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日本をバカモノ輸出大国にする!チェンジメーカーを応援する「BADO!」[マイプロSHOWCASE]

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これまでgreenz.jpでもたくさん紹介されてきた「マイプロSHOWCASE」。
その元になる考え方「マイプロジェクト」を使って、チェンジメーカーを生み出しているのが「BADO!」を主催する須子善彦さんです。

BADO!はバカモノ道場の略ってことにしました」と冗談交じりに語るくらいフランクな須子さん。彼が手がけるBADO!はもともと映画配給などでも知られるユナイテッドピープルの事業の一環としてスタートしたプロジェクトです。

「モノづくりジャパンからバカモノづくりジャパンへ」を標榜する須子さんの活動とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

「天才プログラマー」が目指した「別の生き方」

須子さんはもともとプログラミングITの研究者。大手SNSとして知られるmixiがスタートした時期に先輩達とともにSNS事業を立ち上げたほか、経済産業省から「天才プログラマー」に認定されたほどのスキルの持ち主です。

得意なプログラミングで社会的にも認められ、順風満帆かと思われましたが、ある時体調を崩して長期の療養生活を余儀なくされてしまいます。その原因となったのが、当時の仕事、生き方、働き方に対して抱いていた違和感からくるストレスでした。

高校生の時期に阪神大震災があり、その時バックパック一つで現地ボランティアに参加したことで、価値観が大きく変わったんですよね。私が関わったのは震災のあと一年くらいしてから、仮設住宅を回って避難者さんの話を聞いて回るという活動です。

当時、私が通っていた学校は中高一貫の進学校ということもあって生徒同士の競争が激しく、まさに生き馬の目を抜くような環境だったんです。それもあって被災地での人と人が助け合う姿働き方にショックを受けたんです。自分が普段いる環境の外にはどれだけの広い世界が広がっているか、思い知らされました。

またそれ以来、競争主義ではない、別の生き方があるのではないかという思いを常に抱えていました。

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こうしてITビジネスの一線から遠のき、地域活性化など社会貢献事業に関わっていく中で出会ったのがユナイテッドピープルの社長、関根健次さんでした。もともとユナイテッドピープルは寄付サイトを設置運営するなど、ソーシャル事業に力を入れていましたが、それをさらに一歩すすめたことができないか、と相談を持ちかけられたのです。

こうしてスタートしたのが、BADO!の原型です。その後、ユナイテッドピープル本社が千葉へ移転(現在は福岡県)するにともなって須子さんが事業ごとスピンアウトし、関根さんの協力のもと、現在のBADO!がスタートするに至ります。

旅を通じた人材育成の場を!

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BADO!の主な活動は、世界を旅するボーダレスな挑戦をする若者(バドラー)の支援を通した人材育成と、彼らを世代を超えて支援する人たちがつながる仕組み場を提供すること

具体的には奨学金制度の運営や、シェアハウスの運営をおこなっています。旅を通じて旅人自身だけでなく、支援者達も含めてみんなで成長し既成概念を打ち壊すチェンジメーカー=バカモノになるのを目指します。

これまで例えば企業にスポンサーになってもらって、ゼロ円で旅をするようなあり方が新しいとされていましたが、それに違和感を感じてまして…。それは若者の成長にとって本当に幸福なことなのか、疑問を持ちました。

旅は人生を変えるような体験です。かと言って、旅先からただ情報を発信してもらうのもありきたりですし、その場限りの情報共有で終わってしまいます。だから「○○をやる代わりにお金下さい」の関係ではなく、バドラーひとりひとりの想いや原体験、人柄レベルで共感してくれるサポーターと一生つきあえる関係づくりをしたい。

なので、BADO!の奨学金事業ではマイプロジェクトとともに世界に旅立ったバドラー達が、旅の過程で成長していく姿を支援者達と共有するんです。

弱さをさらけ出す勇気を得る!

BADO!奨学金選考では、バドラー志願者がマイプロジェクトをプレゼンテーションして支援を呼びかけます。

この時に選考の基準となるのはプランそのものだけでなく、志願者のバックグラウンドや思い、原体験も含め、その人自身にどれだけ共感できるかということ。なぜなら旅先では思わぬハプニングによって、大幅な路線変更を余儀なくされることもあります。それがむしろ旅が人を育てることのできる重要な要素です。

そういう時、たとえプランが破綻しても本人に強い想いがあれば、理解して支えるサポーターの助けによってプランを再構築し、旅を続行することができるのです。バドラーは主に学生や転職の合間の社会人達。その多くは1年単位で海外に旅立ちます。ですが、年単位で日本を空ける際にはどうしても「自分の居場所がなくなるのでは?」という不安が伴うもの。

これをフォローできるのも支援者がいる強みです。旅人がバカモノへと脱皮を遂げるのを、みんなでサポートする。こうした経験を経ると、通常の旅では得られないある成長が起こると須子さんは語ります。

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選考会の様子。候補者のマイプロジェクトを真剣に吟味します。

弱さをさらけ出して頼る勇気、さらに、その勇気を通して他者と自分を比べない強さが身につくんですよね。マイプロジェクトという概念を理解し、BADO!に関わってくれるような人達は知的にもそれなりに高い水準にあります。

こうした人達は普通に旅に行くことでも掛け算的に成長ある程度獲得して帰ってくるのですが、出発前に自分自身に深く向き合い、100%自分そのものの自然な在り方を支援して下さる支援者ができることで、この変化が確実なものになります。

このチカラは、「頼る勇気」は支援者に頼ったバドラーならではの収穫ですし、その後、これからの時代、多くの人となんらかの活動をする際にも役に立つんです非常に大切な資質だと思います。

支援のかたちはカンパや寄付といった金銭的なものばかりではありません。バドラーの活動を周囲に知らせたり、現地の知り合いを紹介したりといった様々なやり方があります。そしてパドラーも旅先での様子をネットを通じて知らせ、帰国後は報告会を行います。

今年も7月上旬には、今年度のバドラー奨学生が決定します。こうした交流を通じて、旅とそれによる成長をバドラーと支援者の双方が共有し、バカモノになっていく。この積み重ねが社会を変える力になると須子さんは考えているのです。

「マイプロジェクト」が世界を変える!

その指針となるが「マイプロジェクト」です。マイプロジェクトとは、漠然とした理想を語ることでも、厳密に練り上げたプランを立ち上げることでもありません。その人に秘められた力想いを引き出し、不満や願望を「言うだけ」の人から行動するチェンジメーカーへと変身させる、またとない考え方なのです。

大学でもマイプロジェクトの講師として教鞭をとる須子さんが教える、「誰にでもできるマイプロジェクトの見つけ方」とは?

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リアルスペース「未来ラウンジ」でのワークショップ。各種イベントのほか、参加者のマイプロジェクトをブラッシュアップさせるミーティングも定期的に行われています。

自分の「やりたいこと」と、自分に「できること」、そして社会から自分に「求められること」の3つが重なるところを考えていきましょう。そこにあるのがマイプロジェクトです。

特に今「できること」が思い浮かばなければ、それにはとらわれすぎず、「やりたいこと」と「求められること」だけでスタートしても構いません。「やりたいこと」を他人に言う、あるいは少しやってみることを通して「求められること」との重なり具合を増やしていくのが近道です。その重なったところあるものをリストアップしていけば、誰にだって自分だけのマイプロジェクトが見つけられます。

ここで言う「やりたいこと」とは、「大好きでしかたがないこと」や「一生の仕事にしたいこと」といった、大きなものである必要はありません。自分が住んでいる場所を見渡し、「これってなんかイヤだな」と感じる違和感や「もっとこうだったらいいのに」といった小さな問題意識もまた、「やりたいこと」に含まれるのです。

例えば私が講師を務めている学校は交通の不便なところにあるんですが、スクールバスと電車の接続がとても悪かったんです。これを学校に何とかしてもらおう、というマイプロジェクトを立てた人がいて、それによってバスのスケジュールが改善されたということがありました。学校側がその問題点を把握してなかったんですよね。

他には「年々追いやられる禁煙スペースをなんとかしたい」というマイプロジェクトを立てた人と、「禁煙スペース全廃でいいじゃないか」という人が議論したりといったこともありました。(笑)

ほんのささいなことでも、マイプロジェクトを見つけて実現していく。それを積み重ねる事で、「味をしめるんですよね」と須子さんはいたずらっぽく笑います。「自分の手で社会を変えた」という小さな成功体験を積むことで、「自分にでもできる」という実感が高まり、いずれ世間の常識をぶち壊すような「バカモノ」に変化していくのです。

そして支援者も「何かしなきゃ」と思うようになっていくのです。そんなバカモノの力。これこそが、従来の常識が通用しないこれからの世界を作る力になると須子さんは考えます。

「バカモノづくりジャパン」を目指す理由

隠岐の離島、海士町というところのまちづくりに以前少し関わらせて頂いたのですが、ここは経済発展最優先の従来型の地方振興策では先がないと思われている場所。でも実は最先端だと思うんですよね。

資本主義は行き詰まりを見せてますから、おそらく今後は日本全土、ひいては先進国全体が、日本の地方がいま体験しているようなどん詰まりに行き当たるでしょう。そこではそれまでの常識では計り知れない、新たな動きが必要になります。その時に役立つのが「バカモノ」の力です。

また、アジアの新興国から来た留学生達も日本に追いつき追い越せで頑張ってますが、「日本を抜いたあと、どうするの?」ときいても、はっきりしたビジョンを持っていません。とはいえいずれ先進国と同じ袋小路に行き当たるのは目に見えています。その時にどうすれば良いのかを提示できれば、日本が再び世界から注目されることにもなるでしょう。

日本をバカモノ輸出大国にし、「モノづくりジャパン」から「バカモノづくりジャパン」へとシフトする。それはいち早くどん詰まりに行き着いた日本だからこそできるプロジェクトなのです。BADO!が旅人を応援する理由もここにあります。

リアルスペース「BADO!未来ラウンジ」発足!

その一層の推進のため、BADO!がスタートしたのがこの春始めたのが、リアルスペースの「BADO!未来ラウンジ」です。下井草北口駅から徒歩40秒という駅チカな環境に立地するここは、コミュニティスペース付きシェアハウス。

地域活性化や国際化をマイプロジェクトにしている人同士が交流し学び合うことをコンセプトにしています。シェアハウス部分は一泊ごとの宿泊地方からの旅人等が宿泊することも可能となっているほか、コミュニティワークスペースではBADO!のイベントや、入居者主催による各種のワークショップが開催されています。

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東京から地域や海外へ何らかのマイプロジェクトを抱いて飛び立とうと準備している人、逆に地方から何らかのマイプロジェクトを抱いて東京に出てくる人、またはマイプロジェクトを見つけに来る人や、既に実行している人達などが集える場を作りたいと思いまして。

基本、シェアハウスですが一泊単位での寝泊まりもできますので、夜の語りでしか出てこないリアルな苦労話やノウハウが交換されます。その時に多くの人と交流するのもいいですし、またコミュニティスペースでは、語学や対話スキル、マーケティングといった今後役立つであろうスキルを習得するワークショップに参加することもできます。

何かやりたいことがあれば、自分で講師をやるのも良いでしょう。大家さん自身がソーシャルベンチャーに関心があることもあって、会場はかなり自由に使わせてもらえるのがありがたいですね。壁をぶちぬいて改装したりとか(笑)

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改装や家具作りもワークショップとしてみんなの手で!

中庭には小さいながらもパーマカルチャーの菜園があったり、周囲も緑が豊かだったりとなかなか過ごしやすそうな環境にある未来ラウンジ。ここは現在、新たな入居者を若干名募集中です。BADO!のメンバーとしてバカモノづくりに関わってみたい、という方は一度、未来ラウンジを訪ねてみては?

公式サイトをチェック!

マイプロジェクトをはじめよう!