北米のマイクロ図書館ネットワーク「Little Free Library」や英ロンドンの地下鉄駅を活用した本交換ネットワーク「Books for London」など、欧米には、不要となった本を交換し合う草の根コミュニティがいくつかありますね。
そこで、私は、この仕組みを利用して、独ベルリンからフィンランドの首都・ヘルシンキまで、本とともに旅をしてみました。こちらでは、その前編として、独ベルリンのパブリック本棚「Book Forest」をご紹介しましょう。
ベルリンのプレンツラウアー・ベルク(Prenzlauer Berg)地区には、2008年から、パブリック本棚「Book Forest」が設置されています。丸太の木を組み合わせてできたこの本棚は、周りの風景に自然ととけ込み、まるで街路樹のよう。森にある木が原料となって、それぞれの本が生まれていることを表しているそうです。
「Book Forest」には、他の本交換ネットワークと同様、誰でも自由に参加可能。この本棚を介し、無償で本を譲り渡したり、譲り受けたりする仕組みとなっています。また、本交換のためのオンラインコミュニティ「ブッククロッシング」と連携しているので、ブッククロッシングに本のデータを登録しておくことによって、本の行き先を追跡することができます。
2013年1月、私がこの本棚を訪れた際には、小説・旅行ガイド・レシピ本など、多ジャンルにわたり50冊以上を所蔵。若い女性、子ども、年配のご夫婦など、様々な年齢層の人々が、時折足をとめ、本棚で”品定め”をしていました。
そこで、私も、この本棚から、ドイツ語で書かれたイタリア料理のレシピ本『Italienisch kochen. über 150 Spezialitäten』をゲット。美味しそうなイタリア料理の写真を楽しみながら、習い始めたばかりドイツ語をブラッシュアップできました。
さあ、見知らぬ方からいただいた本を読み終えたら、今度は私が、誰かにこの本を届ける番!この本とともに、ドイツの国境を越え、フィンランドの首都・ヘルシンキに移動した話は、後編にてお楽しみください。