「幸せとはなんだろうか」
父親はサラリーマンで、母親は長い間専業主婦。
一昔前の、絵に描いたような中流家庭の次女として生まれた私は、さまざまな悲しいニュースをテレビで見るたび母親から「恵まれているんだよ、感謝しないとだよ」と言われ続けてきました。
比較すればたしかに私は恵まれているのだろうと思いながらも、比較することで感じる幸せは、比較して感じる不幸せも生む。自分の中で「幸せとは何だろう?」という問いへの答えを見つけられずにいました。
そんな私が今回紹介するのは、『神さまとのおしゃべり ~あなたの常識は、誰かの非常識~』という書籍です。
神さまの声が聞こえてきた!?
この作品は、月間200万アクセスを誇った大人気ブログ「笑えるスピリチュアル」を運営するさとうみつろうの初著書。
幸せになりたいんだろう?
手伝ってやろうか?
そう神さまに告げられた主人公「みつろう」が、さまざまな神さまの教えを実践する中で、身近な「幸せ」に気づいていくという実用エンタメ小説です。
神さまが伝えてくるのは、読んでいて初め「は?」となってしまうようなこれまでの常識からはぶっ飛んだ36の教え。そんな教えに対し、みつろうが神さまにツッコミを入れながら進んでいくストーリーを追っていくうち、幸せに気づく思考のコツがわかっていく不思議な本です。
とはいえ、教えを一読してすぐに腑に落ちることが書かれているかというと、「は?」と戸惑うものも目立ちました。
たとえば最初の教え、『この世は全て、あなたの望み通り。』に私は思わず「は?」と思ってしまいました。だって、私たちが経験する病気や事故などが、望み通りな訳がないじゃないかと思ったからです。
他にもみなさんが「は?」となるかもしれない教えをいくつか載せておきます。
自分が幸せになれる解釈で生きたらいいじゃない!
さまざまな教えに対し、特に序盤、みつろうは例えば先ほどの私のように、例外を挙げることでこの教えを否定しようとします。それに対して、神さまは「お前たちはすぐ極端な話をし始める。どうしてか? それはやりたくないから、信じたくないからじゃよ」と語りかけます。
幸せになる人生の解釈と、不幸せになる人生の解釈のふたつが目の前にあったら、幸せになる解釈を受け入れて生きた方が楽なはず。この本で描かれる人生のさまざまな出来事に対する解釈の仕方は、幸せに気づくための思考のコツに過ぎません。このコツをどう使うか、それは個々人の判断に委ねられています。
読者が意識的に「幸せになりたい!」「自分の考え直したい!」など思っていなくても、小説として面白く読めるのも実用エンタメ小説ならでは。面白そうだとちらっとでも思ったら、是非手にとってみつろうと神さまの軽快なおしゃべりを楽しんでみてください。
母に読んでもらうためにアピールし続ける!
読み終えた私が「この本をぜひ読んでほしい」と思ったのは、「あなたは恵まれているんだよ」と私に何度も言っていたお母さんでした。
「恵まれている」と私に言う反面、お母さん自身はいつもすごく疲れていて、ため息が多く「時間がない」が口癖。自分がこの本を読んで少し楽になったように、お母さんも楽になってくれたらいいな。そう思って、何回も目の前に置いてみたり、グラレコを書いてプレゼンをしたり・・・。でも、なかなか読んでくれないんですよね(笑)
読んでもらうための策をこれからも考えていきたいと思います!
(Text: 小澤未花)
(編集: スズキコウタ)