こちらの二枚の写真、背景に並び方、ポーズや表情までそっくり!どことなく顔も似ていると思いませんか?それもそのはず、この二枚の写真に写る4姉妹はまったくの同一人物なのです。
今回ご紹介するのは、フィンランドの写真家が行ったとあるプロジェクト。「子どもの頃の写真を再現しよう」と家族に呼びかけ、今は別々の場所で暮らす3人の妹たちと一緒に、2年間で30枚の写真を再撮影しました。
このプロジェクトをはじめたのは、ヘルシンキで活動する写真家のWilma Hurskainenさん。再現するにあたって場所や構図はもちろんのこと、服装や表情までできるかぎり元の写真に似せることにこだわりました。
目的は時の流れで変化したものを目に見える形にすること。15〜20年ほど前に撮影されたオリジナルの写真に、今回新しく撮影した写真を並べることで、物や人の変わり様が見事なまでに表現されています。
実際に写真をいくつか見てみましょう。
プロジェクトを始めた頃は、変化を感じることが悲しかったそう。彼女たちが育った家は今も両親が暮らしているのでほとんどが昔のままですが、一緒に訪れた動物園などはすっかり姿が変わってしまったとか。あの頃は…と懐かしみながらも、全体を通してみたらとても楽しく、妹さんたちもやってよかったと喜んでいると言います。
このほかにも“過去”と“現在”を見比べる写真プロジェクトはいくつか行われています。
同じように子どもの頃の写真を再現する「Youg Me Now Me」や、若い頃の自分やパートナーの写真を年老いた今の自分たちとを比べる「Back From the Future」、昔の写真を同じ場所に当て込んで撮影する「Dear Photograph」など。どれも時の流れを実感させるものばかり。
こんなふうに昔の写真を取り出して懐かしんでみたり、比べて今の自分を見つめてみたり、たまには立ち止まって時間の流れを感じてみることも必要なのかもしれません。時とともに変化していくものがあるのは悲しくもあり、成長ととらえれば嬉しくもあるもの。また今も昔も変わらない物は、よりいっそう愛おしくなるかもしれませんね。
(Text: 杉本真奈美)
[via My Modern Metropolis]
なかなか会えない家族とは…