仕事や空いた時間にPCやスマートフォンを使っていて、気づけば随分時間が経っている…!そんな経験をしたことありませんか?
2019年1月にデジタルマーケティング会社We Are Socialが行った調査によれば、世界の人々は1日平均6時間42分、インターネットを利用しているのだそう。
仕事や好きなことに集中していると、息抜きすることをついつい忘れてしまうもの。今回は、そんなセルフケアの時間を大切にするべく、ある実体験からアプリの開発を思いついた一人の女性を紹介します!
それが、ブルックリンに住むデジタル・ストラテジストのAmber Discko(以下、アンバーさん)。アンバーさんが開発したのは、「Aloe Bud」というアプリ。仕事中に水を飲んだり何か食べたり、寝る前に歯を磨いたりするよう、スマートフォンに通知してくれるアプリです。
「水を飲んだりご飯を食べたりすることを、どうして忘れちゃうの?」
そう考える人も多いかもしれません。しかし、仕事にあまりにも集中してしまったがために、ランチを十分に摂らなかったりして、気づいたら18時・・・。もしくはお昼を食べるタイミングを逃してもう夕方…。このような働き方をする人は、日本でも珍しくないかもしれません。
そんな人々に向けてつくられたアプリ「Aloe Bud」の使い方はいたってシンプル。決まった日と時間に水を飲むことや深呼吸することなど約10のアクティビティから、自分にリマインドしたいことを通知してくれるようアプリで設定するだけ。
画面に通知が届き、やるべきことを終えたら、「Check-in」をタップして記録します。有料版にアップグレードすると、通知の言葉を自分で編集することや、毎回異なる言葉で通知をしてもらうこともできちゃう優れもの。
「Aloe Bud」は通知する言葉がとても優しいのも特徴。例えば「Breathe」というアクティビティを設定して時間になると、「Breathe: it’ll be okay (息をして、きっと大丈夫)」と書かれた通知が表示されます。
リラックスできることばで、ユーザーが必要とするアクティビティをできるよう促してくれるのです。さらにユーザーはアプリ上にアクティビティごとのメモを残して、後から読み返すこともできます。
実はこれは、アンバーさんが2016年アメリカ大統領選でヒラリー・クリントン陣営の仕事に携わったことで生まれたアイデア。自分を対して時間を使うことを忘れてしまうほど忙しく、常に気分の落ち込みや心配ごとに悩むという経験をした彼女は、アプリの開発に必要な資金をクラウドファンディングで集め、2018年4月にこのアプリをローンチしました。
アンバーさんはセルフケアについてこう語っています。
セルフケアという言葉の意味を見直すために、私が何か行動を起こすことで、人々に自分自身を大切にすることを普通だと思ってもらいたい。自分自身を大切にすることに対して罪悪感を抱いたり、それを怠ることに恥ずかしさを感じたりせずにね。
2012年にシドニー大学が中心になって行った1日の座位時間に関する調査結果によると、なんと日本人が平均7時間とトップの結果に…。国内の座位行動研究の第一人者である早稲田大学の岡浩一朗教授の研究では、座りっぱなしは様々な死亡リスクを高めるのだそう。
座ったままだと足の筋肉を動かすことがほとんどなく、肥満はもちろん糖尿病、高血圧などになり死亡のリスクが高まるといわれているほか、メンタルヘルスや認知機能の低下も指摘されているんだとか。意識次第で改善できるはずなのに、私たちは日々の仕事と生活に追われて、自分の身体をいたわり大切にする時間を忘れているのかもしれません。
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日々開発されるソフトウェアは、仕事の効率を格段に高めたり場所を選ばずに働ける環境をつくったり、私たちに様々なライフスタイルの選択肢を与えてくれています。それはまた、いつでもどこでも休まず仕事ができてしまうということ。
アンバーさんが生み出したのは、そんな忙しい生活にひとやすみするきっかけを与えてくれる優しいアプリ。
私もアプリをさっそくインストールして使っていますが、想像以上に長い間座っていたり水を飲まないでいたりすることにびっくりしました。
「Aloe Bud」の優しい通知が届くと、ちょっとここで深呼吸してひとやすみ、と気持ちに少し余裕がでてきたような・・・。あなたも自分自身を大切にして、また明日から仕事や勉強をはじめてみませんか?
[via UpWorthy, Mashable, Sporteluxe]
(Text: 桝井菜々子)
(編集: スズキコウタ)