FoodPodsをはじめたロージーさん
みなさんは普段、どれくらい野菜を食べていますか?
「毎日、野菜を食べること」は、日本では当たり前かもしれません。しかし南アフリカに住む貧しい人たちにとっては高級品で、滅多に口にすることができない人たちもたくさんいるようです。
そこで今回は、誰もがおいしい野菜を食べられることを目指してはじまった新しいビジネス「FoodPods」をご紹介します。
FoodPodsの畑
FoodPodsは、Mama Rosie Makosa(以下ロージーさん)というひとりのお母さんの活動から始まりました。彼女が住んでいたのは、ほったて小屋に暮らすような貧しい地域。周辺の環境はとても汚く、感染病で家畜も健康に育たないほどでした。
1日に食事に使えるお金は100円〜150円程度(出典)で、栄養のために肉を変えるのも2週間に1回くらい…野菜を買う余裕はほとんどなかったそうです。
しかもその地域では、スキルを習うような場がなかったり、地域の言葉しか話すことができないなどの理由から、ほとんどの女性が働くことができませんでした。ロージーさんもそのひとりで、新しい人生を求めていました。
そこで両親が農家で働いていたロージーさんは、貧しい人たちがオーガニックで新鮮な野菜を食べる分+売る分を自分たちでつくるという、小さなアグリビジネスを思い立ちます。
FoodPodsの特徴は、土壌をつくるところから、作物を育てるトレーニング、販売に至るまで、関心のある人に対してトータルでサポートしていること。作物も、お客さんとなるコミュニティの人々と対話しながら、地域で食べたいものに合わせて、柔軟に変えることができます。
2012年のスタート後、フランチャイズ形式で少しずつ活動が広がっていて、現在ロージーさんの畑では8人のスタッフを雇用するまでに。今ではFoodPods主催のマーケットが開かれるまでに成長しています。
私の夢は、少しのお金しか持っていない人たちでも、野菜を食べることができる菜園をつくることでした。実際にコミュニティ内に菜園を持つことで、自分たちだけでなく同じ地域に住む人々にも野菜を届けられるので、生活をとても助けることができます。
FoodPodsは大きな可能性を持っています。これからも、自分たちで運営する菜園をつくる方法を広めていきたいと思っています。
と、ロージーさん。
ひとりのお母さんの経験から始まったこのFoodPodsは、コミュニティづくりと食の切っても切れない関係性を改めて教えてくれます。みなさんもお友達と一緒に、コミュニティ菜園をはじめてみませんか?
[via FOOD WITH A STORY SOUTH AFRICA /FoodPods/World Design Capital/BrightContinent]
(text:大久保咲希)