パルコが10月20日に発表した、日本初・ファッションを応援するマイクロファンド「FIGHT FASHION FUND by PARCO」。
「創り手と生活者の新しい“つながり”の提案」と掲げ、次世代の日本のファッションを担う若手デザイナーの事業成長支援を行います。12月12日には、出資先候補デザイナー3組を発表しました。1月下旬以降、一般の人から「このブランドを応援したい!」という出資者を募ります。誰でも出資可能です。
しかしなぜ、ファッションでファンド?その意味を考えます。
出資先候補者として選出されたのは、「JUN OKAMOTO(ジュン オカモト)」の岡本順、「THEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)」の武内昭と中西妙佳、「giraffe(ジラフ)」を展開する㈱スマイルズの中村裕子の3組に決定。12年1月下旬より出資者を募集します。
ミュージックセキュリティーズ(以下、MS)社のコミュニティ型マイクロファンドサービス「セキュリテ」を活用したこちらのサービス。
本プロジェクトを発案したパルコの佐藤貞行さんは、昨年、事業戦略室で新規事業を担当していたときに、マーケティングの見地から「ソーシャル消費」、新規事業の見地から「マイクロファイナンス」に着目していたと言います。
NPO法人ETICの講演 で、たまたまMS社・猪尾取締役がマイクロファンドの説明をしており、ファンと共にアーティストが成長できるしくみを聞いて、「これだ!」と思いました。その後すぐに猪尾さんに連絡をとり協議を進めました。
1969年の創業以来、次世代を担う才能を持つ人とともに成長をしてきたパルコ。次世代の新しい才能を発掘し、共に成長していくことが同社のDNAなのだそう。
ファッション業界に目を転じると、ITによる商品管理、景況悪化のため売れ筋商品への偏重が供給サイドで起きています。そのため、こだわりのあるものづくりをしたいと考える才能ある若いデザイナーが、事業を立ち上げ、成長していくのが難しいという状況になっています。本プロジェクトが、この状況を打破することに少しでも貢献できれば、と考えています。
通常、新しくブランドを立ち上げると、デザイナーさんは、地道にコンテストに応募したり展示会に参加したりと、コネクションを作りながらブランドを成長させていきます。
バイヤーさんなど、一部の人が選択したものが店頭に並び、それを生活者が見つけるというトップダウンの流れ。マイクロファンド型なら、生活者が直接ブランドを見つけ、応援することができます。
ファストファッションは、一部の人のためのものだった「モード」を一般の生活者が自分のものとして楽しむことに貢献し、「ファッションの民主化」を進めました。このプロジェクトからも、提案されたものを着こなす、という流れが少しずつ変わってきているのを感じますね。より多様なブランドが出現しやすくなり、日本の「ストリート」が活性化する一つの起爆剤になるかもしれません。
今後、パルコとしては、チャネル提供、PR機会の提供、出資者とデザイナーのコミュニティ機会の提供を中心にサポートを行なっていくとのこと。
お気に入りのブランドを、ぜひ直接応援してみませんか?一口3万円から出資可能です!
1月下旬:出資者募集開始
4月下旬:出資者募集〆
5月中旬~:ファンドのランニング
翌2013年8月末:ファンドランニング修了
10月償還
マイクロファンド「セキュリテ」の仕組みをもっと知ろう