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大切なあの場所を守るのは、あなたの想いと一つの投稿かもしれない。 本好きなたった1人から始まった「Save Your Bookstore」が世界へ広がっている。

あなたの近所に、誰かに教えるのがちょっぴり惜しくなってしまう。
そんなお気に入りのお店はありますか?

カニクリームコロッケが美味しい洋食屋さん。
迷路のようにうず高く本が並ぶ書店。
こじんまりしたレトロな喫茶店。

今、新型コロナウイルスの影響を受け、そんなお店の多くが経済的に苦しい状況に追い込まれています。このままでは、わたしの好きなあの場所がなくなってしまうかもしれない… そんな思いを抱き、自分にできることがないかと考えた方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんなあなたへのヒントとなるかもしれない「Save Your Bookstore」の事例をご紹介します!

「Save Your Bookstore」は、国や、州、市、郵便番号などから近所の書店を検索できるというシンプルなアプリ。掲載されている書店は、いずれも個人やNPOなどによって小規模で経営されている”独立系書店”ばかりです。

独立系書店というと、あまり耳馴染みのない方も多いかもしれませんが、greenz.jpにも度々登場している内沼晋太郎さんがオープンした「B&B」のような、チェーン店はなく地域に根ざした”街の本屋”といえば想像がつきやすいのではないでしょうか。

「Save Your Bookstore」では、そうした書店を検索し、書籍を注文したり、ギフトカードを購入したりすることで、それぞれのお店を支援することができます。

(左)トップ画面の”Browse Bookstore”をタップし、アプリに登録されている書店を検索。
(右)気になる書店のウェブサイトやSNS、書籍やギフト券の購入方法などを見ることができます。

2020年3月末につくられたばかりのアプリですが、それからわずか10日ほどの間に掲載された書店は8カ国600店舗以上にのぼり、現在はイギリスやアメリカを始め、ヨーロッパや、インド、シンガポールなどアジアを含む22カ国のさまざまな書店が掲載されています。

まだ日本の書店は載っていませんが、利用者の誰でも世界中の書店をアプリに追加できるため、あなたのお気に入りの”街の本屋”を登録し、支援することもできるんです!

アプリ内は英語表記ですが、”Add a Bookstore”から書店の名前、所在地、ウェブサイト、支援方法などを記入するだけ! とてもわかりやすく、シンプルです。(書店の追加はこちらから。)

そんな「Save Your Bookstore」ですが、開発のきっかけをつくったのは、自ら”愛書家”を名乗るほど本好きなたった1人の想いでした。

私はただ、こじんまりとした書店が好きだったんです。

でも、いつまで続くかわからない都市封鎖が起こったとき、そんな書店も休業せざるをえないのはわかっていました。同時に、こうした書店をもう目にすることができなくなってしまうかもしれない…という思いが頭をよぎりました。

とAakanksha Gaurさん(以下、アーカンシャさん)は語ります。

もともとインスタグラムで「ShelfJoy」という独立系書店の写真や情報を共有するコミュニティを運営していたアーカンシャさん。そうした書店を支援したいという思いを抱くのは、自然なことでした。

「ShelfJoy」の投稿にはアートのような写真が並び、眺めているだけで心弾みます。

人々が集まる”コミュニティの中心”でもある書店に消えてほしくなかった。
そのために、私たちがどんな具体的な行動をとれるのか、それを考えたかったんです。

大型書店の台頭や、ネットショッピング、電子書籍の普及などによって姿を消してゆくなか、独自の本を集めてキュレーターとして機能したり、人が集う場としてイベントを開催したりすることで、新たな役割と可能性を模索してきた”街の本屋”。

こうした書店を支援するためにアーカンシャさんが思いついたのは、みんなが見えるかたちで書店と支援方法を”リスト化”することでした。そして、”リスト”の作成をすすめ、情報を追加してほしいと呼びかけたアーカンシャさんのSNSへの投稿が、「Save Your Bookstore」の開発へとつながったのです。

書店のリストをつくるために支援を呼びかけたアーカンシャさんの投稿。ぞくぞくと集まってきた情報とアーカンシャさんの想いに賛同するボランティアの手によって、アプリの開発が実現しました。

地道な努力をすべて吹き飛ばしてしまうかのような新型コロナウイルスのさまざまな影響。

それでも、できることをひとつずつ。

アーカンシャさんのように考え動き出すことで、残したいものを守りつつ、前に進んでいけるのかもしれない。そんな希望をもらいました。

– NEXT ACTION –

「私にできることは、何だろう。」
「本を紙袋に入れられる」「アイデアを出せる」「メールを送って勇気づけられる」きっとあなたにできることはいっぱいあるはずです。
想いを馳せ、考え、発信してみる。そこから始めてみませんか?

(Top Photo by Renee Fisher on Unsplash)

[via Twitter, Instagram, Fastcompany, The Boston Globe]

– INFORMATION –

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