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greenz Tour第1弾!「はじめての“東”東京散歩 w/MaGaRi」[イベントレポート]

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こんにちは、greenz.jpフクヘンの小野です!
greenz Tourは、「greenzと一緒にツアーを企画してみたい!」との声から生まれたシリーズ(化していきたい)企画です。このレポートでは、その第1弾となる「はじめての“東”東京散歩 w/MaGaRi」(「なんで“東”東京?」はコチラから)にフィーチャーします。

今回のコラボレーションパートナーは、街のユニークなスキマ間借りできるサービス「MaGaRi今村ひろゆきさん。今村さんには、“東東京のいま”を伝えるナビゲーターを3組設定してもらい、その方たちをそれぞれ水先案内人とした3つのコースを用意していただきました。

それでは、各コースの様子をお届けします!

フードデザイナーモコメシ、codacodaDJ夫妻といく“東東京のモノづくりと生活”コース

モコメシ、codacodaDJ夫妻と歩くコースは「東東京のモノづくりと生活」がテーマ。東東京の街では、セレクトショップやスーパーと違い、つくり手が目の前にいて、その人から直接モノを買うことができます。道を歩くと、ものづくりの現場に出会います。そのような人たちや現場の多くは小さな“自分たち”の組織で活動しています。

今回はそんなモノづくりの現場と東東京で送れる生活を紹介します。スタートは浅草橋駅。古い民家を改装したギャラリースペースなどが増えて来ています。

まずは活版印刷の「大伸」さんへ。男性の参加者が機械を目の前に大興奮!!

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紙質にもよりますが名刺100枚、版など含めて数千円程度でできるそうです。版は何度か使用可能。活版体験もしました!

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続いて生活デザイン雑貨「Syuro」さんへ。売り場横の作業場では、最後の仕上げ行程やサンプル製作なども行っています。

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次に「つばめ工房」さん。糸の染めから織まで、全て手作業でショール製作し、販売しています。ここも以前別の商店だった所を改装して利用しています。2Fはギャラリーになっています。

街歩き最後は、御徒町の材木店が運営する家具のお店「WOODWORK」さんへ。地下の工房を見せて頂きました!材木屋さんならではの良質な無垢の木材で製作しています。

後ろの緑色の構造物は、1Fまで製品を持ち上げるエレベーターです!この工房では、コンサートや映画の上映会も行われているそうなので、ぜひサイトをチェック!

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古くから受け継いでいるお店が多いのはもちろんの事、MaGaRiの今村夫妻のコースでも紹介されている、台東デザイナーズビレッジの効果もあり、新しくこの場所で活動をはじめる人々も増えています。この界隈の住民のライフスタイルが変わりつつあり、閉まるお店があるのも事実ですが、今回歩いて来た場所のように、現代なりに柔軟に発展しています。今後もぜひご注目下さい。

MaGaRiの今村夫妻といく“東東京の場づくり”コース

このコースではユニークな人たちが日々行き交う仕組みを自分たちの場に持ち、エリアにも波及効果を与えている注目スポットを訪れました。

1つ目の「場」は、日本橋大伝馬町にある6階建てのクリエイタービル「Creative Hub131」。ここには、TOKYO SOURCEやAANなど様々なジャンルのクリエイターが集まっています。

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当日はこの場をプロデュースしアーティストの新野圭二郎さんにご案内いただきました。新野さんの面白い話と発せられるエネルギー、場のユニークさを見て、参加する皆さんにその熱が伝わっていく様子が印象的でした!

この場では3階の社員食堂「Laboratory」がビル内外の人を「食」を通し繋ぎ、ユニークな人々がいつも行き交い、入居者同士がお互いを刺激しあっているなど場が息づいている様子が伝わってきます。Laboratoryではほぼ毎日食堂でのイベントが開催されているようなので是非遊びに行ってみてくださいね。

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その後、隅田川の脇にある古いビルをリノベーションし2011年に生まれた複合商業施設MIRRORの「シエロイリオ」でランチを食べ、参加者の交流がより深まりました!

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お腹がまんぷく満足になった後、次に向かったのは「台東デザイナーズビレッジ」。廃校になった小学校を利用し、日本初のものづくり系のインキュベーション施設です。9年目となり卒業生は42組。そのうち20組が台東区にとどまりアトリエやショップを立ち上げています。最近、東京の東側が新しいものづくりで騒がれていますが、ここがその源流と言って良いでしょう。

ここではインキュベーションマネージャーであり、肩書きが”村長”こと鈴木村長さんに成立ちや機能をご説明いただき、アトリエの中も見学させてもらいました。AUTTAAさん、SAKURAYAMAさん、快くアトリエをお見せいただきありがとうございました!

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最後に訪れたのは、ナビゲーターの今村夫婦が運営する「LwP asakusa(ループアサクサ)」。

築54年の元サンダル屋を改修したこのスペースは1階はイベントスペースで、2階はシェアオフィス。ここでは、東東京のユニークな活動をする人を発掘し繋げる活動を行う「隅田川ジャンクション」というトークイベントが行われるなど、エリアを巻き込んだ活動が行われています。

6月からは1階にBARを開業するなど、様々な試みを行っています。また、LwP2階のシェアオフィスではメンバーも募集中とか。

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ということで、合計3つの異なるカタチのスペースを訪れました。全てに共通するのは、古い建物を再利用していること、そして複数のアーティスト、デザイナー、クリエイター、プロジェクトが互いに交流し刺激し合っていること、そして、東京の東側に位置し周辺エリアにも波及効果を与えていること。東東京エリア、今回紹介したスペースを始点にまだまだ面白くなっていきそうです。

墨東まち見世の拠点を巡る”東東京のコミュニティデザインコース”

隅田川にかかる橋をわたった先、墨田区のコースは、地域アートプロジェクト「墨東まち見世」を通じて「見る側」から「つくる側」にシフトした地元の方々に案内していただきました。

向島や京島に点在するアート拠点、展示終了後もまち中に残るアートを巡る3時間。路地そのものが魅力的なので予定していたコースからどんどん外れ、まるで冒険のような散歩になりました。

5月末で歴史に幕を下ろす「曳船湯」、すでに閉店してしまった「原模型」の前で立ち止まる案内人の表情は寂しさやちょっとした怒り、そしてこんなことでまちの魅力が無くなるわけはない、といわんばかりの力強さがありました。

京成曳船駅をスタートした一行は、まず、スカイツリー効果ともいえる再開発地域をくぐりぬけます。

長屋をリノベーションして住む若者の住居は時々ギャラリーとなりアートの展示もされるとか。その他、古くからある駄菓子屋、防災の観点からつくられた広場などなど。歴史、アート、まちづくりがキーワードになる京島の路地をゆっくりと、寄り道を重ねながら進みます。

キラキラ橘商店街は活気に溢れていました。お惣菜屋さんやコッペパン屋さん、たい焼きや焼き鳥などなど。買い食いをしすぎるとお昼ごはんが食べられなくなるほど。現在はその役目を終えましたが、「墨東まち見世2011」の案内所だった場所がキラキラ橘商店街にありました。力強いまちの方々と触れ合う環境にいると愛着も強くなります。

途中、明治通り沿いにある爬虫類館分館の「 珈琲の樹」でお昼ごはんと休憩を。ここにはアーティスト・谷山恭子さんが「墨東まち見世」の「100日プロジェクト」で制作された珈琲カップが今なお使われています。緯度と経度が焼き付けられた可愛いカップをぜひ実際に手にとってみて下さい。(写真:右下)

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向島には「路地琴」という作品が普通の家の前に自然と置かれています。水を汲み、上から流して耳をすませると「カラカラカラン」とさわやかな音が聞こえます。立ち止まって音を聞いていると、「いってきます!」と野球のユニフォームを着た男の子が玄関から勢いよく飛び出してきました。「いってらっしゃい!」と声をかけると、笑顔で「はい!」と言う少年。「路地琴」は、こうした地域の人との関わりを促すための作品です。

まちの至る所に見つかるアート。アーティストだけでなく、その場で生活している人々が協力し作られるものも少なくありません。普段の生活空間でアーティストが活動できるようになった背景には、この地域一帯の歴史が関係していました。

散歩のゴールは鳩の街通り商店街にある「チャレンジスポット!鈴木荘」2階にある「アートスポット鳩や」です。ここは「墨東まち見世」の案内所兼展示スペースとして2011年度に使われたスペース。ここで「墨東まち見世」の曽我さんから、墨東エリアの歴史について語っていただきました。

30年程前から防災に関する市民活動が盛んだった墨東エリア。まちづくりとアートが協働して今年も新たな動きを見せることでしょう。ぜひ注目ください。

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