覚が生まれる。しかし、自分たちが大好きだと思う人やものを大切にすることなら、今すぐにでも始められるし、実現したいという原動力も大きく働くのかもしれない。
何かを始めたいと思ったら、まずは気になるNPOやNGO、フェアトレードショップなどの情報をチェックしてみてはいかがだろう?
アースガーデンに関するお問い合わせは
http://www.earth-garden.jp/top.html