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本当に必要なものだけに囲まれた、小さいけど理想的な暮らし。地価が高騰するバークレー在住のカップルが取り組む「Project Freedom」って?

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突然ですが、みなさんは「今住んでる物件の賃料が来年から倍になる」と言われたらどうしますか?

「そんな極端な話ってあるの?」と感じるかもしれませんが、実際、世界には地価が急上昇している都市や街がたくさんあります。今回ご紹介するお話の舞台である、アメリカのベイエリア(バークレー・オークランド・サンフランシスコ・シリコンバレー)も、そんな場所の一つ。

現在、サンフランシスコ市内の家賃は1LDKで平均3500ドルと言われているそうですが、更に1年で1〜2割も賃料が上昇しつづけているそう。その原因は、AppleやGoogleやFacebookなど、ベイエリアで生まれた企業の劇的成長による住宅の需要増加と、市街の景観を保持するための法律がぶつかりあって、新しいマンションが生まれにくいことなのだとか。(出典元

もし自分が住む地域で、同じようなことが起こったら一体どうすればいいのでしょうか? 今回はアメリカ西海岸の街、バークレーに住むMark Alford(以下、マークさん)とEliana Chinea(以下、エリアーナさん)の新しい生活と、その物語を紹介しましょう。
 
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バークレー在住のMark Alfordさん

元々は、インディアナポリスに住んでいたというマークさんとエリアーナさん。ふたりは数年前に、オークランド東部にあるマンションへと引っ越しました。しかし引っ越してまもなく、ふたりはどこか孤立した感情を抱くようになったのだそう。

僕らは、いわゆる都会の固定観念にうんざりしてしまったんだ。

どういうことかというと、都会に住んでいると、僕らの暮らしに必要なことがすべて産業化されているよね。僕らの暮らしに本当に必要なものかどうかと断捨離をしたときに、あまり必要でないものにも多くのお金を払わなきゃいけないことに気づいて、今の暮らしを手放したいと思ったのさ。

そう語る、マークさん。たくさんの物を持って生活し、更に暮らしに必要なものすべてが産業化された都会の暮らしに疑問を感じていたマークさんは、2014年10月、遂にパートナーであるエリアーナさんとともにある決断をします。

それは、なんと、19平米の小さな家を自分たちでつくること! 「Project Freedom」と名付けられたこの計画は、発案からたった6ヶ月後に、わずか7000ドルの資金でほぼ完成しました!
 
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完成した19平米のタイニーハウス。土台には車輪が付いています。

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家の広さは19平米と小さいながらも、そこにはロフトベットにバスルーム、仕事スペースといった生活に必要なものは確保されています。7000ドルという資金で完成させるべく、ふたりは破格で譲り受けた窓や再生木材、更にはリサイクルジーンズなども利用してDIYをしたのだそう。

大きな窓を指差してマークさんは言います。

これはオークレーの牧場で、空の納屋を持て余している人から、たった250ドルで買い取ってつくったんだ。たまたま散歩しているときに見つけてね。

このように、今ある資源を活かすことは、経済的な自由にもつながったと話すマークさん。一方マークさんとともに、このタイニーハウスに移り住んだエリアーナさんは、こう話します。

私たちはこの家を知ってもらうことで、人びとが本当の自由を得るために、大きな暮らしから小さな暮らしへ移るきっかけになってほしいと思っているわ。

もしかしたら、小さな暮らしは控えめに見えるかもしれないけど、それは同時に寛大でもあることよ。経済が不安定な状況だからこそ、お互いに助け合える方法を見つけていくことが大事なのではないかしら?

今後のふたりの目標は、さらに引き出しやタンスなどをつくって収納場所を増やすこと。そして、ふたりの家は車輪がつけられトレーラーハウスとしても利用できるそうなので、ヨセミテ国立公園など近郊に家ごと移動して余暇を楽しむことなのだとか。
 
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自分たちの思い描く自由な暮らしをつくるために、必要最小限のお金でDIYをして家を建てたマークさんとエリアーナさん。暮らしのスケールは小さくなりましたが、それは決して我慢する事ではなく、より理想に近づく結果となった様子です。

もしみなさんが、自身の暮らしの「Project Freedom」を始めるとしたら、まず何から始めますか? タイニーハウスをつくることにハードルを高く感じる方もいるかもしれませんが、「本当に自分の暮らしに必要な物は何か?」と自分に問いかけることから、始めることができるのではないでしょうか。

[via inhabitat,OLIVERS,ourtinyadventure]

(Text: 並木香菜子)

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