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キラキラよりも、出会いとつながりにお金を使いたい。「U25グリーンズ女子」3人のユルくて自由な鼎談、第2回

あたりまえのことですが、10代、20代、30代、40代・・・どの世代にも、現在属しているライフステージだからこそ見える社会があります。

greenz.jpが注目したのは、いまの20代は2021年の世界・社会・自分の現在地をどう見ているのだろうということ。30代以上の編集部メンバー・読者が多いウェブマガジンですが、若い世代の彼らの声をインプットにして、多世代が共感でつながっていくことこそ、いま大事なことではないかと思います。

そこで立ち上がったのが、「greenz challengers community」のメンバーで構成されるU25(Under 25)チーム。25歳以下の「グリーンズ女子」たちによる自由なトークをお届けしています。(前回は、『出会いに行く。助け合える人を増やす。「U25グリーンズ女子」3人のユルくて自由な鼎談連載がキックオフ!』

今回のメインテーマは、お金・豊かさ。

かめちゃん

かめちゃん

学生時代に田舎好きが開花したものの、地元・新潟を離れ東京に住んでいる。10歳離れた姉に甘えてばかりの社会人3年目。


ざーさん

ざーさん

観光まちづくりを学ぶ大学3年生。高校生の頃の朝練・朝勉の名残りなのか、今でもどんな時間に寝ても朝4時ごろには起きてしまう、おばあちゃん体質の持ち主。パンを「見る」のが大好きで、最近、「いかにも買う雰囲気を出しながらも、ただパンを眺めて店を出ていく」というスキルを身につけた。


しおちゃん

しおちゃん

1998年、長野県生まれの大学4年生。大学進学を機に神奈川県茅ヶ崎市に住み、海が大好きに。(実は潮の香りが苦手だった。)友人からは行動力があると言われますが、よく言われるからか行動力のある人になろうと意識していることに最近気づきました。

お金を稼ぐことが目的にならない時間を大切にしたい

ざーさん いま図書館で借りてる本で、『月3万円ビジネス』っていうのがあって。

かめちゃん その本、知ってる!

ざーさん 月3万円だからそれだけで生計を立てるってわけじゃないんだけど、自分の得意なことで月3万円だけ、小さく、無理せずに、好きな範囲でやる副業的な仕事をいくつか持つっていうのは良いなって思ってるな。

しおちゃん グリーンズもそうだけど、お金を稼ぐことが主目的にならない、会社や大学とは別のコミュニティやプロジェクトに属していたいなっていうのは思ってる。

かめちゃん わたしがいまグリーンズにいるのは、自分らしい働き方と暮らし方を本当の意味で身につけたいからなんだよね。

ざーさん へぇ。

かめちゃん わたしはやりたいことよりも、働いてお金を稼ごう、自活力をつけようと思ってきたんだけど、正直このままでいいのかなって最近すごく思っていて。

しおちゃん 生活もやりたいこともどっちも大切だよね。

かめちゃん これで本当に後悔しないのかなって。お金のこともあるから「やりたいことをメインではできない」って思う自分もいるし、「案外やりたいことやってしまえばできるんじゃない?」っていう自分もいるし。

ざーさん うんうん。

かめちゃん 自給自足まではいかなくても、野菜だけは家庭菜園で収穫して食べるとか、一緒にいる人を大事にする生活を両立しながら、お金を稼げるといいな。

出会うため、学ぶため、喜ばせるため。わたしたちのお金を使う目的。

しおちゃん フォルケホイスコーレって知ってる?

かめちゃん 知らないな〜。

しおちゃん デンマークにある学校なんだけど、国籍とかなんにも関係なく入れる、17歳以上であれば。そして試験や成績表もない全寮制の学校で。特に、決まった教科はなくて、自分の興味のあるテーマについて、ディスカッションしたりするのがメインなんだよね。自分の知らない土地で、自分とは違う文化や背景をもった人たちと話したくて…。そこに行きたいなと思っているんだよね。

ざーさん かめちゃんは、行きたいところある?

かめちゃん わたしはアジア学院に行きたいなー。

しおちゃん わたしの先輩にいたよ、1年間行っていた人。

かめちゃん アジア学院のオンライン説明会に参加したんだよね。アジア学院というのは、農業の指導者を育てるところなんだけれど、わたしはそこまで農業をやりたいわけじゃなくて、ただ自分で食べるものをつくるという「生きていく力」が身につきそうだなって思ったんだ。たしか、編集長の鈴木菜央さんも参加していたんだよね。

ざーさん どこかに行きたい、参加したいと思うけど、お金でためらっちゃうときってない? わたしはグリーンズに関わるきっかけになった「作文の教室」を受講するとき、心は「行きたい」ってアクセル踏んでても、頭は「お金大丈夫?」ってブレーキかけてた(笑)

しおちゃん ああ、わかる。

ざーさん お金と比べられないもの、例えば出会いがあるのは分かっているけど、なぜかストップがかかっちゃうときがあって。

しおちゃん わたしも「作文の教室」はどうしようとためらっていて。ちょうどお年玉もあったし、「これは行くしかない」と思って。その年は自分に投資するって決めていたから通ったけど、そのおかげで巡り会えた人がいたので、よかったなと。

ざーさん いま、手紙を用いたマイプロジェクトを始めようと思っていて。それもお金と関係があるんだよね。

しおちゃん へぇ―! 気になる!

ざーさん 好きなお店とか、何か気持ちを伝えたい応援したい人がいても、本当はその人の商品を買ってお金をまわせたらいいけど、自分が使える金額には限度があるし。じゃあ何ができるんだろうと考えたときに、手紙だったら自分でもできるなと。そういう経緯があって、いま、手紙に注目してる。

かめちゃん お金もいろいろな使いみちがあるね、学びに行くためのお金、喜ばせたい・つながるためのお金。

ざーさん わたしは誰かを応援するために使いたいな。例えば昨日この靴買ったんだけど、1万4000円くらいして、わたしにとってはすごく高い買い物だった(笑) 買ったお店はすごく好きなところで、行くたびにいろいろな情報・・・例えばこの服はこういうデザイナーさんがこういう思いでつくっているとか教えてくれて。

しおちゃん そういう話、面白いよね!

ざーさん すごく楽しい時間を過ごさせてもらってるから、この靴を買うことでその人たちの生活費になるんだったら全然いいなって思って「ぽ〜ん」って払っちゃった。溜まったお金は、自分が応援したい人に使いたいなって思うかな。もちろんできる範囲で。

丁寧すぎるのはつらい。”いい加減”でいい。

ざーさん わたしはリメイクとかアップサイクルに興味があって、それはwin-win-winだから。自分は安く入手できてつくる過程が楽しい、一方でものを長く使えて環境負荷も少ない。それにものにとっても、長く使ってもらうことできっと喜んでると思うし。

しおちゃん じゃあ逆に、ブランドものとか、そういうキラキラしたものには興味がない?

ざーさん うん、あんまないな〜。それよりもブランドものであったとしても新品じゃなくて古着の方が自分はほしいって思う。前に使ってた人のことを自由に想像できるし、より考える余地がある気がして。

かめちゃん エモいね(笑)

しおちゃん ざーさんはリサイクルとかバックグラウンドを重視して物を買うという感じだと思ったんだけど、逆に一目ぼれとかないのかなって。リサイクル、環境に配慮しているとかじゃなくて「これほしい! 可愛い!」って、ものを買うことはないの?

ざーさん えーとね、一目ぼれはめっちゃある(笑)

かめちゃん あ、そうなんだ!

ざーさん 別に環境に配慮してるってわけではないんだけど、目が合った感じがあって、それで買っちゃうっていうのはよくあるかなぁ。

しおちゃん へぇ。なるほど。わたしはエシカルファッションに興味が湧いたときがあって、「この服はどこからつくられているんだろう、誰がどの国でつくっているんだろう」とかすごい調べていたんだけど、それを気にしていたら洋服が全然楽しめなくなってきちゃって。

かめちゃん わかるわかる。

しおちゃん なんにも買えない。例えば、化学繊維のものを洗うだけでマイクロプラスチックが下水に流れ出たりするし・・・。環境とかに配慮したブランドの商品はめちゃめちゃ高かったり、デザインが好みじゃなかったり・・・。そういうの考えだしたら何も買えないと思って、それからすごく息苦しくなっちゃって。生産背景も大切だけれども、それよりも自分が選択したものを長く大切に扱うことの方が重要なのかもしれないなって思って。

ざーさん すっごい共感できる。こだわり始めると疲れちゃうんだよね。

しおちゃん そうそう!

しおちゃん そういえば、かめちゃんは食にこだわりもってたけど、自炊とかはどう?

かめちゃん うんと、最近は自炊じゃなくなってきちゃって・・・。「丁寧な暮らし、目指す」とか言っておきながら、コンビニとかスーパーとかに頼ってるね。時間を使わないでぱっと手に入れられるって便利だなって想っちゃう(笑)

しおちゃん 自炊って大変だよね。

かめちゃん それでもいいやと思ってきたけどね。

ざーさん いま思い出したことがあって、前Twitterで見つけたんだけど、

っていう感じの投稿。

しおちゃん あ~。そこそこ手を抜いてみたいな。

ざーさん そうそう。これ聞いてめっちゃいいなと思って。それまでは、「丁寧な暮らし、生き方がいいな」というのは理想論としてはあって、自分の手の届かないところにあったけど、そのTwitterでみかけた「良い加減な暮らし」が自分には合ってるなって思った。だから、かめちゃんもそれでいいと思う(笑)

かめちゃん ゆくゆくはしたいけどね~。最近、『人生フルーツ』に登場する奥さんの本を姉からもらったんだ。料理のレシピとか生活の素敵な写真がたくさん載っているのね。その本をみて、「お金もかかってるじゃん!」て思った。いまのわたしの稼ぎじゃ足りないな~。こだわりたいこといっぱいあると・・・。

しおちゃん めっちゃわかる。自炊がかえってお金かかるときってあるよね。

ざーさん お弁当。300円とかで買えるもんね。やっぱね、丁寧な暮らしとか理想としてる暮らしは、お金がかかるよね。金銭的にも精神的にも余裕がないとできないよね。

かめちゃん うんうん。

ざーさん まぁ、まずは「いい加減な暮らし」を目指してがんばるかっ!     

(取材: あいだきみこ
(構成: スズキコウタ
(編集・企画・「写ルンです」撮影: greenz challengers community)