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マイクロ水力発電、自分でつくっちゃった! チリの山奥で、オフグリッドな楽園暮らしを目指す男の挑戦

2014年7月23日に公開した記事を再編集してお届けします!

自然エネルギーというと、太陽光や風力が真っ先に思い浮かぶと思いますが、”マイクロ水力発電“はご存じですか?

マイクロ水力発電は、川や水路を使った小規模な水力発電です。太陽光や風力発電のように天候に左右されず、昼夜を問わずコンスタントに発電できるところが最大のメリット。

小規模といっても水力発電は企業や行政で取り組むもので、個人で取り組めるものではないと思うかもしれません。しかし、実際に自分の家の敷地で、しかもDIYでマイクロ水力発電所をつくってしまった人が南米にいるのです!

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マンフレッドさんが暮らす”パラダイス”

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果物もたくさん!

チリに住むManfred Mornhinweg(以下、マンフレッドさん)は、自らホモ・ルーデンス(遊ぶ人。ホモ・サピエンスが「知る人」であるのに対して、遊戯が人間活動の本質であり,文化を生み出す根源だとするオランダの歴史学者ホイジンガが主張した人間観)であることを実践しようとする人。

現代社会はあまりにも騒々しくて忙しすぎる。鳴り止まない騒音や時計に管理される生活に対する絶望感がどんどん大きくなった。ひとつだけ解決策がある。都市を離れ、自然に戻ろう!

そう考えるようになったマンフレッドさんは、40ヘクタール(東京ドーム30個分)もの広さの土地を購入して、移り住むことにします。

そこは首都サンティアゴから400キロ以上離れ、国立公園にも指定されているライマ火山がよく見える自然豊かなところ。しかし、森林と耕作放棄地ばかりの土地で人の住める環境ではありません。

そこで、マンフレッドさんはDIYで自分だけの楽園をつくることにしました。道をつくり、家を建て、湧き水から水道を引き、そして電気は川から水を引いてマイクロ水力発電でまかなうことにしました。

水力発電所をつくる様子は、マンフレッドさんのウェブサイトで順を追って詳しく説明してあります。

川の上流から水を引き、約600メートルの水路を伝って、水流の勢いでタービンを回して発電をします。水流の勢いが足りず水路の傾斜を増やしたり、泥や葉っぱでパイプが詰まらないようフィルターを付けたり、水漏れを防ぐためにパイプの継ぎ目を直したりと試行錯誤を繰り返して完成させました。

今では毎秒30リットルの水流で、一般的な家庭で消費する電力をほぼまかなえると言われる4キロワットの電力を得ることができたそう。さらに水流を増やせば、最大で10キロワット近くの発電が見込めるとのことです。 

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手づくりの水路

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タービン

マンフレッドさんのマイクロ水力発電所は、DIYといってもなかなか本格的です。「自分もやってみたい!」と思っても、川や大きな敷地も必要なので、個人ではちょっと真似することは難しいかもしれません。

しかし、日本は豊かな水に恵まれた国で、稲作などを通じて昔から川や水路を共同で利用してきた歴史もあります。集落などで一緒になってマイクロ水力発電を行うのに適した土地はたくさんありそうです。

実際に日本でも取り組んでいる人たちがたくさんいます。そうした活動に注目していきたいですね。

(Text: 山根大地)
(編集: 鈴木菜央、兼松佳宏)
[via treehugger, Ludens]