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建築の世界で、コンクリートの代替としても注目される「土」。土の建築家・遠野未来さんに聞く、未来のために土の建築ができること

「循環型社会をつくる」といったとき、みなさんはどんなイメージをもちますか?

捨てずにもう一度使う、企業が回収して再利用するしくみをつくる、そもそも大量に生産しない、大量に消費しない……。おそらく、そのどれもが正しいと思います。

でも、地球の生態系や環境の回復という視点で循環型社会を考えたときに最終的に行き着くのは、「土に還るかどうか」ではないでしょうか。

土に還らない廃棄物による環境負荷が地球全体で問題となっている今、土壌に含まれる多種多様な菌の力が地球の免疫力となるのではないか。つまり、健全な土壌を育むことが抜本的な環境再生力になるのではないか。

そうした土の再生による生態系の回復を目指さなければ、真の循環型社会はつくれないとの思いから、2021年5月にイタリアで設立されたのが、土の循環創出コンソーシアム「JINOWA」です。2021年5月〜11月には、第1弾の活動として、イタリアECC主催の「ヴェネチア・ビエンナーレ“Time Space Existence”展2021」で、土の建築作品を通した社会実験を実施しました。

この土の建築作品「再生する森- 自然 JINEN」をつくったのが、今回お話を伺った“土の建築家”遠野未来さんです。遠野さんは、いったいなぜ土で建築をつくっているのでしょうか。

(※ アイキャッチ画像: © Ph. takeshi noguchi)

© Ph. Takashi Gomi

遠野未来(とおの・みらい)
1962年宮城県仙台市出身。東京・神田のビルに住んでいたときに家族が体調を壊し、そこを安らげる場に改装する過程で土や木などの自然素材に出会う。以後、その土地に根ざした自然素材を用い、土に還るやわらかな空間=いのちの建築をめざして日本と世界各地で設計・空間づくりを行っている。
● 主な作品:もりのいえ/Shell House(2018)、みらいのいえ/Future House(2010)、神田SU/Nest House(2004)など。現在長野市内で、土を使った大規模プロジェクトを建設中。
● 主な受賞:木の建築賞(モリノチカラ賞)(2020)、国際土の建築賞 TERRA AWARD 佳作入賞(2016)、Architizer A+Award 審査員賞(2019)、長野県建築文化賞 住宅部門最優秀賞(県知事賞)(2019)、中部建築賞 特別賞(2018)、ウッドデザイン賞(2018, 2021)、エコアート大賞 特別賞(2006)など多数
● Webサイト:https://www.tonomirai.com/
● Facebook:https://www.facebook.com/eartharchitect

土を使って、循環をつくる

土の建築作品「再生する森- 自然JINEN」。作品は、自ずから成るという意味である「自然」の理念を持ち、時とともに変化し再生する © Ph. Tono Mirai architects

遠野未来さんは、「土」という素材と日本の伝統的な職人技で、有機的な現代建築を生み出す建築家です。

たとえば、上述の建築作品「再生する森- 自然JINEN(じねん)」には、ヴェネチア市近隣で調達された土、木、竹といった自然素材のみを使用。古代ローマにおいて「ゲニウスロキ」と呼ばれていた土地の精霊を、竹でできた有機的でダイナミックなフォルムと、天と地をつなぐ土のタワーによって表現しています。また「竹×3Dプリンター」による設計など、自然素材に最新のテクノロジーを掛け合わせた、新たな現代の土の建築の可能性を発信しました。

さらにこの作品は、解体時には建築に使われた土を改良し、肥沃にしてヴェネチアの地に還すことで生態系の回復に貢献します。「JINOWA」のコンサルティングによって土だけでなく、使った資材全てを、世界中の企業やイノベーターによって地域に役立つ新たなプロダクトやサービスへ活用することまでが計画されているのです。

「JINEN(じねん)」は自然の浄化の役割を果たす持続可能な建築のあり方を提唱するだけでなく、先進的な企業が行なっているプロダクトやサービスを組み合わせ、ヴェネチア市内の循環デザインを社会実装した、まったく新しい建築作品なのです。

この循環建築の試みは、2022年以降もヴェネチアのジュデッカ島を舞台に継続されることが決まっており、全ての建材を再利用した土建築作品JINENが新たに再建される予定です。

「土」は、生きている

遠野さんは、なぜ土の建築作品を手がけるようになったのでしょうか。きっかけは、精神的ストレスで体調を崩したご家族のために、自宅兼事務所をリノベーションしたことにありました。

© Ph. Takashi Gomi

新建材でつくられた典型的な都市部のビルの一室を、どうしたら居心地のいい空間にできるかと考え、自然素材を用いて気の流れる空間に変えていったんです。図面を書いて誰かに依頼しても、イメージ通りにできなかったので、ひとつひとつ自分でやるしかない。壁や天井をはがして、鉄筋の溶接もやりました。

角がないほうが落ち着く空間になるのではないか。あるいは、高さが低くなることで落ち着く空間になるのではないか。そうやって試行錯誤をしながらリノベーションを重ね、最初は大工さんに下地をつくっていただいたものの、「これではないな」と思ったのだそう。

どうしても平面的になってしまって、思ったような柔らかなイメージではなかったんですね。それで、曲線でできた下地を自分でつくって左官屋さんに土を塗ってみてもらったら、塗る前と塗った後で、あまりにも空間が変わったんですよ。こういうつくりかたがあるんだ、自分がやりたいと思っていたのはこれだ! と思って。それが「土」との出会いだったんです。

3年ほどかけてリノベーションした自宅兼事務所「神田SU/Nest House」。2016年に行われた世界の2000年以降の土の現代建築を対象にした賞「TERRA Award 2016」で約360の応募作のなか佳作入賞し、その独自性が国際的にも評価された。都心の超近代的、閉鎖的な空間の概念とはかけ離れた、風通しのいい流動的なデザインが特徴。最初、左官屋さんに土を塗ってもらい、続きはやり方を教わった遠野さんらがワークショップで仕上げた(Kanda SU / Nest House, Tokyo, Japan, 2004, © Ph. takeshi noguchi)

「土を塗ったあとは、単なるかたちが生き物になるというか、生命が誕生しているくらいの違いがあった」と遠野さんは続けます。

すごく感動したんですね。生きているというか、土が呼吸をしている感じ。空気がとてもしっとりしていて、いい気が流れていると感じました。安心しつつも気持ちがひらかれるような、自分も家族も心地いいと思える空間をつくってみて初めて、土がいいなと思ったんです。そして、自分の手で自由にかたちがつくれることに、自分で一番感動しました。

遠野さんは以前から、自分でつくることにこだわりがありました。

大学で建築を学びましたが、図面だけを描いてつくる部分を誰かに依頼して手放してしまったら、自分がつくっている実感が湧かなくて、ずっと、そのジレンマを抱えていたんです。「図面に描けないものを自分の手でつくりたい」とずっと思っていました。だから、建築事務所から独立したあとは、鉄やガラス、さまざまな素材を使って、いろんなつくりかたを試していました。建築制作の場において、手でつくる側面を取り戻したいなと思ったんですね。

そんな遠野さんにとって、自分の手で自由に造形することができる土は、多くの可能性を秘めていました。さらに土には、やり直しがきかない一回限りの潔い臨場感と生命感があり、そこが魅力でもある、と遠野さんは言います。

「神田SU/Nest House」では、土壁の下地は竹という伝統的なセオリーではなく、金網を貼り、軽量モルタルを塗った上で鉄筋という素材に土を塗っているが、「土についての先入観がなかったからできたこと」と話す。面識のなかった人がその日に泊まっていってしまうくらい、居心地が良かったという(Kanda SU / Nest House, Tokyo, Japan, 2004, © Ph. takeshi noguchi)

自分がつくろうとしている土の建築って、頭で考えてもできないんです。「神田SU/Nest House」のかたちも、図面や模型で考えたのではなく、その場で少しずつ手を動かして自然に生まれてきたんですね。建物が鉄骨造なので、大きい梁と柱を隠そうという思いからはじめて、心地よい気が流れるようにと、建築もインテリアも、自分がその場で感じたことをかたちにしていきたいと思っています。

鉄筋を下地にして土を塗るなんて、邪道なのではないか。そう思っていたものの、後から左官の第一人者の久住章さんが「これからはこういうものが必要だ」とおっしゃっていたと人づてに聞き、勇気づけられたそう。

日本建築では、竹という素材に土を塗っていくのが一般的です。でもビルなので、竹は合わないかなと。それで鉄筋で形をつくりました。最低限のルールを守れば自由にできるのも、土の魅力だと思います。

「神田SU/Nest House」と同時期に、ロンドンでは土の建築インスタレーション作品「nest=0」を展示しました。にじり口(茶室の客用の小さな出入口のこと)のような丸みのある入り口から靴を脱いで中に入り、わらのトンネルを抜けると、土の空間にたどり着きます。

土の建築インスタレーション作品「nest=0」。ロンドンの土と茅葺き用の葦を使って、日本と現地の学生、職人、子どもたちも一緒に、1ヶ月にわたって空間を制作した(nest=0, London, U.K., 2000, © Ph. Tono Mirai architects)

面白かったのが、ロンドンに暮らしている、さまざまな民族の方が異口同音に「こういう空間、自分の国にもある」って言ったんです。

日本人が見れば和風だと思うし、アフリカ人が見ればアフリカ風だと思う。民族を問わず、あらゆる人が落ち着く空間だと言ってくれたことに感動して、土って世界共通なんだ、と思ったんですね。土の中にいると落ち着くという感覚は、人のDNAに組み込まれていると感じました。これが、自分がこれから土の道に進もうと思った大きなきっかけです。

世界を見渡せば、今でも約3分の1以上の人が土の家に住んでおり、木の家より多いといわれます。土は世界各地に存在し、プリミティブな技術で人の居場所づくりが可能であることから、古来より住居に使われてきたのです。

「土」とは何か?

かつての家づくりは農作業と連動していました。農閑期となる冬の間に、家づくりに必要な素材を集めていたのです。粘土質の土を見つけて採取し、乾燥後のひび割れを防ぐつなぎのための藁を用意し、それらを土と混ぜて発酵させるのに半年以上かかります。家づくりは、人々の暮らしと一体だったのです。

長野県軽井沢町にある「Shell House」で使った土は、長野の粘土と砂と藁を混ぜてつくった。暖炉はそれに石灰を入れ、突き固める版築(はんちく)という方法でつくられている(Shell House / The language of forest, Nagano, Japan, 2018, © Ph. takeshi noguchi)

土を塗り、乾いたらまた塗るという作業を繰り返して形をつくり、仕上げの際には、継ぎ目がないように一発で仕上げた。時間が経って、砂や鏝(こて)の跡など人の手でつくった要素が浮き上がってきて、時間と共に壁が呼吸し生きていると話す(Shell House / The language of forest, Nagano, Japan, 2018, © Ph. takeshi noguchi)

例えば、宮城県石巻市に復興施設としてつくった「MORIUMIUS」の露天風呂では、ボランティアの方たちと一緒に土を寝かせるためのプールをつくり、葉と藁を混ぜて、半年以上かけて土を発酵させました。家づくりに使う土を用意するだけで、それだけ時間がかかるということです。

復興施設として建てられた「MORIUMIUS」の露天風呂。目の覚めるような赤い土壁は現地の土(MORIUMIUS, Miyagi, Japan, 2014, @ Ph. Tono Mirai architects)

土には、その場所の風土によって、さまざまな色があります。腐植、砂、粘土の量のバランス、粘土の種類などで変わりますが、実は、分類としては12種類しかありません(※)。

少し専門的な話になりますが、世界の土は、黒ぼく土、若手土壌、永久凍土、粘土集積土壌、チェルノーゼム(黒土)、ポドゾル、泥炭土、砂漠土、未熟土、オキソシル、ひび割れ粘土質土壌、強風化赤黄色土に大きく分けられます。そのうち日本にあるのは、山には茶色い「若手土壌」、台地には火山灰がたまった「黒ぼく土」、田んぼには「未熟土」の3種類。

そう聞くと、土の種類が少ないことに驚くのではないでしょうか。それでも、誰一人として同じ人間はいないように、一つとして同じ土はありません。土壌の地質や地形、気候、生物、時間などの環境条件によって、土は変化するのです。

(※)土の研究者である藤井一至さんによる分類。採用した分類法によって異なる

技術も人もそうですが、私は、遠くから取り寄せてどこでも同じになるものを使うのではなくて、気候や風土にあった、その場所に一番馴染むものをつくりたいんです。土も、その土地の土をなるべくそのまま使いたい。そうすると、建築用の土をつくる際には、使う土の性質によって混ぜる葉や砂の量も変わるし、材料そのものを寝かせる期間も異なります。

土にいちから向き合う作業は大変ですが、その土地にあう有機的な建築を生み出すには、必要なプロセスなのです。遠野さんは、その過程で地域の方々や場所とつながることができる、ともいいます。

そして今思っているのは、土(大地)だけが大事なのではなく、大地は太陽も含めた天とつながって初めて成り立っているということ。つまり、天と地が両方あって、初めて建築が成り立っている。土を使うようになってから、そんなことを考えるようになりました。

建築で、土をどう生かせるか

建築素材として、昔から「木」とともに使われてきた「土」。日本では、土自体を構造とするのではなく、木造建築の柱の間に壁をつくる構法として、土壁や漆喰といった塗壁の仕上げに使われました。塗壁に欠かせない左官技術が発展し、江戸時代には左官職人は三大花形職種に数えられるほどの人気職だったのだとか。その左官職人が仕上げる塗壁の繊細な美しさは、世界から高い評価を受けています。

© Ph. Takashi Gomi

日本の左官技術は世界に誇る素晴らしい技術なのですが、一般の人の意識が届かない完成形まで行ってしまったところもあるかなと思います。逆に日本から、高度な左官技術をもっと世界に広げていきたい。これは日本に限りませんが、建築に土が使われる機会が少なくなったのは、手間と工期がかかるだけでなく、高度成長期を経て、人と人、人と場所のつながりがなくなっていったことも大きいと思います。

それではいけない、土の建築という文化を残さなければいけないという動きから、1979年には、フランスのグルノーブル国立建築大学内に「クラテール(CRATerre)」という「土建築の研究所」が設立されました。

土の建築の構法って、版築(はんちく)や日干しレンガ(土ブロック)、木舞荒壁(こまいあらかべ)、練り土積みなど、12個ほどあるんです。

世界各地によって取れる土が違うので、塗るだけではなく、突き固める、ブロックにするなど、土を生かすための方法は異なります。面白いですよね。現在フランスのパリでは、一つの街区を全て土の建物でつくるというプロジェクトが行なわれています。欧州の動きに追随して、日本でもここ10年くらいで土の建築の議論がされるようになってきました。

近代化が進むなかで、一度はなくなったかのように見えた「土」という素材。しかし近年は、温熱や強度の研究が進んだことから、その調湿性・蓄熱性が現代の省エネ建築に有効であることが科学的に実証されています。そしてリサイクルが可能な唯一の素材であり、製造から廃棄までのライフサイクルアセスメント(LCA)においても、環境負荷が小さく、CO2排出量削減、地球温暖化防止にも有効な「もっとも新しい素材」として、世界中で再び注目されています。

そして「版築(はんちく)」という、土を突き固め、徐々に高くして壁をつくる工法を現代建築に生かせないかという研究が、世界的に進んでいるそうです。

この「版築」という工法を用いて、全てコンクリートでつくるのではなく、少しでも都市部で土が使えるのではないか、と考えています。

また、日本の塗壁のように、薄く塗り重ねて、下地が動いても割れない柔構造は、現代に生かせる知恵だと思いますし、都市部の高層ビルでも、こうした素材としての土や、土の技術をもっと使えるはずです。

コンクリートを土に置き換えることができるだけでなく、土がもつ蓄熱という性質から省エネルギーも実現できる。現在、日本全体で取り組みが行われている木造による中・大規模の建築の中に土を使うことで、環境負荷をかけないまちづくりができるのではないかと思うのです。

環境共生住宅「みらいのいえ」では、土壁と漆喰という日本の伝統的民家と、現代的な環境共生建築を組み合わせた。近隣国産材の無垢材や古材梁を再生利用し、版築と草屋根には現場の土を使用。工事には、伝統構法の大工のほか、一般公募によるワークショップで延べ200名が参加。家づくりを契機に地域のコミュニティをつくる「コミュニティ・ビルド」を実践した(Future House, Tokyo, Japan, 2011, © Ph. Tono Mirai / Tono Mirai architects)

遠野さんに、現在取り組んでいる作品についてお聞きしてみたところ、JINOWAと共同でヴェネチアのジュデッカ島のGiudecca Art Districtで土のコンポストトイレを展示する計画があるのだとか。

循環ということを考えていくと、私たちは畑から採ってきたものを食べているのに、体から出たものは畑に還していないという課題があります。つまり、それだけ畑から養分が失われているということです。

食べること、それを土に還すこと。コンポストトイレは、そうした循環を考え直すきっかけになると思っています。詳細はこれからですが、ヴェネツィアの潟にある、ジュデッカ島の現代ギャラリーの中庭に作品のモデルをつくり、島内の自給自足に貢献するような、循環の起点となるコンポストトイレを提案する予定です。

このプロジェクトには、デンマーク在住の環境負荷を計測するエンジニアも参加し、CO2の削減など、環境負荷の軽減に土の建築がどのくらい貢献するのかなども実験する予定なのだとか。コンポストトイレという実際のプロダクトを用いた作品で、どのような循環が体現されるのか、気になるところです。

他にも、産業廃棄物の再資源化に取り組む石坂産業が扱う「再生土」を、建築資材として使うプロジェクトも進めたいと話します。

石坂産業は「JINOWA」の参画企業でもあるのですが、既存の建築物が解体されたときに出る石膏ボードと現場の土をふるって再生土として製品にしているんですね。しかしまだ、道路など土木用としか使われておらず、それで建築をつくりたいと。石坂社長は「土をこのまま廃棄していいのか?誰かがこれをやらないと」と言っていて、私もとても共感しました。

それだけでなく、大規模工事で排出される途方もない量の残土なども、もっと建築の素材として使うことができるようになれば、残土問題がクリアになり、土を生かした社会ができるはずです。これから10年は、そうした社会を目指して土の提案をしていきたいと考えています。

石坂産業 再生土プロジェクトのイメージ(提供:遠野未来建築事務所)

歴史的洋館「九段ハウス」の日本風庭園に建てられた版築のアースライブラリー「Earth Library」は、東京で出た工事残土に石灰を混ぜ、セメントを入れずにつくった。建設残土は世界共通の課題で、現代建築への土の活用が進むフランスでは、パリの再開発計画に地下鉄工事の残土を利用するなど、実用段階に至っている(Earth Library, Tokyo (Japan), 2020, © Ph. takeshi noguchi)

誰の足元にもあるのに、見えにくくなっている「土」。循環がうまくできておらず、大地に養分が還っていない今、土はどんどん弱っているだけでなく、失われつつあるように思います。

現在は、木造建築でも中層ビル、高層ビルが建てられるような構造が開発されています。そうした都市部の木造ビルで土を使うことができれば、「土に還る」という循環型社会への実現に、また一歩、近づくことができるのではないでしょうか。みなさんもこの機会に、古代からの贈り物ともいえる「土」に向き合ってみませんか?

参考文献:『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』 藤井一至著(光文社新書)

(編集:平川友紀)