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世界銀行と一緒に開催した特別授業「コンテンツストラテジーの教室」[イベントレポート]

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ソーシャルメディアが注目されるようになり、NPOやNGOなどがソーシャルメディアを用いて、社会に対してメッセージを発信していくことがますます重要になってきています。TwitterやFacebook、Youtubeなどツールの使い方だけではなく、ソーシャルメディアの活用を考える上で大切になのは、そこで何を発信していくのか、どのようなコンテンツを届けていくのかを考えることも大切になります。

NPO、企業などソーシャルメディア戦略に関わる全ての方に向けて、5月末に世界銀行と一緒にソーシャルデザインのための学校「green school Tokyo」の特別授業「コンテンツストラテジーの教室」を開催いたしました。今回の記事ではその様子をレポートします。

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先生としてお招きしたのは、途上国支援を行う国際機関、世界銀行のソーシャルメディアの責任者、ジム・ローゼンバーグ氏。世界銀行に属する前はラジオジャーナリストをしていたジムさんは、世界を良くするような仕事に関わりたいとずっと考えていたそうです。彼は世界銀行は確実に変化を起こすことができる組織だと考え、世界銀行に入ってソーシャルメディアの責任者となりました。

世界銀行は2005年からブログの運用を開始しました。2010年にソーシャルメディアポリシーを作成し、昨年2011年から多言語でもソーシャルメディアを用いて情報発信を開始。今年、2012年からは新しく入ったメンバーへの研修でも、ソーシャルメディアを取り上げるようになり、段々とソーシャルメディアへの対応を進めてきました。

世界銀行のような大きな組織では、トップがなかなかソーシャルメディアに理解を示さず、導入が進まないという状況を想像しがち。世界銀行ではそれは当てはまらず、むしろ、トップのほうからすぐにでも導入することを求められたそうです。

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ソーシャルメディアへの対応はいいことばかりではありませんでした。これまでには問題も経験しています。Twitterのアカウントがハッキングされて、私達の知らないツイートをされてしまったこともありました。

ソーシャルメディアを導入しようと考えている人たち、すでに活用している人たちも、こうした問題が起こる可能性があることは頭に入れておかなくてはいけません。ハッキングのほかにも、ネガティブな意見が発信されてしまうことなどが懸念点としてあげられることが多くあります。こんなときはどうするのでしょうか。

私達はソーシャルメディア上のモニタリングに力を入れています。世界銀行の活動に関して誤解をしている方も中にはいます。世界銀行の活動に対して、誤解があるようなツイートを見つけた際には、すぐさまメンションを飛ばして「その事実はありません」と否定し、説明を行いました。モニタリングをしてケアしたことで、厳しいコメントをしていた方とも友好的な関係を築くことができたのです。

大きな企業であるからこそモニタリングをしっかりと行い、積極的にユーザと対話をおこなっていくことで、誤解をなくし、互いに理解しあうことができます。ソーシャルメディアは一方的な情報発信に用いるのではなく、対話を行うために用いて、人々との関係を構築していくために使用すること。

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これまでソーシャルメディアについてお伝えしてきましたが、一番大切なのは団体のホームページです。例えるならホームページが自分の国で、ソーシャルメディアは大使館のようなもの。相手の国に出向いてコミュニケーションをとり、自分の国に訪れてもらえるようにすることが大切です。

ジムさんが紹介してくれたソーシャルメディアの良い使い方の要素は、「価値を想像する」「人が多いところに届ける」「軸をぶらさないようにする」「Webサイトがベースで、そこに誘導することがソーシャルメディアの目的」の4つ。仕事や活動でソーシャルメディアを使用される方はぜひご参考に。

ジムさんの話から、ソーシャルメディアは人と人が向き合うためのメディアだということを教わりました。キャンペーンのために使うだけではなく、対話をするつもりで使用していくこと。そうすることで、活動のファンが増え、活動を支えてくれる人々が増えていくことにつながります。

ジムさんのトークセッションが終了して、後半はワークショップ。「世界銀行が日本でもっと知られるためにはどうしたらいいのか」といったことをテーマにワークショップを行いました。

ワークショップ

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イベントの参加者のみなさんで、世界銀行の課題を解決するためにワークショップ。世界銀行のスタッフの方もグループに入り、フラットな状態で問題について考えました。このワークショップを通して、世界銀行の活動と、職員の方の想いに触れることができた人が多くいらっしゃったのではないかと思います。

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ジムさんも最後には素敵な笑顔でイベントの感想を述べてくださいました。世界銀行は随時、人々からのアイデアを募集しているそうです。もし「こんなアイデアがあるよ!」という方は、FacebookTwitterなどでぜひアイデアを共有してみてください!

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