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家でのミーティングが最高の経験!ホームレス社長の”ロンドン家なし生活”最新レポート! [MYPRO LONDON]

ロンドンに新しくできたGoogle提供のコワーキングスペース「Campus London」にて
ロンドンに新しくできたGoogle提供のコワーキングスペース「Campus London」にて

ロンドンでコラボレーション事業を行うHappiness Architect代表のタイチさんが実践する、150日間家を持たない生活をしながらチェンジメーカー500人と友達になる「ホームレス社長」。途中経過を連載インタビューでお伝えしていきます。

「ホームレス社長」のスタートから、50日が経ちました。ロンドン家なし生活での発見と、理想の未来と自分を目指すチャレンジのつくり方について。タイチさんにお話を伺ってきました。

必要なのは、バックパックひとつと勇気だけ……ではないようです。

「できる」と「できない」の境界線に挑み続ける

150日もの間、家を持たない。しかも舞台は海外。そんな想像もつかない挑戦である「ホームレス社長」。スタート時は、どんな心境だったのでしょうか。

スタート直前のタイチさん。「なんとも言えない緊張感と程よい高揚感」に包まれて。
スタート直前のタイチさん。「なんとも言えない緊張感とほどよい高揚感」に包まれて。

家を出るときは、震え上がっていましたね。どんな150日になるのか、本当に達成できるのか、めちゃくちゃ不安で。

理想に向かって、「できる」と「できない」の境界を越えようするときって、いつも武者震いがします。例えば、初めて海外に出た5年前も、起業したときもそうでした。

今だって、怖いですよ、本当に達成できるのか…。でも、自分が怖いぐらいのことをやれば成長できるし、周りに認めてもらえるから。

タイチさんはこれまで、ロンドンで社会起業家として数々のコラボレーション事業を手がけてきました。昨年はTEDxUWestminsterに登壇し、世界を相手にプレゼンテーションをしたことも。そんな彼でも震えたとは意外です。

「だからこそ挑戦するんですよ」と、瞳を輝かせる様子が印象的でした。

2012年8月に行われた「TEDxUWestminster」でのプレゼンテーションの様子
2012年8月に行われた「TEDxUWestminster」でのプレゼンテーションの様子

「イエ」と「シゴトバ」をシャッフルすると?

不安とは裏腹に、この50日間は泊まる場所には困らなかったようです。応援してくれる周りの社会起業家のご友人やその紹介で、次々とオファーがあったそう。

社会起業家同士で泊まり合うサービス「Bizpora」の共同創業者のフレッドさん宅にて。
社会起業家同士で泊まり合うサービス「Bizpora」共同創業者のフレッドさん宅にて。

ホームレスなのに太りました(笑)。ご馳走してもらって、一緒の時間を過ごして。

もっと苦しむかと思っていたので、人って優しいんだな…って、泣きそうになることばっかりでした。なかにはずっと連絡していなかった友達もいて、改めてロンドンで重ねた時間を感じられた50日間でした。

相手の家で生活も丸ごと共にすることは、オフィスやカフェやバーで会うこととは、また異なる体験になりそうです。どんな発見があったのでしょうか。

家というのが、ミーティングをするのに最高の場所だってことに気が付きました。ごはんを食べている時間に、仕事のこと、未来のことを話す。これってめちゃくちゃ効率的(笑)。

それに、「そろそろ帰らなくちゃ」という言い訳もできないから、お互いが話したいだけ話せる。すると言葉が素直になっていって、もっと仲良くなれるんです。

「Campus London」で知り合った友人家での一夜。
「Google Campus」で知り合った友人家での一夜。日本酒ネタで盛り上がる。

国内外でコラボレーションをコーディネートするタイチさん。オフィスではなく家で語り合ったことで、飾らない姿そして心と心で触れ合えたこの体験は、よりハッピーなコラボレーションをつくっていけそうという、確信にもつながったようです。

「ワークバランス」なんていう概念がなくなっていって、生きることが仕事になっていく。そんな感覚ですかね。家と仕事場を切り離す必要ってあるのかな…と疑問に思い始めました。もっと曖昧にしていってもいいんじゃないでしょうか。

タイチさんのように「ホームレス」になるのはなかなか難しいと思いますが、もっとお互いの家でミーティングをしたり、合宿を計画したりと、「イエ」と「シゴトバ」をシャッフルしていくことで、より密なコラボレーションが生まれるかもしれませんね。

なお、メールチェックや原稿執筆などの一人で行うべき作業の際は、「HUB 」や「Campus London」といったコワーキングスペース、WiFiの入るカフェや公園を活用したそうです。

ホームレス社長から学ぶ「チャンレンジのつくり方」

自らチャレンジを設定し達成と成長を続けるタイチさんに、「チャレンジのつくり方」を教えてもらいましょう。

チャレンジに必要なのは、バックパックひとつと勇気と……?
チャレンジに必要なのは、バックパックひとつと勇気と……?

まずは、今の自分に何ができるのかを知ることです。次に、理想の姿を描いたら、そこに到達するまでのアクションプロセスを噛み砕きます。ここで、具体的な目標数値を設定し、自分に負荷をかけることが大切です。

例えば僕の「ホームレス社長」の場合、「家を持たない生活をしながら、150日間で500人の友達をつくる」という数値目標を設定しました。150日間というのは、100日だと「短い、できそう」と感じたから。150日なら、「できる」と「できない」の境目で、けっこう怖い。キリの良い数字だし、ビザの更新時期を考えてもちょうどいいと感じました。

チェンジメーカー500人と友達に、というのも、まずは日頃、1日に何人に会っているかを振り返ってみました。もともと人に会うことが仕事のようなもなので、新しい人には1日に2人くらいは会っていました。じゃあもう少し無理をして、1日3〜4人会うことを目標にと考え、500人に設定しました。

プロデューサー目線で「アリエナイ」挑戦が続々!?

いきなり無茶をして体を壊しては台無しです。そこでタイチさんは「ホームレス社長」の150日間を、50日ずつの3フェーズに区切って展開しています。第1フェーズは重い荷物や家なし生活に慣れるためのウォーミングアップ期でしたが、次なる第2フェーズはギアアップして、より難しいことにもっと挑戦していくそうです。

成長のためには、時に心地良くなった場を去る厳しさも必要…。
成長のためには、心地良くなった場を去る厳しさも時に必要…。

第2フェーズでは、第1フェーズでの反省も含めて、もっとプロデューサー目線でイベントを仕掛けていきます。この50日間のうち、同じ家に長居してしまい、あれは良くなかったと反省しています。オファーをいただき、心地良かったのですが、それでは「ホームレス社長」としてチャレンジしている意味がないので、今後は断ります!

安定と成長の停滞は、紙一重でしょうか。私たちも日頃から気を付けたいですね。

だいぶ生活には慣れたので、第2フェーズではこんなところでも生活も仕事もできるのか!という「ありえない挑戦」や、お金を使わない物々交換の実験もやってみたい。会いたかったチェンジメーカーに、こちらからどんどんコンタクトもしていきます。

みなさんもチャレンジを設定し、今の自分から一歩飛び出してみませんか?日本、さらにはロンドンの家まで飛び出してしまったタイチさんの動向も、引き続き要チェックです!

次回は、タイチさんがこの50日間で友達になった、ロンドンに集まる世界のチェンジメーカーたちをご紹介します。