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沖永良部島・知名町にサテライトオフィス誕生!人口1.2万の島に「離島×事業」の可能性を広げる仲間たちがいた

※この記事は、一般社団法人ツギノバとgreenz.jpが共同でつくっています。

「発想力は移動距離に比例する」。
そんな言葉を聞いたことはあるでしょうか?

同じ場所にとどまっていると、同じ発想しか出てこない。移動することによって体験できる「いつもと違う環境」が、凝り固まった頭の中をほぐしてくれる。みなさんも旅をして、新しい視点が生まれる経験をしたことがあるかもしれません。

今回ご紹介するのは、「離島」に仕事の拠点を置くことで、新しい視点が生まれるという選択肢。今、鹿児島県沖永良部島・知名町(ちなちょう)でユニークなサテライトオフィスが建設中なのです。

沖永良部島では、離島という特徴をポジティブに捉え、再生可能エネルギーを積極的に取り入れて脱炭素化を目指す「ゼロカーボンアイランド」構想や、島の自然をいかした産業の創出、移住した人が島の観光事業をリブランディングし、デザイン思考をいかして仕事や商品を生み出す動きなど、さまざまな芽吹きも生まれています。

さまざまな地域がサテライトオフィスのようなかたちで都市部や地域外企業を誘致するなかで、沖永良部島でこそ得られるものがあるのかもしれない…そんな予感を胸に、沖永良部島を訪れました。


この記事に関連するイベントを開催します! 興味ある方はぜひご参加ください。

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鹿児島なのに沖縄に近い。亜熱帯気候の沖永良部島

沖永良部島は、鹿児島県奄美群島の南西部に位置する周囲約56km、面積約94㎢の平坦な島。年間平均気温が22度と温暖で、2月でもハイビスカスが咲く亜熱帯の気候が特徴です。

隆起サンゴでできた島には、高低差がほとんどなくハブもいないため、農業が盛ん

島の人口は約12,000人。知名町と和泊町という2つの町からなり、農業が主産業で、特にサトウキビ、ジャガイモ、ユリやスプレーギクなどの花き栽培が盛んです。また島には300を超える鍾乳洞群が存在しています。近年その一部はケイビング(洞窟探検)ツアーとして開発され、新たな観光の目玉として注目されています。

位置的には鹿児島本土から約550km、沖縄北部からは約60kmと鹿児島離島ですが沖縄に近く、文化の面でも鹿児島と沖縄の要素をそれぞれに感じることができる沖永良部島。アクセスは鹿児島空港から1日3便出ている飛行機を乗り継ぐ方法が一般的ですが、沖縄から空路、またはフェリーで到着するルートもあります。

脱炭素化を目指す「ゼロカーボンアイランドおきのえらぶ」

沖永良部島は、毎年のように台風に襲われる土地柄のため、食料や物資、石油やガスなどのエネルギー資源を積んだ船が長期間到着しないことや、台風の大型化によって生活インフラが破壊され、停電が頻繁に発生するなど、近年気候変動がもたらす生活への影響が大きなものとなってきました。

そこで、まずは公共施設を主として、大規模発電所の電力供給と連携し、電源に太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を進めることになりました。

ホテル内一部の電気を担う風力発電。2022年に沖永良部島全体が環境省の「脱炭素先行地域」に選定されました

木造コンテナ型のサテライトオフィス

沖永良部島の西半分に位置している知名町。現在ここで、まちの公園「フローラルパーク」に隣接する町有地に、島で拠点を持ちたい企業・団体のためのサテライトオフィスがつくられています。今回募集するのはこのオフィス4ブースと、別途3つの個別ブースに入居する企業・団体です。

サテライトオフィス立ち上げのプロジェクトを進めているのは、知名町と、町から委託を受けて地域密着型の活動を行う「一般社団法人ツギノバ」。ツギノバの活動は以前、グリーンズジョブの記事でもご紹介していますが、沖永良部島で2022年から、町営の「フローラルホテル」別館内にカフェ兼コワーキングスペース「entaku」を設け、まちのコミュニティスペースとして機能させるべく、場の運営も担っています。

フローラルホテルの外観。左手に見える建物が個室ブースとentakuがある別館

コワーキングとカフェ、子どもの居場所を兼ね備えたコミュニティースペース 「entaku」

窓辺のカウンター席は電源・Wi-Fi完備で気分よく仕事ができそう

「entaku」は「子ども食堂」やワークショップなど各種イベントの開催など、子どもの居場所としての機能も持っています(画像提供:「一般社団法人ツギノバ」)

「entaku」があるフローラルホテル別館から車で5分ほどの場所に建設中なのが、沖永良部島で初となるサテライトオフィス。ツギノバの代表、大久保昌宏(おおくぼ・まさひろ)さんとサテライトオフィス予定地へ行き、概要を教えてもらいました。

コンテナ型のサテライトオフィスには6畳ほどのトイレ付き個室4ブースのほか、共有スペースやミニキッチン、会議室スペース、事業で必要になるWi-Fiやプリンタ・スキャナーなどの共用設備を整備するほか、各部屋に本棚とテーブル・椅子が入ることになっています。

取材時にはまだ基礎工事のみでしたが、オフィスはオーシャンビューでウッドデッキもある開放的なつくりになる予定

多拠点で活動する大久保昌宏さん。最近は知名町に月の4分の3ほど滞在しているそう

コンテナ型の施設と聞いて、「船に搭載するような鉄の塊」を想像していたのですが、なんと木造のモジュール型コンテナなのだとか。コンテナの規格に合わせた木造建築物なので、複数のコンテナを並べて基礎に固定することで、さまざまなレイアウトが可能になるとのこと。

コンテナが運び込まれている様子(画像提供:「一般社団法人ツギノバ」)

搬入されたサテライトオフィス内共用スペース部分(画像提供:「一般社団法人ツギノバ」)

また、今回のプロジェクトでは、新たに設けられるサテライトオフィスのほかに、フローラルホテル別館内にオンライン会議等に最適で、ドロップインも可能な個室ブースと小会議室をつくる改修工事を行っています。

3月には完成予定の個室ブース。カフェ兼コワーキングスペースである「entaku」の隣にあります

さらに、隣接するホテル内の客室の一部をプリンターなども設置した仕事がしやすいワーケーション仕様に改修する工事も同時進行中です。

「仕事で来島する人は、夕食後でも作業をしたいことがあるはず。ホテルの部屋がもう少し作業しやすい仕様になれば、サテライトオフィスや個室ブースを契約する人にとっても便利」と、大久保さんは話します。

また、知名町のサテライトオフィスでは、行政と企業をつなぐ中間支援組織としてツギノバがいるのが大きな強みです。

離島での事業展開や地域事情に詳しいツギノバが、必要であれば事業に関するアドバイスや地域資源とのマッチングも行うことができるほか、不慣れな離島で仕事をする際に必要な、車や住居などの支援・斡旋したり、余暇時間の過ごし方なども相談に乗ってくれるのは、とても心強そうです。

サテライトオフィス設立に、ホテル別館を改修した個室ブースとホテルの客室改修。3つの事業を同時進行させているのは、オフィス利用者の利便性を考えてのこと。また、木造コンテナにこだわったのはオフィス以外にアパートや災害時の仮設住宅に利用することもできる汎用性と、サステナビリティについても考えた結果なのだそう。

大久保さん コンテナの耐用年数が終わった後には、コンテナをクレーンで吊って、基礎をばらしてしまえば、土地はすぐに更地になるし、ゴミも積んだまま島外に持っていけるんですよね。

島の生活では、ゴミや産業廃棄物をどう処理するかも重要な課題です。なるべく環境に負荷をかけない方法で新たな設備をつくりたいという、島ならではの事情も考慮しています。

木製コンテナ式サテライトオフィスは、しっかりした基礎の上に設置されているので、地震や台風などの防災上も安心です

また、隣接した公園内に未就学児までの一時預かりにも対応している託児所があるため、オフィスに入居後、社員やスタッフが子連れで来ても対応可能とのこと。テニスコートやグラウンドゴルフなども楽しめる広い公園が目の前なので、子どもを遊ばせながら、海を眺めて休憩したりもできそうです。

サテライトオフィスを足がかりに、島の応援団になってほしい

大久保さんと沖永良部島との関わりは、2015年から実施された子どもたちが新聞づくりを通して学びを深める「うみやまかわ新聞」プロジェクトがきっかけ。その後、知名町との縁が深まっていきました。

知名町のサテライトオフィス計画に大久保さんが関わるようになった理由は、まちへの理解と解像度が上がり、長期的な視野で島の未来を考えるようになったから。事業の継続性を考え、「こんな風にできないかな」と浮かぶビジョンを実際の行動に移すことにしたのです。

島の未来を考えたときに、なぜサテライトオフィスという選択肢が有効だと考えたのでしょうか?「もともと町の事業としてサテライトオフィスの計画があった中で、『こういう形ではどうか』と提案してきた」と前置きした上で、次のように語ります。

大久保さん 日本の人口減少が進んでいく中で、島の人口を増やすことは一足飛びにできないし、そもそも人口が増えない可能性だってある。だからこそ、人口増の手前にある「どれだけ地域の応援団がいるか」が今後は大事になってきます。その応援団をつくるときに、観光からなのか、企業誘致からなのか、どういう切り口があるのかという問いがあるのですが、僕は観光も企業誘致もどちらも必要だと思っていて。

その中で観光で関係人口を増やす試みは、観光協会がやってくれる領域。僕自身は、企業誘致に注力したいと思いました。コロナ禍が終わりつつある中、いろんな働き方ができるようになったときに、地域としてここを拠点に働きたい方を受け入れるための基盤整備は大事ですから。

また、サテライトオフィスができることで、将来的には「沖永良部島にはおもしろい人たちやいろんな仕事が存在していて、島でもたくさんの経験ができる」と思う島の子どもたちが増えてほしいと、大久保さんは考えているそうです。

外からの視点を得て島の観光をリブランディング

沖永良部島での仕事や生活をもっと詳しく知るために、地域で既に活躍している人にもお話を聞きました。

「株式会社oldie-village」代表取締役の古村英次郎(ふるむら・えいじろう)さんは、沖永良部島生まれ。海外や国内の旅行業界で活躍後、沖永良部島へUターン。「一般社団法人おきのえらぶ島観光協会」の初代事務局長を経て、現在は全国各地で観光分野のコンサルティングを行っています。

古村さん 今、島では主に企業研修を受け入れる事業をしています。脱炭素の先進地域ということで都会の企業が見に来てくれる機会が増えているので、島での取り組みをパッケージ化して、研修商品として提供しているんです。

企業研修に参加する方は、こういう自然が多い環境や島で地域に根ざしたビジネスをしている人の話を聞いたことがない人たちが本当に多くて。僕らと話をしたり一緒にお酒を飲んだりすると、現場の感覚だとか、いろんな気づきが生まれる。沖永良部島が脱炭素先行地域となっている今だからこそやれる研修かなと思っています。

古村英次郎さん

古村さんは、「サテライトオフィスに入居する方に、自分にも協力できることがありそう」と話します。

古村さん 僕は、新しくきた人と、島の人や課題をつなぐ役目を担いたいと思っていて。人や課題を島の中でつなぐだけじゃなく、外からきた人や企業とマッチングできたら、今よりもっとおもしろいことができるかもしれないと感じているんです。

現在、島の内外で活躍する古村さんは、人的ネットワークも豊富。「これからも島へやってくる人を、楽しませ、自分もおもしろいことを仕掛けていきたい」と意気込みます。

島外での離島リブランディング事業では、2人が組んで仕事することも多いそう

家族で農業を営みつつ、グラフィックデザイナーとしても活躍

中村理恵(なかむら・りえ)さんは、家族全員とも都会出身。島へは完全なIターンで8年前に移住してきました。夫は農業を営み、ジャガイモなどの農作物を育てており、中村さんは時折夫の農作業を手伝いながら、フリーランスのデザイナーとしても活躍しています。

東京に住んでいた頃は雑誌の出版社で編集とグラフィックデザインの仕事をしていた中村さんですが、島に来た当初はデザインの仕事も東京からの依頼ばかりでした。その後、合同庁舎や役場で事務のアルバイトをする中で、「実はデザインもできるんです」と話が広がり、島のデザイン関連の仕事も受けるようになりました。

ちょうどその頃、島ではお土産物も地元のお菓子屋さんの名産品などに限られていたため、おきのえらぶ島観光協会は中村さんに相談。中村さんは、オリジナルTシャツやステッカーなどを制作し、現地やECサイトで販売をはじめました。

「島には、ビジネスをするための余白がまだたくさんある」と中村さんは話します。

中村理恵さん。「島では人とのつながりで仕事が生まれるから、一見、遠回りのようですが、時間をかけて関係性を築いていくのが確実かも」

中村さん 今でも友人の来島時に、なにをお土産で買えばいいのか相談を受けることがあるんですが、例えば、会社で配る「ばらまき系」みたいなお菓子は島にはないので、開発したら需要はあるかもしれない。

あと、沖永良部島はジャガイモの生産が盛んな島ですが、農家には捨てられるジャガイモがいっぱいあるんです。最近、その廃棄予定のジャガイモを使って、粘土やクレヨンといった商品を開発して販売する人も出てきました。なかなか島の人が農業だけやっていたら思いつかないですよね。

島で雑誌やパンフレットをつくるときも、今までは、奄美や鹿児島の印刷会社に企画から制作まで頼んでいたものが、デザイナーやイラストレーター、編集者など、いろんなスキルのある人が島に来てくれたら、島内でできるようになって島が経済的にも潤う。島にはまだビジネスとして参入可能な分野の余白がたくさんある、ということは実感しますね。

「entaku」のロゴデザインも中村さんのもの。今では島内からの依頼がメインだそう

環境ビジネスベンチャーや地域資源をいかしたビジネスの拠点に

今回募集するサテライトオフィスの入居は4社のみですが、町としては、オフィスの入居者だけでなく、知名町(沖永良部島)で拠点を持ちたい人・法人のほかにも、「ワーケーションの受入先」や「多拠点・二拠点で活動するフィールド」を探している人にも来てもらいたいと考えています。

大久保さんに、「今回特にこんな企業や人・団体に入居してほしい!」というイメージを聞いてみると、2つの分野を挙げてくれました。

① 環境ビジネスや再生可能エネルギー関連の企業

先にご紹介したように、知名町および沖永良部島は脱炭素化の先行地域に選ばれ、小型の風力発電、マイクログリッド、ゴミの資源化など取り組んでいるため、ここ1年ほどで脱炭素化関連の企業が、大企業を含めて数多く進出しています。

大久保さん 今後、島で環境系の事業が成長していくと、島内の企業だけでなく島外企業のリソースも今以上に必要になってくると思うんですよね。今はゴミのリサイクルや太陽光や風力発電、EV車などに関連する多くのプレイヤーが必要になっているタイミングだと思うので、そうしたニーズにマッチした島外からの入居企業を想定しています。

② 地域に根を張ったビジネスの拠点やスタートアップ

もうひとつは、地域に根を張ったビジネスの拠点としての利用です。

今、まちには空き店舗や空き家が数多くあり、ほとんど活用が進んでいない状況。洋菓子店など、すでに地域に存在しなくなったものもあり、そうした地域の中に不足している業態や業種の企業や人が、最初にビジネスを立ち上げる拠点として利用してもらいたいと考えています。

大久保さん 例えばですが、パン屋やケーキ屋、本屋さんとかでしょうか。店舗予定地は商店街の中で見つけてもらって、オフィスでは事務所スペースを持ったり、店舗を見つけるまでの間、サテライトオフィスで長期のビジネスプランを練ってもらったり。

大久保さんは、「ここではやり方次第でおもしろいことができる」と断言します。

大久保さん パン屋さんも、セントラルキッチン形式でサテライトオフィスに拠点を置いて、知名町の字(あざ=集落)それぞれに21ヶ所のお店を出したら、そこそこ売れるかもしれない。

ひとつの集落だけに特化すると経済的なパイとしては少ないかもしれないけれど、例えば島全体には42の字があることを考えると、各字で生活に必要な要素で足りないものは全て商品化、サービス化できる可能性がある、と考えられると思うんです。

「拠点はサテライトオフィス、販売は移動販売」など、考えられる活用案を挙げて、「サテライトオフィス=IT系」という先入観にとらわれずに事業に活用してほしいと話します。

サテライトオフィスの活用方法も含めて、入居した場合に想定できるビジネスアイデアなどを話す大久保さん。入居者には町からの支援金もあるそう

島の住民と関わらずに都会の仕事をリモートワークで行うといったサテライトオフィスの使い方とは違う、地域に根ざしたビジネスを起こす仲間がどんどん増えていく構想を話す大久保さんに、古村さん、中村さんも「いいね」と、納得の表情。

また、サテライトオフィスの契約では、フリーランスで働く人や起業を考える人が団体としてまとまって1ブース契約し、複数人でシェアすることも歓迎とのこと。オフィス単体だけでなく、近くに個室ブースやコワーキングスペース「entaku」があることで、サテライトオフィスの入居の有無を問わず、島との関わりしろが多くあるのもうれしい点です。

ツギノバのディレクターである森川真衣さん(左)と山田由貴さん(右)はともに移住して半年程度。「島の人がすごく優しいし、やりたいことを応援してくれる」「夏の湿気と虫は大変だけど、海と星がめちゃくちゃきれい」と暮らしを満喫している様子でした

新しいビジネスを育てていくのに最適な規模と環境

ところで、あえて沖永良部島で事業に取り組むメリットは、どんなことがあるのでしょうか。

大久保さん 離島なので地理的には制約がありますが、その分、島の中にはさまざまなニーズが存在します。また人口1万人強と、大きすぎず小さすぎない規模の島なので、適切な規模でビジネスを展開することが可能だと思います。しかも、まだ集落の機能も残されている。あと、沖永良部島は台風の影響を受けますが、冬も暖かくて過ごしやすいのも大きいですね。

それと、新しくきた方を「お客さん」ではなく、「仲間」として迎える雰囲気があるのもユニークです。「一緒に何か楽しいことを探しましょうよ」と、お互いにアイデアをブラッシュアップしあったり、事業パートナーとして連携するような動きがたくさんうまれています。

沖永良部島は、脱炭素化のビジネスだけでなく、観光分野や物販でも「沖縄より余白があって、チャンスは多いのでは」と多く大久保さん

入居する方に単に働きやすい環境を提供するだけでなく、この場所を通じて今まで島になかった視点での事業が生まれることで、島の文化や雰囲気が醸成されていく。「サテライトオフィスがその流れのきっかけになってくれたら」と、大久保さんは期待しています。

知名町も全面的に進出企業を応援。最大100万円の支援金も用意

サテライトオフィスを企画する知名町役場の原田孝二(はらだ・こうじ)さんは、「地元のプレイヤーとまた外のプレイヤーがうまく混ざり合って新しい取り組みが生まれるなど、多様性が育まれる起点になってほしい」と思いを語ってくれました。

知名町役場企画振興課・課長補佐の原田孝二さん。サテライトオフィス整備事業の推進役として役場各部署や県などとの連絡調整役として活躍中

サテライトオフィス整備事業は知名町を挙げてのプロジェクト。知名町長の今井力夫(いまい・りきお)さんも応援を惜しみません。今回の記事に、こんなメッセージを寄せてくださいました。

今井町長 むーる、ふがみやぶら(みなさんこんにちは)。

『花と鍾乳洞の島」と呼ばれる沖永良部島にある知名町は、亜熱帯の温暖な気候のため「悠々閑閑の島」というイメージがありますが、進取の気性に富み、2022年に脱炭素先行100地域に選定されるなど、社会情勢の変化に柔軟に対応した新しい取り組みも進めております。自然豊かな知名町で、ともにまちづくりをサポートいただける事業者様の進出をお待ちしております。

また、今年度内にサテライトオフィスへの入居が決まった場合は、サテライトオフィス進出支援金が1社あたり100万円が支給されるというメリットもあります。

余白と可能性に満ちた島に、まずは訪れてみませんか?

沖永良部島は、島の知名度はあるものの、観光として訪れる人は沖縄ほど多くはなく、島好きを自認するわたしも初訪問でした。

第一印象は「思ったよりも大きくて発展している」というもの。ファストフード店や全国チェーンのコンビニはないけれど、大きなドラッグストアやホームセンター、スーパーなど、生活必需品の買い物などには困らず、平地が多いため移動もしやすい。

とはいえ、まちなかの商店街は空き店舗が多いのも事実。ツギノバは、利尻島をはじめ多くの離島の状況を熟知しているだけに、「島の地域内にある字(集落)で成立しているコミュニティも、あと何年かで人口減少が進み、成り立たなくなる可能性がある。だからこそ、新たな風を呼び込み、醸成させて、今のコミュニティをさらに盛り上げていったり、新しいコミュニティやビジネスをたくさんつくりたい」という話には、納得感がありました。

企業移転や新規拠点をつくりたい会社や団体でも、まずは個人のワーケーションで訪れてみるのも大歓迎、とツギノバのみなさん。

移動をすれば、発想が変わる。発想が変われば、事業も組織も変わるはずです。余白と可能性に満ちた島へ移動して、新たな挑戦をする企業・団体・人を、知名町は待っています。

オフィス入居だけでなく、ワーケーションや観光でも。沖永良部島・知名町へぜひ「めんしょうり(いらっしゃいませ)!」

(編集:山中康司)
(撮影:荻原隆太)

[partnered with 一般社団法人ツギノバ]

– INFORMATION –

3/13(月)、オンラインイベント
「島だからできる事業がある。私が離島にオフィスをかまえたワケ」を開催!

今回の募集に興味がある方はもちろん、テーマに関心がある方は、ぜひお気軽にご参加ください。


イベント詳細・申し込みボタン

<鹿児島県の離島・沖永良部島(知名町)でサテライトオフィスの入居者募集>


■募集団体
鹿児島県知名町(沖永良部島)

■募集内容
2022年度内に完成予定のサテライトオフィスに入居する企業・フリーランサーを募集。サテライトオフィスだけでなく、近隣にはコワーキングスペースやオンライン会議等に最適な個室ブース、小会議室も完備しており、サテライトオフィスへの入居者だけでなく、知名町(沖永良部島)で拠点を持ちたいという目的以外にも、「ワーケーションやオフサイトでの受入先を探している」「多拠点・二拠点で活動できるフィールドを探している」など、広く、島外企業やビジネスパーソン等を誘致したい。

■契約形態
賃貸(サテライトオフィス)

■利用金額
サテライトオフィス : 35000円(税込・別途共益費5000円)
コワーキングスペース : 500円/日(税込・ワンドリンク付き)
個室ブース : 500円/1時間、10000円/月(税込)
小会議室 : 500円/1時間(税込)

■住所
サテライトオフィス : 鹿児島県大島郡知名町知名2168-1
コワーキングスペース : 鹿児島県大島郡知名町知名520
個室ブース : 鹿児島県大島郡知名町知名520
小会議室 : 鹿児島県大島郡知名町知名520

■利用時間
サテライトオフィス : 24時間
コワーキングスペース : 9:00-22:00
個室ブース : 9:00-20:00
小会議室 : 9:00-20:00

■対象人物(企業)像
地域と積極的に関わりを持っていただき、現在進めている取り組みに親和性があったり、新たな取り組みを生み出すなど、一緒にまちづくりを進めていってくれるようなパートナー、仲間になれる方々が理想です。

具体的には以下のような方々を求めています。
① 環境ビジネスや再生可能エネルギー関連の企業
② 地域に根を張ったビジネスの拠点やスタートアップとしてサテライトオフィスを活用したい企業・人

■入居可能企業数
サテライトオフィス : 4社
個室ブース : 3社

■お問い合わせ・応募先
募集条件の詳細や入居希望については、以下までお問合せをお願いいたします。

一般社団法人ツギノバ
電話番号:050-8885-9770
メール:info-entaku@tsuginoba.com

<選考方法>
ご相談いただいた後、必要書式等をご提出いただき、知名町役場にて選考を行います。

■支援金
100万円/1社(合計4社分)
令和4年度内の入居契約締結企業に対して上記進出支援金が交付されます。