毎日の生活の中で、私たちはいつも選択しています。
「今日のお昼は何食べようかな?」「大事なお給料はこの銀行に預けよう」。
でも、もしその手放したお金が、自分にとって不本意な使われ方をしていたら?例えば、あなたのとても信頼しているおいしいオーガニック野菜を買ったお金が、どこかで農薬を買うお金に変わっていたらどう思いますか?
何気ない普段の行動の中で、不本意なアクションを推進しないためにはどうしたらいいのでしょうか。そんな未来を、投票を通して自分でつくるためのアクションを応援する「みらぼく」ご紹介します。
「みらぼく」ってどんなプロジェクト?
「みらぼく」こと「未来は僕らの手の中プロジェクト」は、選挙に行き、投票証明書を受け取ると、地域のお店やアーティストから素敵な特典がもらえちゃうという、みんなが「楽しく行動(投票)」することを応援するプロジェクトです。
参加はいたって簡単!まずは選挙へ投票に行き、「投票証明書」をもらいます。「投票証明書」は、投票後、投票所にいる方に伝えると発行してくれます。
「投票証明書」を用意していない市町村もあるので、その場合は投票所の看板と仲良くツーショット写真を撮影します。
あとはこの証明書または写真をサポートショップに見せるだけ。加盟店と受けられるサービスは、「みらぼく」のサイトやFacebookページでマップ付きで確認できます。
現在、150店舗ほどのサポートショップが「みらぼく」に参加しています。受けることのできるサービスには、「季節のアイスをプレゼント」や「リラクゼーションの延長サービス」などから、アーティストによる即興生ソングなどのユニークなものまでさまざま。思わず得した気分になれるものが満載です。
サポートショップ一覧
また、投票に行く前に、誰に投票するかを決めていくことも「みらぼく」に参加する大事なポイントです。冒頭でお伝えしたように、気づかないうちに不本意なアクションに加担しないために、「みらぼく」は投票する行動そのものがその一歩だと考えます。だからこそ候補者選びも大事なこと。そこで、分かりやすい候補者選びのサイトへのリンクや、今さら聞けない投票のノウハウも紹介されています。
選挙は自分の存在をアピールする場
「みらぼく」が生まれたのは、2007年7月に行われた参議院議員選挙がきっかけでした。その始まりについて、発起人の古屋賢悟さんに伺いました。
誰でも自分の生き方や未来って理想や望むことがあると思うんです。選挙に無関心だということは、自分が主体になって、国や街づくりに関わることを放棄している状態。それは結果として「自分」の未来を大事にしていないと僕は思いました。
みんながもっと楽しんで行動=投票できたらいいなという想いから、「みらぼく」はスタートしています。人はもっと自分の人生を創造していいんじゃないかな。
神奈川県藤沢市で地場野菜と自家製小麦、こだわりの水から作るほうとうのお店「へっころ谷」を営む、古屋賢悟さん。お店では数々の食や農、政治に関するイベントを開催しています。
投票に行きたくなるにはどうしたらいいかな?と日々考える中で、ふと地域活性や自分らしく生きることを応援し行動しているカリスマたちが「選挙いこうぜ、おれもいくから」と言ったら、単純に投票率が上がるんじゃないかなって思いました。すぐに仲間に連絡をして、ホームページを立ち上げ、加盟店を募ったところ、10日で50店舗のサポートショップが集まり、みらぼくはスタートしました。
「みらぼく」が思うカリスマっていうのは、おもしろい店主のいるお店だったり、熱いミュージシャンだったり様々だけど、そこを巻きこむことで、投票する側もサポートする側も楽しんで取り組める形が「みらぼく」の中に詰まってると思います。
みらぼくは特定の団体や候補者を応援する活動では決してなく、投票に楽しんでいくことを応援することが目的だと古屋さんは言います。
「投票して変わる、変わらない」が問題ではなく、自分の意見を投票という手段で表明する人が増えるということが、結果として自分も世界も未来も変わっていく、それが「みらぼく」のビジョンです。
地元のお祭りでもアピールブースを展開
みんなでたのしく選挙に行ってhappyをget!
日本全国どこでも「ご当地みらぼく」誕生に向かって
序々に、各地でも有志によって「みらぼく」が誕生しています。今年、静岡県島田市では新たに「みらぼく島田」がスタートしました。
みらぼく島田実行委員会の園部さん(右)と杉本さん(左)。静岡県主催の女性政策塾を受講中知り合い、社会の問題点や子どもの未来のために何ができるかを模索してきたおふたり。
日本の女性の能力や可能性が活かしにくい社会体制、人口減少問題が抱える未来を思ったとき、私たちの世代こそ手を取り合って知恵を出し、多様な可能性を引き出せたらもっと未来は鮮やかに描けるんじゃないかなと思うんです。
「未来を描く」=「投票する」一票から生まれる未来を自分は関係ないと思っている人にこそもっと考えてほしいなと思っていました。
「みらぼく」を知ったのは、実行委員である杉本さんが、母親として「子ども達によりよい未来を残すためにどうしたらいいか?」を試行錯誤する中で、震災後、福島のお母さんの講演会を茅ヶ崎に聞きに行ったときのこと。そこで古屋さんに出会い、「みらぼく」の取り組みを知り、コレだ!と思ったと言います。
一方、北極圏やメキシコなど海外生活で環境問題や地域社会の矛盾点を感じて来た園部さん。帰国後、日本社会における「女性視点の欠如」を再認識する中で、男女共同参画や震災ボランティアなどの地域活動を重ねていました。
2年目の女性政策塾を終えた頃、杉本さんからの電話で「みらぼく」に出会います。共に学んだもの同士、地域での「実践」が始まりました。
虚しい一票から、楽しい一票へ。政治を難しく考えるのではなく、柔軟な視点を持つ女性ならではの意見が地域を変えて行けたらいいなと思いました。命を産み育み、子どもたちと日々接しているお母さんたちがその意識を生み出せたら、子どもたちにも伝わるはずです。
すぐに地元の商店街さんとコミュニケーションを取り、サポートショップを増やしていく活動が始まりました。粘り強くPRを重ねていき、最初の市長・市議会選挙の時のサポショ&サポーター数は37軒、2回目知事選が63軒、3回目参院選が87店舗からご協力いただきました。
活動を始めて一年、島田ならではのご当地「みらぼく」をつくっていけたらと思います。
古屋さんは言います。
基本的に「投票率を上げる」というスタンスはしっかり共有してもらい、あとはその土地独自の特色を生かした「みらぼく」を立ち上げていってくれることが願いです。
今までやってきたノウハウがあるので、例えば選挙管理委員会とはどうつきあえばいいか、など細かいこともシェアできます。みらぼく島田では大人が投票を楽しむ姿に、子どもたちも「早く選挙に行きたい!」と選挙を楽しみにしているそうです。嬉しい成果だと思います。この動きが全国に広がり、ひとりでも自分の未来は自分で選んでいく人が増えればいいよね。
あなたの存在と未来を表明して、ちょっと得もしちゃう「みらいは僕らの手の中プロジェクト」、ぜひ参加してみませんか?