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プラハ発、アートセラピーで薬物依存症の患者と社会をつなぐ「Cafe Therapy」

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”薬物依存症”と聞くと、自分の生活からかけ離れた、未知の世界というイメージがあるかもしれません。しかし、薬物によってはその後遺症と一生付き合っていかなければならない方も多く、私たち一人一人の理解、地域のつながりという、社会全体でのサポートがとても大切です。今回はそんな薬物依存症の患者と向き合うチェコの事例をご紹介します。

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こちらの「Cafe Therapy 」では、治療の一環のアートセラピーとして、香り付きキャンドルや食器などの陶器の製作が行われています。カフェの隣は薬物依存症の患者が通う病院。ここでは社会で生きる一般の人々と、依存症の患者を直接つなぐ取り組みを行なっているのです。

もちろん一般の方が食事を楽しめる通常のカフェの営業も行なっています。患者の方が製作した陶器が、料理の食器として使われたり、おみやげとして販売されているのです。

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治療中は、本人や家族だけで苦しみを抱え込み、その辛さから、再び本人が薬物に手にすることもあります。ここは、カフェという空間全体を生かした、患者の方と一般の方が自然に関わりを持てる場所なのです。作品が実際にカフェで役立つだけでなく、患者本人が収入を得たり、精神的な充実を感じることで、次の”ステップ”に進むためのきっかけをつくっているんですね。

そしてお客である私たちも、セラピーで作られたものに触れることで、薬物で苦しみながらも社会復帰しようと頑張る方々の存在を知ることができ、意識に変化が生まれます。

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このカフェと共同で事業を運営しているのは「SANANIN」という団体。チェコで、薬物依存症患者のライフスタイルの改善を一緒に行いながら、社会的地位の向上への取り組みもしています。

日本には、多様な背景を持つ方を受け入れる施設として、スタッフの7割が知的障がい者である「スワンベーカリー」というカフェもありますが、ハンディキャップを持っていることを知らなくても普通においしくて楽しいカフェになっているのが大事なポイントなのかもしれません。

プラハカフェで作られる食器やキャンドルも、カフェでおしゃれに使われたり、お客さんが気に入って購入していくなど、”障がい者の方が作っているから”という理由以外の、そのもの自体の良さが感じられます。

今日ご紹介したような場所が広がっていくことで、どんな背景を持つ人でも、それぞれが持つ良いところを、自発的に活かしていける社会に近づいていくのではないかと思いました。普段いろいろなフィルターを通して世界を見てしまいがちな私たちも、もっとフラットに世界を眺め、心の容量を増やしていくことも、たくさんの人が共存していくための一歩なのではないでしょうか。

(text:土橋遊)

[via springwise]

厚生労働省の取り組み。症状や政策について知ることができます。

”障がいのある人もない人も、共に働きともに生きる社会”の実現を目指す企業。