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クリエイティビティの本質とオフグリッドライフは相性がいい。みどり荘を運営する大矢知史さん、小柴美保さんに聞く、オフグリッドライフのヒント

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わたしたち電力」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクトです。わたしたちは、もっとかっこよく、もっと賢く、もっとおいしく、暮らしたい。そのためのヒントを「オフグリッドライフ・マガジン」からダイジェストにてお届けします。

暮らしかた冒険家も思わず脱帽な超絶オシャレコワーキングスペース「みどり荘」。

高級住宅街の中に突如現れる廃墟のような建物で、玄関にはスタイリッシュなピストバイクが並び、様々なクリエイターが日々モノづくりにのめりこむ。ギャラリーやライブラリーもあって、アイデアと人が入り交じる未来の働き方を象徴する場所として、大注目されている場所です。

ここにソーラーパネルが並んだのは、2014年1月のこと。資金の集め方はクラウドファンディングを使い、ワークショップやイベント通じて、いろんな人と一緒にプロジェクトを進めました。

導入から1年経った今「一体どうなってるのー?」ということで、みどり荘を運営する小柴美保(以下、小柴さん)と大矢知史(以下、大矢さん)に話を伺いました。

そこから見えてきたのは、クリエイティビティの本質とオフグリッドライフは非常に相性がいいということ。そして、新しいアイデアは、いつでも人をワクワクさせるんだということです。

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菜衣子さん みどり荘って、古いマンションをリノベーションしてんだよね?リノベーションは自分たちでやったの?

大矢さん そう、みんなDIY。最初は、ペンキを塗る前に下地塗らなきゃいけないとかいう知識もなかったから直に塗っちゃってさ、5度塗りくらいしたよね。だから、超染みこんでるはず。

小柴さん あれは、反省点だよね(笑)

大矢さん ライブラリーの本棚も、近所で解体されていた日本家屋に、みんなで走って取りに行った木材つかって作ったり。半年間かけて、相当頑張ったよ。楽しかったけどね。

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みどり荘を運営する大矢知史さん。

今話題のポートランドから船で運んできた家具も多く、どこを見てもめちゃくちゃオシャレ。こんな空間がDIYでできてしまうなんて、インテリアデザイナーも商売上がったりですよ、きっと。

コワーキングスペースに集うメンバーの職種も様々で、 デザイナー、イラストレーター、建築家、音楽プロデューサーなど、多種多様。人も場所もとてもクリエイティブです。

ソーラーシステムは、みどり荘2階にあるシェアスペースのベランダにありました。200Wの太陽光パネルが4枚ならび、最大出力は800W。元々小高い丘の中腹に建物があり、パネルを遮るものはなにもありません。

神奈川県の藤野で、自立分散型自然エネルギーに取り組み、全国各地で「ミニ太陽光発電システム」組立てワークショップを開催する藤野電力の技術協力によりスムーズに運用されていて、発電された電力は、大きなメインデスクに供給されています。
 
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ソーラーパネルは日当たりバッチリです!

greenz.jpでは、ダイジェストとして前編のみお届けします。続きは、「オフグリッドライフ・マガジン」でお楽しみください!

そもそも電気が足りない!

みどり荘はそもそも、各階の電気容量が60Aとオフィスとしては低いほうで、ちょっと油断するとブレーカーが落ちてしまうという問題がありました。

しかし、容量を上げるには建物自体の工事が必要で、数十万の費用がかかります。運営費では、その予算を捻出するのがむずかしい。この「リアルな問題」を解決する手段として、ソーラーシステムを導入し、電力を補うことにしました。

大矢さん ブレーカーが落ちて、PCがダウンしちゃうのがコワーキングスペースとして致命的だから、非常用に無停電電源装置を入れたりしていたんだけど、とにかく落ちる。

だから、入居者のプログラマーが、今使われている東京電力の電力利用量を視覚化するシステムを作ってくれたんだよね。ブレーカーに直接配線を組んで、リアルタイムに数値化し、ウェブから確認できるっていう。

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ブレーカーに直接配線をして、数値を読み取り、LANでデータを飛ばすという超ハイテク測定器。機械萌え。

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ブラウザで数値を確認できる。超絶便利。

菜衣子&ジョニーさん おー!すごーい!!

大矢さん 彼らは遊びで作ってたけどね。あまりにもブレーカーが落ちるから(笑)一時期は、常にブラウザに表示させてて「あっやばい!おれ3Fが行くから2Fよろしく!」とかやってたよ。

表示はデジタルでかっこいいけど、やることは、リモコンでエアコン消すだけ。ピッピッって。すげー地味(笑)。

小柴さん みんな無駄に温度上げたりしてるんだもん。なんで暖房が30℃設定なの?みたいな。

大矢さん 一時期、超厳しかったもんね。暖房チェック。

菜衣子さん オカンだ!「あんた達使いすぎよ!」って。

小柴さん そうそう。なんかあれも楽しかったよね。最初は、この建物を完全にオフグリッドにして、何があってもここのオフィスだけは機能する仕組みを作りたいって言ってたの。

震災の後でもあったし。いろんな人に会いに行って相談したけど、設備投資に600万円くらいかかるって分かって。それはちょっとリアルじゃないねって白紙になったんだよね。

でも、電力不足の問題は解決していないから、一部をソーラーにしようって言って、クラウドファンディングを始めたの。

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みどり荘を運営する小柴美保さん。

必要だから作る。困っているから生み出す。みどり荘は、問題を解決するために、オフグリッドライフをデザインしました。

苦労したからこそ、電気のありがたみもわかり、利用量に関して、入居者の関心がむくようになる。今では、ブレーカーが落ちることはほぼ無いそうです。

デザインは問題解決だ、なんてよく言いますが、必要性から生まれたオフグリッドライフというのは、生活に根ざしていて、とても自然です。

環境にいいことをしているんだというような変な気概はなく、ごくごく自然にソーラー電気を使っています。今の時代、クリエイティブな人は、自分のまわりで小回りの効く仕組みを作れちゃうんですよね。

(つづく)

 
省エネやエコといったことばに先導されたオフグリッドライフではなく、必要性や身の丈にあった生活をデザインしていく「OFF GRID LIFE」。ぜひ対談の続きは、こちらから読んでみてくださいね。