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身近なエディブルフラワーで季節をつかまえる。「梅の花の塩漬け」のつくり方

厳しい冬が明け、厚手のジャケットの出番が少なくなってきた頃に咲き始めるのが「梅」の花。その昔お花見といえば、さくらではなく梅だった、ともいわれているそうですが、まだ肌寒い日もある季節にいち早く春を知らせてくれます。

古い家屋ではお庭に植わっていたり、実がたくさん採れると梅干し、梅酒、梅シロップなどをつくるなど、親しみやすさのある梅。今年は、実がなる前のお花のときから「梅しごと」を始めてみませんか?「梅の花の塩漬け」をご紹介します。

さくらもいいけど梅もいい

ピンクで上品に香るさくらの花の塩漬けは、和菓子やお茶などと一緒に口にしたことがある方もいることでしょう。これはその梅バージョン。つくり方も大体同じですので、慣れているつくり方がある場合はその方法で大丈夫です。下記は一例としてご紹介します。

種類によって花びらの色も異なる梅、我が家の梅はこのくらいの薄ピンクです。後述しますが、梅酢を使って漬けると、少し色味を濃く仕上げることができます。

必要なもの

・梅の花(つくりやすい量。初めに重量を測っておく)
・水(洗う用)
・塩(梅の花の重量の20%)
(※)梅酢(なくてもいい)

1. 梅の花を集めて、きれいに洗う

花は、どちらかといえば咲きたてで元気なもの、茶色くなっていない花を選びます。ボウルに水を張り、軽くザブザブと洗うと花の中心にあるめしべが外れて流れ、花弁がバラバラになります。

桜の花の塩漬けをつくったことがある方もいるかもしれませんが、桜のように花をひとつずつ漬けるというより、花びらを漬けるようなイメージ。

2. 水をよく切る

数回ボウルの水を変えてきれいに洗ったらざるに上げて水を切り、ふきんやキッチンペーパーなどで余分な水分を取り除きます。

3. 塩と合わせる

梅の花に、塩をまぶします。もみこむ必要はなく、ただ全体に塩が行き渡るように合わせます。塩が溶けたものに梅が漬かるように、お皿などで重石を乗せて3日ほどおきます。

(※)または塩分20%ほどの塩水や、梅酢に漬ける方法もあります。その場合、よく水を切ってから保存容器に入れて、塩水または梅酢を注ぎ入れ、少し長めに(1週間ほど)漬けておくといいでしょう。赤い梅酢を使えば梅の花の色が濃く仕上がります。

4. お天気のいい日に影干し

軽く絞ってからざるに上げて、風通しのいいところで1〜2日、陰干しします。カラカラにせず、少ししっとりするくらいで仕上がりです。

花弁を1枚ずつ広げるかどうかは好みや性格が出るかも(笑) このくらい重なったままでも大丈夫です。

5. 保存は塩と一緒に

使わない分は、ボウルなどで全体的に塩をまぶしてから保存瓶に入れておきましょう。

または塩と梅を交互に保存瓶に詰めても大丈夫です。

仕上がりも、梅の甘酸っぱい良い香りが残り、季節を閉じこめたような優しい調味料として使えます。さくらの塩漬けと同じで長期保存が可能です。

使い方もいろいろ

・おむすびや散らし寿司のご飯に混ぜて華やかに
・梅酒や梅ジュースの飾り
・梅ゼリーのアクセント
・サラダや副菜に梅の風味を
・シンプルにお湯を注いで梅の香りの白湯やお茶として

など、アイデア次第でいろんな楽しみ方ができます。

漢方では梅の花は喉に良いといわれていて、梅の実と同様に、わたしたちの健康に優しく寄り添ってくれるようです。咲いてる梅を見るもよし、食べるもよし。季節の恵みと一体になる楽しみを味わいましょう。