脱プラスチックが進む昨今、ラップの代わりになる様々なものが登場しました。みつろうで布をコーティングしたみつろうラップを愛用している方も多いかもしれませんね。
私もみつろうラップや繰り返し使えるシリコン製のエコラップを日常的に活用しつつ、「晒し(さらし)」をかなり愛用しています。以前その話をグリーンズの脱プラスチックイベントでお伝えした際、興味をもってくださった方が多かったので、今日は晒しについてご紹介しましょう。
晒し(さらし)とは
晒しとは、一般的には木綿の織物のこと。手ぬぐいや和装の肌着をつくる前の状態で、染色などの加工が何もされていない、薄くて真っ白の布です。化学染料などが使われていないため、赤ちゃんの肌着や食品加工にも使いやすく、ドラッグストアでは衛生用品のひとつとして、包帯やガーゼと一緒に販売されていたりします。
あと、お祭りでお神輿を担ぐ人が体に巻くのも晒しです。そのためメーカーによっては糊が付いた状態で販売していることもあるので、その場合は事前に水洗いなどで糊を落としてから食品に使うのがいいでしょう。
ラップを使わず
晒しでご飯を冷凍する
晒しは大抵5〜10mといった単位で販売されているので、用途にもよりますが、主にキッチンで活かすなら、あらかじめ30cm前後に切って保管しておくのが便利です。
ご飯の冷凍に使う場合は一度水で濡らし、固く絞った晒しにご飯を置いて包みます。鮮度を残しながら冷凍するためには、包んだご飯をさらに冷凍用バッグに入れてから冷凍すれば、おいしさも長持ちします。
解凍するときは冷蔵庫や常温で自然解凍もできるし、凍った晒しの表面にサっと水を通してからレンジで解凍できます。また、時間に余裕があるときは晒しごと蒸し器で蒸し上げると、炊きたてみたいなふっくらさが蘇るのでおすすめです。
使用した晒しは熱湯で洗ってよく乾かせば繰り返し使えます。使ううちに端がほつれたりしますが、薄くても丈夫ですので、かなり何度も使えるのが晒しの良いところ。だんだん汚れなどが気になってきたら掃除用にしたり、適当なサイズに小さく切って、油汚れを拭き取る「ウェス」にするなど、最後まで使いきることができます。
冷凍だけじゃない
キッチンでの用途はたくさん
ご飯を包んだり、ふきんにするだけではもったいない。他にもキッチンにおける晒しのポテンシャルはかなり高いです。
量り売りのお店を利用する方や、野菜の購入時にポリ袋を避けたい人は、晒しの周辺を縫って袋状にしておくのも使いやすくなります。
ニューヨークでパッケージフリーのお店を運営する、ゼロウェイスト活動家のローレン・シンガーさんも度々、野菜を布の袋で買ったり、布で包んで冷蔵保存することを紹介しています。
ラップはとっても便利なのでなかなかゼロにすることも難しいと思いますが、たった1回の使用で捨てるものをひとつずつ置き換えていくことで、家庭からも少しずつ脱プラスチックしたいですね。