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貧しい人にも「いただきます!」を。かわいいフォークが誘う、スマートな寄付アクション「HELPING HANDS」[Cannes Lions2013]

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カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバル2013受賞作を紹介する連載、今回はドイツからです。

食を楽しむイベントで、飢えている人たちのための寄付を募る。こんなこと、そのまま実行すると、イベントの楽しい雰囲気を損なうことになりそうで興ざめですよね。「HELPING HANDS」は、そんな悩ましい課題を、美しく、楽しく解決した事例です。

ドイツでは環境意識の高まりから、野外イベントでは食器類はデポジット制にするケースが増えています。料理の値段には食器類のデポジット費用が含まれていて、食事をしたあと食器類を返却するときにその分のお金が返ってくる、という仕組みです。食器をリユースすることでゴミを減らすことができる仕組みとして、日本でもアースデイなどで取り入れられていますよね。

ホームレスなど、食べることもままならない人たちを助けるフードバンクは、このデポジットを利用して、食の祭典で寄付を募ろうと考えました。そのために使ったのは、ちょっと変わったかたちのフォーク。世界的な食器ブランドである「WMF」によってつくられたそのフォークは、突き刺す部分がちょっと欠けていて、手のひらのようになっているのです。その名も「HELPING HANDS」。

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とてもチャーミングなそのフォークには「食べ物をちょうだい」というコピーとともに、飢えに苦しむ人たちへの寄付を呼びかけるメッセージが書かれたカードがついています。このメッセージに賛同する人は、通常のデポジット料金に寄付金をプラスして食器を返却。

飢餓への寄付というと、罪悪感を煽るポスターについているQRコードをスキャンし、銀行口座から振り込むなど、心理的にも物理的にもハードルが高いものがほとんどです。でも、この「HELPING HANDS」は、イベントでいつもするように、食器を借りて返すという行動の中で自然に寄付ができるのです。しかも、チャーミングなデザインは、食べる楽しさをジャマすることはありません。(動画はこちら

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このスマートなアクションにより、フードバンクは目標とする12,000ユーロ(およそ160万円)の寄付金を1週間で調達することに成功。食べるときに当たり前のように使うフォークが、食べることが当たり前でない人たちに寄付するきっかけをつくったんですね。

カンヌライオンズ受賞作の連載はまだまだ続きます!引き続きお楽しみに。

(翻訳協力:モリジュンヤ