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“エネルギー×デザイン”のヒントは自然のなかに!
蓮の花を真似したソーラーパネル「Lotus Mobile」

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突然ですが、「バイオミミクリー」という言葉を知っていますか?

「バイオ」は生物、「ミミクリー」は真似という意味であり、バイオミミクリーとは「生物の知恵を借りて、人間の問題解決に活かすこと」を言います。今までgreenz.jpでも砂漠のカブトムシの知恵から生まれた「Dew Bank」や、バイオミミクリのオンラインデータベース「Ask Nature」などを紹介してきました。

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、実は僕たちの身の回りには、たくさんのバイオミミクリーが隠れています。たとえば、新幹線の先端はカワセミのくちばしを、マジックテープはごぼうの実を、ある競泳用の水着はサメの肌を真似して作られているのだとか。あのレオナルド・ダ・ヴィンチも、トンボやハチが空中停止する姿を見て、ヘリコプターの原理を思いついたと言われています。

今回紹介する「Lotus Mobile」も、バイオミミクリーの考え方で作られたソーラーパネル。効率のより良いソーラーパネルを作るため、アメリカの「Monarch Power」が目をつけたのは、Lotus flower = 蓮の花 でした。


18枚の”花びら”からなる Lotus Mobile。この花びら型のパネルが太陽の光と熱を上手に集めることで、従来の平面型のパネルより30%も効率よく発電をすることができます。

lotus mobile

また、花びらのようにパネルを開いたり閉じたりすることができるので、雨や風によるパネルの劣化を防ぐこともできるんだそう。

lotus mobile_2

この Lotus Mobile、名前に「Mobile」と付いているだけあって、持ち運びが可能というのも大きな特徴です。災害時に緊急用電力として電気が必要な地域に運ぶ、あるいは遠く離れた途上国に運んで、人々に電気のある生活を導入するといった使い方にも期待ができそうですね。

Monarch Power は現在、Lotus Mobile の実用化に向けて Kickstarter での資金集めを計画中です。「バイオミミクリー × グリーンエネルギー」は、これからますます注目されるであろう分野。その先駆的な事例として、ぜひ実現させてほしいプロジェクトです。
 

生命が地球に誕生してから、38億年。長い長い生命の歴史が遺伝子に刻みこんだ知恵には、僕たち人類も、まだまだ学ぶことがたくさんありそうですね。

自然を制圧するのではなく、自然にただ身を任せるだけでもなく、自然から学び、人間の知恵と合わせる。人類と自然が共存していくためのヒントは、もしかしたらバイオミミクリーにあるのかもしれません。
 
 

(Text: 宮本裕人)

[via mother nature network, Clean Technica]