「ウイルスバスター」などのソフトウェアの開発で知られるトレンドマイクロ主催で、2012年の春から夏にかけて“社会をちょっと良くする” 学生向けプログラミングコンテスト、「セキュリティアワード2012」が開催されました。
グリーンズも企画に協力させていただき、参加者学生同士の交流も兼ねた社会を良くするアプリのプロトタイプを考えるトークイベント+ワークショップ「Meet Up Event」や、プログラマー向けのハッカソン(ハック+マラソン)とプランナー向けのビジネスソン、「Make It Camp」を開催しました。
Meet Up Event、Make It Campといったオフラインでのワークショップも経て、アプリコンテストは一次選考が終了。一次選考に通過した学生チームはオンラインでの投票、二次選考のプレゼンテーションを経て、選出されたいずれも特色のある学生チームは台湾で開催された、台湾・中国の学生とのグローバルなプレゼンテーションへと進みました。
台湾での決勝大会も盛り上がり、コンテストは成功を収めました。今回のコンテストを振り返って、トレンドマイクロの永井さんにお話を伺いました。
森 今回のコンテストを開催した当初の意図はどのようなものだったのでしょうか?
永井さん トレンドマイクロが掲げている「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界」というビジョンに共感し、社会の「信頼」を支える次世代人材を育成したい、という思いでこの企画が3年前にスタートしました。
トレンドマイクロがメインの軸としている「ソフトウェア」というのは、開発環境が限定されておらず、スタートアップしやすい点で、元々ベンチャー育ちの会長が新しい人材発掘・育成のために始めたものです。特に今年は、台湾と中国と一緒にコンテストを行うことで、学生さんたちにグローバルで活躍する一歩を踏んでほしいと思い、3ヶ国で行なうグローバルコンペティションを開催しました。
森 今回、新しいテーマ、より大きな規模でコンテストを開催されてみて、どのような感想をもたれましたか?
永井さん まず、学生さんのアイデアひとつひとつに込められている想いがあることに驚きました。動くプロトタイプを作成することが選考会における必要条件だったので、私個人はモノがメイン、ひとまず動くものを作成することが重要になるだろうと予想していていました。
ですが、それよりも「なぜこれが必要で、これがあったら誰が喜ぶ」といったストーリーや、「こういうビジネスモデルがあれば運用できる」実用化のためのプランにも目がいきました。こうした想いや考えがあった上でのプロトタイプばかりでしたので、すぐにでも社会に出せそうなアイデアも中にはありました。
永井さん またグローバルという点では、学生さんから様々な感想をもらっています。
他の国の人がどのようなことを考えているのかを知ることができ、多くのことを学び、今でも連絡を取り合っています。これこそが私の財産になると思っています。
国際的な環境でアイディアを交換したり、刺激し合ったりでき、とてもいい機会になりました。
などの感想をいただいているように、最初引っ込み思案だった学生さんたちが自分から積極的に話しかけ、自分の未来につなげている様子が伺えました。社会に出る前にこのような機会がある、というのは今後の方向性を考える時に、すごくいい経験になったのではないかと思っています。
森 今回の内容を次回以降にどう活かしていこうとお考えですか?
永井さん 今回、3カ国で行なったグローバルコンペティションを、次回はさらに広げていきたいと思っています。情報社会というのはそもそも国境の垣根がないもの。日本国内だけで「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界」について語っていても、成立するものではありません。ですので、グローバルカンパニーであるトレンドマイクロが率先して、このような環境を提供し、将来参加した学生さんが社会の「信頼」を支える人材に成長してほしいと思っています!
「社会をちょっとよくするアプリ」というテーマで学生向けに開催された今回のコンテスト。今後の社会を、担っていく学生が、どうしたら社会が良くなるのかという視点を、別の国の学生とも共有していく機会は大変貴重なものだと思います。今後もこうした機会が増えていけば、自然と「どうしたら社会は良くなるのか」という視点が持った人材が世界に増えていくかもしれません。次回のセキュリティアワードにも期待です!
コンテストの詳細を知る!
コンテストのこれまでの流れを知る