こうも暑い日が続くと、冷たい飲み物やデザート、ほしくなりませんか?
夏はBBQやキャンプなど、外で食事を楽しむ機会も増えますよね。そんな時に便利なのは使い捨ての食器。とはいえ、いざ片付けるときに大量のゴミを見ると、ちょっと罪悪感をもってしまうことも。
環境省によると、日本人一人あたりが1日に排出するゴミの量はなんと958gと、約1kgにもなるといいます。なかでも大きな原因の一つとされるのが、使い捨て容器なのだそう。
片付けの手間もなくて、しかもゴミを少なくできる方法があればいいのに。そんな思いを抱くみなさんのために、こんなカワイイものを見つけてきました!
ニューヨークで生まれた、この「Loliware」という名のカップ。実は、ドリンクを飲み終えたら、食べられちゃうんです!
気になる原料は、海藻。室温以下の飲み物や食べ物に対応しています。
現在、全5種類のフレーバーが発売されており、あざやかな黄色のYuzu Citrus、真っ赤なTart Cherry、深みのあるMatcha Green tea、オトナな色合いのVanilla Bean、そしてノンカラー・ノンフレーバーのNatural Colorと、乾杯する飲み物にあわせて選ぶことができます。
カップの味に合わせて、オリジナルのカクテルやデザートをつくって楽しむ、なんてのも粋ですね。「Loliware」のWebサイトには、カラフルでキュートなレシピブックが公開されていて、季節に合わせたレシピもたくさん。
左上から時計回りに、Yuzu Citrus, Cherry Tart, Matcha Green tea, Vanilla Bean
フレーバー別に様々なレシピが。見ているだけで楽しい!
ところでこの「Loliware」、ただかわいくて美味しいだけじゃないんです。
まず、「完全に、すぐに」自然の循環に戻るようにつくられていること。
一般的なペットボトルやガラス瓶などのリユース容器は、一度使った後に回収すれば、素材としてリサイクルできますが、時にゴミになってしまうことも。一方で最近増えつつある、植物由来の土に還る素材を使った容器も、分解には長い時間がかかり、しかも完全に自然に還ることは難しいと指摘する声もあります。
「Loliware」は、たとえ食べ残してしまっても、バナナの皮と同じ感覚でコンポストに入れてしまえば、短時間で土に還ります。衛生面を考えてつけられている紙製のスリーブも、完全に土に還る素材が使われているので心配いりません。
シンプルなデザインの紙製スリーブがついているから、衛生的。この紙製スリーブや、商品の包装もすべてコンポストできる素材を活用しているそう。
さらに「Loliware」は、食べものだからこそ、安全にも徹底的にこだわっています。材料には全て植物性のものを使用し、グルテン・ゼラチンフリー。
環境ホルモンや遺伝子組み換え物質などの有害物質は一切含みません。香料にも、果物や野菜由来のオーガニック素材が使われているほどの徹底ぶり。日本の厚生省や消費者庁にあたるFDA(アメリカ食品医薬品局)の認証も受けています。
こんなにカラフルでも、成分は全てナチュラルなものを使用。ヘルシーなんです。
そもそも、この「Loliware」が生まれたのは、2010年のとある食品コンテスト。当時はユニークなゼリーとして発表されたそうですが、大反響をうけて本格的な開発が始まり、2015年3月、ついに製品化されました。
今では数多くのバーやケータリング会社を顧客に持ち、フォーシーズンズホテルや、アメリカの大手フードサービス企業、Armark社にも採用されています。
開発したのは、Chelsea Briganti(以下、チェルシーさん)とLeigh Ann Tucker(以下、レイ・アンさん)の女子コンビ。ふたりは、”biodegrediable”(=100%生分解性)の食器やパッケージの可能性をどんどん広げていくことを目指しているのだそう。
チェルシーさん アメリカでは、毎年25億個もの”土に還らない”プラスチックカップが捨てられているんです。どうしても、何とかしたかった。
レイ・アンさん 全くゴミが出ないようにしたくて、美味しすぎて『食べちゃう』ようにつくりました。今も、容器としての機能性、使いやすさ、そして何より楽しく食べられることを追及して、改良を続けています。
左: チェルシーさん 右: レイ・アンさん。ともにNYの学校で工業デザインを学びました。
すでにふたりは2016年6月、自然界の2倍のビタミンを含む新しいタイプの「Loliware」を発表。また、同年秋には、ラージサイズやショットグラスもラインナップに追加される予定だそう。将来的には、ストローやウォーターボトルも追加していくそうです。
こんなTinyなショットグラスもお目見え!
「Loliware」は1つあたり約4ドルで販売されています。現在、残念ながら日本からの購入には対応していませんが、これからに期待ですね。
もしかしたら来年は「Loliware」で乾杯して、みんなを驚かせることができちゃうかもしれません。
[Via Co.Exist, Loliware, 環境省HP]
(Text: 吉原海)