ミーティングには、「Green Magazine Hawaii」編集長のKevin Whittonさん、エディターのLauren McNallyさん、Chelsea Tsuchidaさんが来てくれました。さらに、偶然ハワイで留学生活中の元greenz.jpインターン、中山智晶さんも同席!
こんにちは! greenz.jp編集部デスクのスズキコウタです。
突然ですが、みなさんは今年どこかへ海外旅行に出かけましたか? 僕は、4月にハワイへ行ってきました。
ハワイ旅行が決まった瞬間、「せっかくグリーンズのスタッフが海外まで足を伸ばすなら、なにか収穫を持ってこないと!」と思い立った僕は、現地でgreen drinksが開催されていないかチェック。すると、ホノルルでgreen drinksが開催されていることを知りました。
残念ながら僕の滞在中には開催されないとのことでしたが、「Green Drinks Honolulu(以下、gdHonolulu)」のオーガナイザーに連絡してみたところ「せっかく日本から来てくれるなら」とお会いできることに!
そこで僕は、ハワイで留学中の元ライターインターンの中山智晶さんも引き連れて、カカアコ地域にあるカフェへ会いに行ってきました。
いざ話してみると、「green drinks Tokyo(以下、gdTokyo)」とgdHonoluluには共通点がいくつも! 今回は、彼らに聞いてきたgdHonoluluの様子などをご紹介します。
実は世界中でやっている、green drinks!
よく「green drinksって、NPO法人グリーンズのものなんでしょう?」とか、「グリーンズがやってるから、green”z” drinksなんですよね?」と言われることがありますが、実はgreen drinksって、NPO法人グリーンズが考案したわけでも、何か権利を持っているわけでもありません。
実はgreen drinks発祥の地はイギリスと言われていて、全世界約500都市で開催されています。NPO法人グリーンズは、2007年よりgreenz.jpのオフラインイベントとしてgdTokyoを開始し、2010年からは「green drinks Japan」を立ち上げて、日本全国へgreen drinksを広めてきました。
一方、今回お話を伺ってきたgdHonoluluは、ホノルル近辺で持続可能な社会づくりをしている人々をつなげるために、2007年から始まったのだそう。オーガナイザーを務めているのは、「Green Magazine Hawaii」という季刊発行の雑誌を編集しているメンバーたち。そう、つまりgdTokyoと同じく、メディアの編集部がオーガナイズを担当しているんです!(さらに開催をスタートした年も一緒!)
そんないくつかの共通点に驚きながら、お互いのgreen drinksについて、さらに発行している雑誌について話してきました。
カカアコのカフェ前にて、オーガナイザーのみなさんとパチリ!
オシャレなレストランを貸し切って開催するgdHonolulu
僕が、まず最初に気になったのは、gdHonoluluを開催している会場。ホノルルといえば、なんといってもリゾート地。「素敵なレストランや、パーティースペースもいっぱいあるし、きっとオシャレな場所で開催しているのだろうなあ… 」と思う方も多いのではないでしょうか?
その予想は、大正解!
これまでgdHonoluluでは、日本でも大人気のパンケーキが有名なレストラン「Eggs ‘n Things」や、ワイキキのメインストリートであるカラカウア通りやビーチ沿いのオシャレなレストランを貸しきって開催してきたのだとか。
あるときは、日本でも長蛇の列が絶えない有名なパンケーキ店「Eggs ‘n Things」を貸しきって開催(Green Drinks Honolulu提供)
あるときは、外の開放的な空間が楽しめるオシャレなバーで(Green Drinks Honolulu提供)
またあるときは、ビーチサイドで。(Green Drinks Honolulu提供)
一方で「観光客も参加しやすい場所で開催しているのなら、きっとローカル以外の参加も多いのでは?」と聞いてみると、エディターのLauren McNally(以下、ローレンさん)から、こんな答えが。
ローレンさん 実は、観光客は意外と少ないんです。たまに以前ハワイに住んでいた方や、世界のgreen drinksを渡り歩いている方が参加することもありますが、ごく少数です。
また、日本と違ってアメリカは未成年の飲酒に対して厳しい条例があるので、21歳以下の参加者を増やすことに苦労しています。現在gdHonoluluに来てくれる参加者は、20代後半から50代前半の方々がコア層になっています。
アメリカでは、未成年はアルコールの注文はおろか、夜にお酒を提供するレストランに入店できないこともしばしば。その影響もあって、これからサステナビリティに興味関心を抱く若い人々向けに、夜のイベントやパーティーを企画するには、高いハードルがあるようですね。
ところで、gdTokyoはトークセッションや、取材先を呼んで開催する「マイプロCAMP!!」など、毎回編集部のメンバーでイベントのプログラムを考えていますが、gdHonoluluも、同じように編集部チームで企画しているのでしょうか?
ローレンさん gdHonoluluについては、あまり細かくプログラムをつくりこまないようにしています。
毎回、地元で環境活動をされている方々をゲストにお呼びしていますが、彼らのトークは短くて、イベントの中盤に少し話してもらうぐらい。
それは、あくまでgdHonoluluでは、あくまで参加者同士の交流の時間をメインにしているから。お酒や軽食を片手に、人々がつながっていく時間がなにより大切だと思っているんです。
つまり、gdHonoluluは「Green Magazine Hawaii」のオフラインイベントではないわけですね。とはいえ、イベントに登壇するゲストスピーカーは、「Green Magazine Hawaii」の人脈を活かしている様子。
ローレンさん これまでだと、「The Surfrider Foundation」の担当者に海洋保護の話をしてもらったり、「Blue Planet Foundation」の方に再生可能エネルギーの話をしてもらったり。
あと、会場内には毎回gdHonoluluのスポンサー企業や、現地のNPOの方々がブースを出展していて、環境に配慮した商品やサービスの紹介もしています。
ちなみに「Green Magazine Hawaii」と連動した企画や、よりトークが中心のイベントは、別に開催しているのだとか。実際4月下旬には、ホノルルを拠点に環境ビジネスを展開している企業のCEOを4名呼んで、「実現したいビジョンと利潤追求のバランスを取るには?」をテーマにトークセッションを開催しました。
4/23に「Green Magazine Hawaii」がオーガナイズしたパネリストイベントより(写真:中山智晶)
再生可能エネルギーに未来を託すハワイに、日本の活動はどう映る?
”常夏の楽園”と呼ばれるハワイは、かつて年間200万人が日本から観光で訪れ、昨年も151万7600人もの日本人観光客が訪れた大人気観光地。(トラベルボイス、2014年のデータより)
そんなハワイは、先進的な環境対策を行政が主導になって推し進めている場所としても注目を浴びています。グリーンズでも以前、高橋真樹さんが石油依存社会から抜けだそうとするハワイの姿を取り上げていましたが、最近では2045年までに再生可能エネルギー100%に転換することを目標に掲げ、話題になりました。
そんな噂を聞いていた僕は、グリーンズ英語版「greenz global」のメンバーに協力してもらい、過去にgreenz.jpで掲載してきたエネルギーの記事を翻訳したものなどを持っていきました。
中でも、特に好評だったのが「GREEN POWER」と共同制作した「グリーンパワーペーパー」。こちらは残念ながら日本語でしか用意できませんでしたが、再生可能エネルギーに興味関心の高いハワイの人々にとって、原発事故を経験した日本人の取り組みはユニークに感じるものが多いようで、とても熱心に読んでいただけました。
さらにグリーンズが、ソーラーパネル・ワークショップを運営していて、20代の人々も訪れることを伝えると、かなり感銘を受けていただけた様子。
ローレンさん greenz.jpやグリーンパワーペーパーの記事で勇気づけられたのは、ハワイよりも若い人々がサステナビリティに関心を寄せ、エネルギーの活動に取り組んでいる様子を垣間見れたことです。
私たちもgdHonoluluに若い人々が多く来てくれるように、そして私たちの雑誌が学生たちに読まれるにはどうしたらいいかと考えるようになりました。
Green Magazine Hawaii編集長のKevin Whittonさんも、グリーンパワーペーパーに興味津々。
「Green Magazine Hawaii」編集部のみなさんが日本の事例に興味を持ってくれている一方で、greenz.jpで海外事例を多く発掘し紹介する立場を担う僕も、再生可能エネルギーに未来を託す決断をしたハワイの取り組みに注目していきたいと思っています。
編集長のKevin Whitton(以下、ケヴィンさん)からも、こんな嬉しい一言がありました。
ケヴィンさん ぜひ、Green Magazine Hawaiiの記事で良い記事があれば、積極的にgreenz.jpで翻訳転載をしてください。そして、お互い東京かホノルルに編集部メンバーが行き来することがあったら、Green Drinks Honolulu in Tokyoとか、green drinks Tokyo in Honoluluが開催できるといいですね!
ちなみに最新号の「Green Magazine Hawaii」は、地産地消&オーガニック素材のレストラン、電気や水素で走る自動車などを紹介しているそう。
今回の旅行では残念ながらgdHonoluluに参加することはできませんでしたが、gdTokyoとのあらゆる共通点もあり、今後のコラボレーションに向けた、種まきをすることができました。
夏休みも終わり、そろそろ年末年始の旅行先を考え始めている方も多いのではないでしょうか? そんな旅先を決めるときに、その街でgreen drinksが開催されていないか、チェックしてみるといいかもしれません。きっと旅行の思い出がさらに深まる、素敵な出会いが待っていますよ!