みなさんは、日頃どのくらいエクササイズをしていますか?
限られた時間の運動でカロリーを消化するために、なるべくローカロリーの食品を選んだり、食べる量をコントロールしたり。きっと、みなさんの中にも、いろいろな努力をされている方がいるのではないでしょうか。
そんななか、イギリスでは食べた分を消費するのに必要な運動量がその場でわかるラベル「Activity equivalent labeling」が話題になっています。
これまでも、イギリスではスナックや飲み物に対して栄養成分表示はされていましたが、
「もっと簡単に、そのカロリーを消費するために必要な運動量がわかるようにしたい!」というアイデアとニーズのもと、新しいフードラベルが表示されることになりました。
それでは、実際にどのようなラベルがあるか、一例を見てみましょう。
例えば、板チョコ一枚のカロリーは229kcal、チョコを全部食べてしまった場合、42分間普通の早さで歩くか、22分間走ればカロリーを消費することができます。
大きめのピザを一切れ食べてしまった場合は1時間23分歩くか、43分走らないとカロリーは消費できません。欧米人が朝ご飯によく食べるシリアルだと、歩いても30分程度なので、実は通勤通学で簡単に消費できてしまいそうです。
このように、各商品のパッケージに必要な運動と所要時間が書かれたアイコンが表示されているので、誰でも簡単に摂取カロリーを消費するために必要なエクササイズがわかる「Activity equivalent labeling」。
このフードラベルがつくられた背景には、欧米でここ数年深刻になっている肥満問題があります。イギリスでは国民の3分の2が肥満と言われ、その原因として指摘されているのが、食品メーカーが「メガ・サイズ」と呼んで提供している、大きなサイズのソーダやジャンクフードなのだそう。
もはや、肥満が個人の問題ではなくなった中で、食品メーカーも人気の商品を売るだけではなく、消費者の健康に協力することが大切だという考えのもと、「activity equivalent labeling」ができたのです。
このラベルを提案したイギリス公衆衛生局では、実際に街で人々にインタビューをして、食品のカロリーを答えてもらい、この新しいフードラベルを広めるキャンペーンを敢行。その結果、国民の2/3が「これだったら私もポジティブに生活習慣を変えられそう」と、このアイデアを高く評価しているといいます。
RSPH(イギリス公衆衛生局)は調査のために、一般の人々に食べ物のカロリーを予想してもらいました。
イギリス公衆衛生局・局長のShirley Cramerさんは、
私たちは国民を脅すために新しいラベルを考えたわけではありません。
体重を増やさずにカロリーを消費するためにどのくらい運動しないといけないか、みなさんに知ってもらいたいからなのです。この小さなアイコンが毎日の生活の中で、もう少しアクティブになることを応援してくれます。
と話しています。
時間に追われ、なかなか落ち着いて食事ができないとき、簡単に食べられるジャンクフード便利で、つい手にとってしまう人も多いかもしれません。だからこそ、このフードラベルが提供する情報を頼りにして、
を維持しようというマインドセットを持てれば、私たちの身体が健康になるだけでなく、ストレスを減らすことにもつながりそうですね。
日本はヘルシーな食べ物が手に入りやすいため、ダイエットといえば食事のコントロールを考える方が多いかもしれませんが、これを機会に食事と運動のバランスを考えてみるのもいいかもしれません。
(Text: 松下史佳)