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フィンランドでは起業も学びの範囲!アールト大学内のコワーキングスペース「Venture Garage」

aaltoes

社会保障の制度が整っていることでも有名な北欧の国。その中でも『フィンランドで見つけた「学びのデザイン」』という書籍もあるように、様々な”学び”を実践している国がフィンランドです。そのフィンランドには、デザインで有名なAalto University(以下、アールト大学)があります。

アールト大学の学内には、「Venture Garage」というコワーキングスペースが設けられています。そこでは起業という体験や、世代をまたいで受け継がれる文化、そしてその”場”から得られる学びをデザインしているそうです。

今日はVenture Garageに足を運んだ方から、その現地レポートが届いたのでご紹介します。レポートしてくださったのは東京大学の大学院生、柳澤龍(@ryu1023)さんです。

以下、柳澤さんからのレポートです。

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北欧デザインで有名なアールト大学内にある「Venture Garage」というスペースに行ってきました。

Venture Garageとはアールト大学内にあるコワーキングスペースです。誰でも自由に入ることができ、朝7時から夕方17時まで開いています。もちろん、鍵を持っている人は24時間利用できます。

入ってすぐに目に入ってくるのは、色とりどりの椅子と多くのミーティングスペースです。20個程の4人がけの机が散りばめられており、ソファや可愛い棚が様々な場所に設置されています。

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空間を区切るために利用しているのが、コンテナ。コンテナを2つや3つに区切って、部屋として活用しており、コンテナの上にもソファや机が置いてあり、作業できるようになっています。

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Venture Garageの名前が示す通り、ここには多くのスタート・アップに関わっている人が集まってきます。ただコワーキングスペースだから集まっているだけではなく、その理由は、この場所が生まれた由来にあります。

Venture Garageを運営するのは、アールト大学に所属し、研究を行なっている学生・研究者です。彼らが立ち上げた起業ソサイエティ「Aaltoes」が、大学から場所の提供を受け、内装をリノベーションしてできました。このAaltoesからは、多くの起業家が独立しており、彼らがスポンサーとなりVenture Garageでのスタートアップの活動を支援しています。

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Aaltoesの目的は、

簡単に言うと、周りの文化をよい方向に変えること。より果敢に、より活発に、そしてもっと助け合いと共有の文化を強くすることです。

とAaltoesのJuhoさん。

AaltoesはGarageでハッカソンやミニプレゼン大会、または起業家による講演会などを頻繁に行なっています。多くの人を巻き込むために、出張講義やイベントなどの企画をマネジメントするのが彼の仕事。「イベントにはFree BeerとFree Pizzaが必須だね!」とのこと。

Venture Garageのいいところは何ですか?と聞くと、

スタート・アップの感覚を仲間を共有でき、新らしい情報をすぐ得られるのがいいよね。大きな会社で、細分化された仕事の一部を担うのではなく、小さなベンチャーで全体を通して仕事に関われるのは、とても楽しいことだと思うよ!

と笑顔で語ってくれました。

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Juhoさん

Venture Garageに多くの人が集まる理由はもうひとつあります。Venture GarageではStartup SaunaSummer of StartupsSlushという3つのスタート・アップのイベントとタイアップしており、それぞれのオフィスがこのVenture Garage内にあるためです。

どれもヨーロッパで特に有名なスタート・アップイベントです。こうしたイベントが開かれるスペースであるVenture Garageにはスタート・アップ関連の人が集まってきます。

ここで出会った「Startup Life」のLauriさんにお話を聞いてみました。Startup Lifeでは、アメリカのシリコンバレーや、上海でのスタート・アップに学生を派遣したり、各国からフィンランドでのスタート・アップに学生の受け入れを行なっています。

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Lauriさん

ここでは、学びを得るためのフィードバックがたくさん受けられるんだ。Flickrを起業した女性に会った時にアドバイスをもらったんだけど、「fail first, fail smart」と言っていた。つまり、素早く始めて多くを学べということ。

ここで学生は成功を得られないかもしれないけど、ベンチャー活動の難しさから得られる学びこそ、ここで得られるもっとも大切なことだと思う。

彼は、特にこの「feedback」と「learn」という言葉を強調して言っていました。スタート・アップでもっとも重視すべきは、「いかに学ぶか?」ということなのかもしれません。

Report & Photo by Ryu Yanagisawa

大学という学びの場から生まれたスペースであることが、Venture Garageの大変面白い点だと思います。

大学と学生が共同し、多くの学生が立ち上げに関わり、卒業生が出資をして成り立つこの場にとても魅力を感じました。起業家の先輩が”起業文化”をのこすために、ベンチャーガレージという”場”を残したというのが、先輩からのとても素敵なプレゼントだと思います。

大学がスペースの提供をするなど、協力を行っているため、”学び”が軸にあるのが、Venture Garage内にある特徴のように感じられます。大学の仲間と助け合えるから失敗できて、立ち直り、学べる。世代が移り変わってもその場が残ることで、学び合い、助けあいの文化は引き継がれていく。素敵な”文化”だと思います。”場”と”文化”って、強く結びついていると思いました。

この場所からどんなものが生まれていくのか、これからがとても楽しみな場所です。Venture Garageは世界中のスタートアップとつながりたいと思っているそう。もし興味がある方はぜひコンタクトをとってみてください!