ウェブマガジン「greenz.jp」を運営するのが、NPO法人グリーンズです。2012年にNPO法人となり、現在はgreenz peopleという寄付会員を募集し、みなさまからのご支援で運営するコミュニティサポート型の非営利メディアを目指しています。
グリーンズのことをよく知ってもらうためのこの企画。前回は、編集長YOSHさんに「グリーンズって何人で運営しているの?」と聞きましたが、2回目となる今回は、少しゆるめに「グリーンズのみなさんはなぜメガネをかけているの?」という質問をぶつけてみました。
実は全員、メガネ男子で構成されるグリーンズ。10月に新メンバーとして参加した植原正太郎さんもメガネです。「それは目が悪いからだろ!」というつっこみは覚悟の上で、編集長の鈴木菜央さんに聞いてみたところ、意外な方向に話が発展し…今回も
お相手はgreenz people担当アシスタント渡邊めぐみが務めます!
鈴木菜央さん (写真:甲斐かおり)
どうしてメガネ?
渡邊 ずっと気になっていたのが、グリーンズのみなさんがみんなメガネをかけていることなんです。実を言うとわたしはメガネをかけたことがなくて… 自分と世界とのあいだにレンズが一枚入っているのって、とても不思議な感じがするんです。
菜央 それは全メガネ人口を敵に回す発言かもしれないね(笑) 僕は初めてメガネをかけたとき、感動したんですよ。
中学生のころに目が悪くなって、「なんか見えないなー」と思っていたら友だちに「それは目が悪くなったんだよ」って言われて。それで眼鏡屋さんに行ってメガネをつくったんです。
そしたら「世界ってこんなにきれいだったのか!損してた!」って思いました。メガネの発明は大きいですよ。
YOSH うん。いきなり壮大な話になってしまいますが、『
2000年間で最大の発明は何か』という本の中で、ある人が「メガネ」って答えているくらい、メガネは文明論に関わる重大な発明なんですよね。
というのも、以前は40才ほどで目が悪くなったら一線を退いて、自然と世代交代がなされていった。でもメガネの登場によって、年を取っても目が見えるので、権力者が居座るようになった。それで、政治のありようも変わっていったと。
菜央 なるほどね。確かにメガネはインクルーシブデザインのひとつだからね。
渡邊 インクルーシブデザインってなんですか?
菜央 困っている人も普通に暮らせるように、排除しない社会をつくるデザインのこと。
最近だと災害用や途上国向けに、簡単に度が調節できるメガネとかがありますが、「世界を変えるデザイン」としてメガネは注目されていますね。
渡邊 なるほど。日常生活の必需品だからこそ、影響が大きいんですね。
菜央 サステナビリティという観点からも、メガネの方が環境負荷が低いんじゃないかな。
阪神淡路大震災でボランティアにいったときに、水がすごく貴重だったんです。そのときぼくはコンタクトして行ったんだけど、災害が起きたときに「コンタクトって災害に対してすごく脆弱なんだなぁ」って気づいたんですよ。水や替えのコンタクトがいつも手に入る環境があるから機能するんだなって。
それ以降、メガネを大切にしようと思ったんです。つまり、ぼくは真面目にメガネをかけているんですよ。
渡邊 よくわかりました(笑) そういえば、映画『365日のシンプルライフ』の記事でも、菜央さんが選ぶ最も必要な100のリストの最初に、メガネをあげていましたよね。
菜央 そうです。暮らしを小さくしようと思って引っ越したときに、今あるものを減らしていっても、きりが無いことに気づきました。
それで、必要なものをリストにしていかなきゃだめなんだなって思い直して、「生きていくのに必要なもの100ってなんだろう」って考えたんです。それでリストをつくってみたら、一個目がメガネだった。
YOSH そこまでだったんだ(笑)
菜央 だってメガネをかけないと、下着がどこにあるかもわかんないから。みんなもリストつくってみたら絶対入ってるよ。
YOSH 確かに僕のリストでも、五本の指には入りそうだなぁ。
過去には、3人のメガネをモチーフにした特集もありました
菜央 ところで、グリーンズがおすすめするメガネブランドってあるのかな。今、安い量販店か高級眼鏡店のどちらかしかないような気がするけど。サステナビリティをちゃんと考えているメガネブランド。
YOSH 最近では「あなたとペットをハッピーにする、ポートランド発のおしゃれな眼鏡屋さん「Fetch Eyewear」」という記事もあったけど。
小野 僕は一回買ったら10年〜20年使えるような、長持ちするものが欲しいですよね。
菜央 グーグルグラスが賛否両論をまき起こしながら進んでいるけど、技術の進歩によって、さまざまな人の暮らしのサポートがしやすくなったり、インクルーシブデザインとグーグルグラスの融合はありうるよね。
メガネの有名な生産地である福井県の鯖江では、オープンデータの取り組みも進んでいたりするし、そういう最先端の動きと組んで、グリーンズ特製メガネをつくるとかどうだろう。
興味のある方がいたら、ぜひご連絡ください!
素朴な質問ながら、サステナビリティ、インクルーシブデザイン、これからのメガネ論など、さまざまに発展したグリーンズのひみつ対談、いかがでしたか? メガネという身近なことに対しても話題が尽きず、真摯に(?)考えてしまうメンバーの空気感が、少しでも伝われば幸いです。
次回は「グリーンズにはどうして広告が入っていないんですか?」という質問を、フクヘンの小野さんにぶつけてみたいと思います。お楽しみに!
(Text: 渡邊めぐみ)