\11/12オンライン開催/ネイバーフッドデザインを仕事にする 〜まちを楽しみ、助け合う、「暮らしのコミュニティ」をつくる〜

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まちなかに突如出現したのは、あの懐かしのゲーム! 使われていない道路をコミュニティスペースに変える「Pavement to Parks」

ゲームをやり始めたら止められない。
家にこもり、ひたすら画面とにらめっこ。
結局、「外で遊んでいらっしゃい!」と親から外に出るように言われてしまう…。

そんな経験が子どもの頃にある方、きっと多いのではないでしょうか?

しかし、2017年の今、たとえ親に外へ出されてしまっても落ち込む必要は無いようです。

というのは、あの大人気ゲーム「パックマン」が、アメリカ・シアトルでゲームの世界を飛び出して、街に出現したのだとか!

パックマンがいる街?? 一体どういうことなのか、実際に見てみましょう。

大人気ゲーム「パックマン」がゲームの世界を飛び出した!

パックマンが出現したのは、もともと駐車スペースとレンタル自転車置き場として活用されていた道路の一区画。今では、ほとんど使用されていないスペースだったので、”モンスターに狙われた”というわけですね。

縦25m・横10mほどの小さな台形スペース

4匹のモンスター(BLINKY、PINKY、INKY、CLYDE)と食いしん坊の主人公の配列は、まさにプレイ中の「パックマン」そのもの!

歩行者は実際にこの迷路で遊べちゃうんです。ゴーストにぶつからずに通過すればレベルクリア!

しかし、突然街に現れたパックマン。一体誰の仕業なのでしょう?

遊び心あふれる落書きかと思いきや、実はシアトル運輸省主導で正式なまちづくりプロジェクトだったんです。「Pavement to Parks」と呼ばれる今回の取り組みの目標は、「使われていない道路を、みんなが集うコミュニティスペースに変える」ことでした。

そんな斬新な発想で注目を集めた彼らの活動ですが、ユニーク以外にも2つの特徴があります。

1つ目に、短期間・低コストで新しいパブリックスペースをつくったこと。プロジェクト名「Pavement to Parks」のpavementとは、舗装を意味しており、実際にペイントを行うだけで新しい場づくりを行いました。

ペイント作業をするシアトル運輸省職員

そして2つ目が、地域住民と協働してプロジェクトを進めたことです。
住民からアイデアを募り、実施する案を住民投票で決定しました。

街の中で開催された、投票時の様子

選ばれたパックマンのデザイン図

このプロジェクトに対し、近隣住民の反応は

僕はここの近くに住んでいて、実はここの通りを車で通るんだ。この新しいパブリックスペースにはすごく期待していて、コミュニティの結束力を強めてくれると思っているんだ。

ここの通りはほとんど使われてないから、面白い公園に変えるっていうのは良い活動!

と、市民の方にも快く受け入れられています。

アメリカでも「パックマン」は誰もが遊んだことのあるゲーム。インタビューに答える女性も、もちろん知っているようです。

思わず微笑んでしまう楽しいまちづくりですが、その背景には笑えない社会問題がありました。

シアトルでは2010年から2015年にかけて、約5万人もの移民を受け入れた結果、既存のコミュニティから活気がなくなってしまいました。(出典元

そのため、住民から「コミュニティの場をふやしてほしい」との声が多く寄せられプロジェクトが立ち上がりました。すでにシアトルの7つものアスファルト砂漠に新しい命が生まれましたが、これからもっと増やしていくとのこと。

サンフランシスコに現れたパブリックアートも「Pavement to Parks」が実施しました。

どこで何と出会うか分からない外の世界。いつもは家にいるのが好きだという方も、思い切って飛び出してみると、パックマンのような新しい何かに遭遇するかもしれませんね。

[via CITYLAB, Capitol Hill Seattle Blog, SDOT, King5, MyNorthwest.com, seattlemet, Wikipedia, Twitter]

(Text: 棚元ひな子)


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