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『1日3時間だけ働いて穏やかに暮らすための思考法』が私に説いてくれたのは、個人から関係性の時代に変化している今、「考える力」を鍛えることが必要だということ。

人生100年時代、といわれるようになりましたが、「この先はどんな時代になるのだろう」と漠然とした不安を感じたことはありませんか?

働き方や生き方が多様化し、「正解」がない時代だからこそ、
どう生きるの?
どんな働き方をするの?
何を大切にしたいの?
誰と過ごしたいの?
と絶えず問われているような気がしています。

今回オススメする書籍は、思考に関する本です。落ち込んだときにふと読みたくなる「前向きな考え方のススメ」本とはちがう、「考え方そのものを鍛えよう、それがこれからを生きるための武器になるよ」と語りかけてくる本でした。題して、『1日3時間だけ働いて穏やかに暮らすための思考法』。

決して”1日3時間だけ働いて”、というタイトルに惹かれたわけではありませんが(笑)、年が一周り以上離れた聡明な私の友人が本の著者とつながりがあることから、手にとってみました。

思想家である著者の山口揚平さんは、筋力と同じように、考える力もまた繰り返すことによって鍛えることができると言います。書籍の前半には考える力を鍛えることのメリットと具体的な方法、そして、後半には、2020年以降を生き抜くために、お金やコミュニティ、仕事のあり方、ロールモデルなど、大胆な仮説が書かれています。

考える目的とは?

そもそも考える目的とは一体なんでしょうか。改めて問われると、自分の中でも定義が曖昧なことにも気付きました。

書籍では、考える目的を

・代替案や具体案を出すこと
・全体像を明らかにすること
・本質を見抜くこと

と書いていました。

感情的に批判したり、評論することは誰にでもできそうですが、本質を見抜き、全体像を見渡し、具体案や代替案を出せるのは思考力の賜物のようです。

例えば、私は医療に関わる仕事もしていますが、それまでは老いることや病気や死について、できれば避けて通りたいことと捉えていましたが、本質を知ることで必要以上に怖がることがなくなりました。

死ぬことは”生きることを考えること”とイコールであり、生涯のマイテーマが見つかったり、夫婦としてどんな風に生きたいか、お互いのキャリアを応援しあえるか、子どもがどんな風に育ってほしいかなど、生き方や働き方、子育て、夫婦、病気、お金のことなど、それまで漠然としていた”大事にしたいこと”がはっきりするようになったのです。


立教大学にて行われた山口揚平・山口周さんの講演会「AI時代の新しい思考法」の様子

個人の成功体験から、他者との関係へ

そして、本の終盤には

「これからを生き抜くために必要なことは「国語」「算数」「理科」「社会」の4象限に分けられる」

と書かれていました。

小学校で習った4教科が基礎になり、国語はコミュニケーションを司り、理科は自然との調和を司り、社会(哲学)は真善美の追求や想像を司り、算数はロジックや構造化を司るのだそう。

私は学生時代から国語や社会が好きでしたが、それは今でも変わりません。人と接する仕事に就いたり人とうまくつながることができなかった経験から、コミュニケーション(国語)について徹底的に学びなおしたり、この社会がどう成り立っているのかを知るためにこれまでの歴史(社会)を学びなおしたりしています。ロジックや構造化は今でも苦手ですが、自分の得意を自覚できたのでそこを伸ばしたいと改めて思いました。

また、山口さんは

これまでの世界観は個人の成功、幸せ、権利、取引などが前提とされてきたけど、個人から、個性と個性をつなぎ合わせた他者との「関係」に前提が変わりつつある。

とも書いていました。

個人で生きているのだとしたら、あれもこれも知り、全部自分でできなければとなりがちですが、他者とのつながりで生きているとしたら、互いの得意を持ち寄り、不得意は支え合えるのが健全な関係なのではないでしょうか。

グリーンズでも、「いかしあうつながりとはなんだろう?」と問い続け、日々内外のいろいろな人と関わりあっています。

もしあなたも、自分だけではなく関わる人と幸せになりたいと願うならば、一緒に鍛えてみませんか。これからを生きるための考える力と、人とつながる力を。

(Text: 山崎久美子)

『1日3時間だけ働いて穏やかに暮らすための思考法』の購入はこちら!

著者:山口揚平
出版社:プレジデント社
言語:日本語
ISBN-10: 4833423138
ISBN-13: 978-4833423137
発売日:2019年2月28日