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【VISIONSレポート】studio-Lの山崎亮氏のレクチャー!「コミュニティーデザイン〜状況はまだまだ好転させられる」

著書「コミュニティデザイン」でも知られる、山崎亮氏

著書「コミュニティデザイン」でも知られる、山崎亮氏

2011年8月27日と28日の両日、「VISIONS 2011」が開催。2日目の“朝イチ”プログラム「コミュニティーデザイン〜状況はまだまだ好転させられる」では、「studio-L」 代表の山崎亮氏が登場しました。こちらでは、このレクチャーの様子を、お届けしましょう。

島根県海士町など、ユニークなコミュニティづくりを数多く手がけてきた山崎氏は、以下の3つの事例を採りあげ、自らの活動とその思いについて、次のように語っています。

美しい風景と利用者の快適さを追求して作ったはずなのに、開園から数年経つと、徐々に人気のない寂しい場所になりがちな公園。公園が真に住民のための場所となるには「その公園をどのように使うか?」がポイントであることを示す事例が、兵庫県三田市の「有馬富士公園」です。このプロジェクトでは、公園側が催すプログラムを通じて、来園者を呼び込むパークマネジメントに取り組みました。

ディズニーランドの運営方法を研究し、その場所で来園者を楽しませる「キャスト」の存在に目をつけた山崎氏は、「無給でキャストになってくれる人はいないか?」とヒアリングを実施。地元のNPOやサークルなど、70以上もの団体から、前向きな回答が得られたそうです。そこで、これら地元の「キャスト」がプログラムやイベントを開催し、来園者を楽しませるという方式を段階的に導入した結果、年間来園者が、41万人から75万人へと大幅に増加しました。

地方都市には、地元の商店がさびれ、“シャッター通り”となっているところも少なくありません。宮崎県・延岡駅前も、そのひとつ。「学生さんに、シャッターに絵でも描いてもらえたら」と要望を受けた山崎氏は、「そこに絵があるから、人が集まるのではなく、人がいるから、人が集まるのだ」と考え、地元の人々が催すプログラムやイベントを通じて、人が集まる駅前づくりに取り組んでいます。

事例3: いえしまプロジェクト
2005年の「探られる島」は「いえしまにおじゃまします」

2005年の「探られる島」は「いえしまにおじゃまします」

瀬戸内海に浮かぶ兵庫県家島では、まちづくりの一環として、2005年から5年間、「探られる島」プロジェクトhttp://www.npo-eden.jp/studio-s/main.htmlを実施しました。これは、毎年、都市部の若者30名が、家島を“探る”というもの。家島の魅力を広く伝え、「この島に行ってみたい!」という島外ファンを増やすだけでなく、この島のユニークさや魅力を島の住民自身に気づいてもらうという狙いがあったそうです。

このプロジェクトを通じて、家島のよさを積極的に発信しようという住民が現われはじめました。そのひとつが、NPOいえしま。地元の海産物から特産品を開発・販売し、利益を家島の広報活動やコミュニティバスの運営に充てるという、ソーシャルビジネスを展開しています。

山崎氏のレクチャーに真剣に耳を傾ける参加者。会場は大盛況でした

山崎氏のレクチャーに真剣に耳を傾ける参加者。会場は大盛況でした

山崎氏は、コミュニティデザインのポイントとして、地元の人々が活動しやすい“舞台”を作ること、と指摘。また、若い世代について「冷めているのではない。熱くなるべきなのか、様子を見ているだけだ」と分析した上で、「若者が熱くなるべき、正当で良質な理由をデザインすること」の大切さを説いていました。

コミュニティに属する人々の力をいかに引き出し、自立的なコミュニティづくりにどのようにつなげるか?
山崎氏が取り組んできた多くのプロジェクトには、この課題を解くためのヒントやアイデアがたくさんありそうです。

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