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鍋シーズンは柑橘を手に入れてから始まる。自分だけの「ポン酢」のつくり方

風が冷たく、空気が乾燥する季節になると、やっぱりうれしい鍋料理。準備や調理も比較的簡単で、1〜2人暮らしから大家族まで、幅広く自炊の味方です。

別にたくさんの具材がなかったり、パウチに入った鍋の素がなくたって問題ありません。季節の野菜やきのこなど、好みの具材が数種類あればお湯や出汁で煮込むだけ。味付けは手元の取り皿で自由に整えるのが簡単で、自由で、楽しいです。

それもただおいしい調味料がいくつかあればOK。例えばお醤油、お味噌、塩麹といったうまみが溶け出す系の基本調味料と、あとはポン酢が合います。せっかくなら季節の柑橘を手に入れて、オリジナルのポン酢をつくってみましょう。

ポン酢は「ポン酢醤油」の略でした

ポン酢は、柑橘系の果汁と、醤油、出汁などを合わせた液体調味料で、ポン酢醤油の略。鍋料理だけでなく、サラダに使ったり、お肉やお魚に掛けたりと、使い方は様々です。

市販のポン酢を買うのはもちろん簡単で手軽ですが、自分でつくってみると、自分の好みに味を変えられる自由さを感じられます。また、保存料の類も使わないので、熟成する過程も味わえるし、たくさん余らせることもなく、何よりも単純に楽しいんです。

自分でつくった調味料が食卓の上にあるのは、地味に自分への肯定感というか、ちょっとした誇らしさに近い感情が得られたりもします。

まずは手に入るものを集めてみる

一般的には柚子を使うことが多いですが、すだち橙(だいだい)など酸味のある柑橘を用意します。あまり気負わず、手に入りやすい季節のもので大丈夫です。
また、絞ってみて果汁が足りない場合は、果汁に合わせて全体量を減らすこともできるし、もしくは、数種類の柑橘を混ぜたり、お酢を使ったり、市販のレモンや柚子の果汁を合わせてもつくれます。

こうした自由なカスタマイズこそ自分でつくる良さなので、レシピは参考程度にして、好みを追求するのも良いと思います。ただひとつおすすめしたいのは、市販の果汁を使う場合も1〜2個は必ず生の柑橘を絞って入れること。絞ると分かりますが、香りも味わいも生の果汁に敵うものはありません。ぜひ、お部屋いっぱいに広がる爽やかな柑橘の香りを楽しみながら仕込んでみてください。

今回はこんな材料と分量でつくることにします。

・柚子果汁  80ml(3個分、本当は100mlにしたかったので、すだちを足します)
・すだち果汁 20ml
・醤油(濃口系)150ml
・かつお節  5g前後
・昆布    5g前後

果汁を絞る道具がある場合はそれで、ない場合は果実の中心に包丁を入れて1/2にし、タネが入らないようにザルなどの上から絞ります。スプーンの背などで押したりして無駄なく。また、あとで果皮を別の目的に使う場合は、先に皮をむいておくと作業が楽になります。

合わせてしっかり寝かせる

果汁を絞って材料が用意できたら、保存瓶に全てを入れて、冷蔵庫で数日、寝かせます。

瓶と蓋は事前に熱湯で清潔にしておきましょう。

2〜3日で使えますが、熟成した方がまろやかな味になるので、できれば1〜2週間は寝かせたいところ。1ヶ月くらい熟成させるとさらに深みのある味わいになります。使うときは、ざるや布で昆布とかつお節を漉せば、きれいなポン酢の完成です!

酸味が強く感じた場合は、煮切ったみりんを足しても使いやすくなります。もしも余ったら冷蔵保存し、半年位を目安に使い切りましょう。また、マヨネーズを溶いたり、すりゴマを加えたり、大根おろしや薬味を合わせるなどして、つくり置き調味料にしておくのも良いですね。

ひとつの市販の味に固執せず、自分の好みやその日の気分、もしくは一緒に食卓を囲む人に合わせるなど、柔軟で寛大に季節の味わいを楽しむことは、外の寒さも忘れるような豊かさがあると思います。