先輩マイプロジェクトの代表としてお越しいただいたシブカサの末原さん
もっと多くの人がマイプロジェクトを立ち上げて、社会を楽しくするムーヴメントがどんどん広がっていくように、グリーンズでは、マイプロジェクトのための情報共有ツールを提供する「サイボウズLive」と一緒に、マイプロジェクトを応援しています。今回の対談もマイプロジェクト応援企画のひとつ。
「虎の巻」に先輩プロジェクトとしてご登場いただいた「シブカサ」の末原弘喜さん(以下末原)と、green school Tokyo の受講生でこれからマイプロジェクトを立ち上げようとしている山崎貴之さん(以下山崎)に、プロジェクトを進める上での悩みなど本音を伺いました。
お相手は、greenz.jp副編集長の小野とgreenz.jpライターの石村。記事は全部で3本です。ぜひみなさんの感想お待ちしています!
マイプロジェクトの先輩、「シブカサ」の現状は?
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石村: まずはプロジェクトの現状についてお聞きしたいと思います。シブカサは初めて何年くらいになりますか?
末原: 活動は3年半になります。3年間は完全なボランティア組織でしたが、半年前にちゃんと回していくために稼ごうということで法人化しました。今メンバーは6人で、私だけが専従であとはボランティアで参加してもらっています。
一度15人くらいになったことがあったんですが、それはそれで効率が良くなかった。少ない人数でそれぞれの役割をしっかり決めたほうがモチベーションが上がるんだと思います。
石村: 半年前に法人化されたということですが、以前から事業化しようと考えていたんですか?
末原: 最初は企業協賛でたまにお金が入ればそれでまかなっていけるのでボランティアでもいいかと思っていたんですが、安定的に運営するにはステッカー代や倉庫代といった最低限の経費は自分たちで稼ぐ必要があると考えるようになって法人化に踏み切りました。それを機に、加盟店に登録料を頂く形に移行しているところです。
石村: 加盟店は有料化に協力的でしたか?
末原: もともと賛同いただいた店舗なので、顧客サービスの経費として受け入れてもらえました。9月も登録店舗が5店舗増えているし、有料化してもそれほど変化はないように感じています。
石村: 話をお聞きしていると順調に進んでいるように見えますが、これからマイプロジェクトをはじめようという山崎さんからはどのように見えますか?
山崎: 事業化したというのは素晴らしいと思います。ボランティアだとやっぱり続けるのは難しい、社会に対して何かをしたらその見返りが来るっていう仕組みを自分で作ったというのが羨ましいし憧れます。
石村: 山崎さんが計画中のプロジェクトはどのようなものでしょう?
山崎: green school の最終プレゼンをしたばかりなのですが、「東京青空ピクニックラボ」というのを企画しています。レジャーシート一枚広げて、リーダーになるひとがワークショップやレクチャーを行う、手軽に学びや出会いをシェアしようというものです。
そもそもどうしてこういうことを考えたかというと、出会いや学びを求める人が多くて、市民大学なんかが盛んに行われているけれど、そういう場所を自分で積極的に探せないような人もいる。そういう人がもっと気軽に参加できないかと思ったんです。
イメージとしては、リーダーに腕章をつけてもらって、その腕章がバトンになって次の人がまた別の場所で開催するという感じで、腕章も幾つか用意してそれが広がっていったらいいなと思っています。
仲間を見つけるにはどうしたら?
(左)山崎さん (右)末原さん
石村: そのプロジェクトをはじめるにあたって今悩んでいることはなんでしょう?せっかくなので末原さんに相談したいことがあれば。
山崎: そうですね。スクールは来週で終わってしまうので、そのあと自分で進めていけるかが悩みです。一人で何でもやるのはやはり限界があるので、相談できるひとを見つけたいんですが、やはりそういう人は必要でしょうか?
末原: 必要ですよね。シブカサもフルタイムが自分だけなので心が折れることがある。今の理事とかも外から見つけてきた。グリーンズが主宰するイベントでも一人見つけました。一人だとアイデアのブラッシュアップもできないし、仲間は重要だと思います。
石村: シブカサは最初はひとりで始めたんですか?
末原: 最初はmixiで見つけた人がHUBになってくれて5人で始めました。最初の半年くらいはウェブで声をかけてリクルーティングしました。同級生とか友達みたいにもともとの関係値がある人より、「やりたい」と言ってくれる人のほうが一致しているものが大きいし、ウェブはそういう人をピンポイントで引っ張ってこれる場だと思います。
それから、欠けてる感じがある方が人が集まりやすくて、「ウェブができない」って言うと、ウェブメンバーが入ってくれたり。自分で何でもできるって言っちゃうと「じゃあ頑張って」って誰も関わってくれなかったり。「ここ足りないからここ助けて」って言うと関わってみようかっていう人が結構いるものです。
石村: 最初は何人いればいいと思いますか?
末原: 3人ですね。2人だと上下関係みたいになってしまうけれど、3人いれば「まあまあ」って入ってきてみんなでやろうよってなる。3人って絶妙なバランスなんですよ。
山崎: 話をした時いいね!と言ってくれる人はたくさんいるけど、一緒にやろうというところまではなかなか行かないんですが、そういう時はどうしたらいいんでしょう?
末原: 「いいね!」と「協力しよう」は本当に違うみたいですね。それは実感します。シブカサのサイトにGrow!(注:Growボタンをクリックすることでクリエーターを支援できるウェブサービス。greenz.jpでの紹介記事はコチラ)を導入しているんですが、Grow!してくれる人っていうのはお金を払ってくれる人なわけで、そういう人はサービスをより親身になって考えてくださっているのかなと思います。Grow!押してくれた人が新規店舗を紹介してくれるようなこともあります。
シブカサは100人いたら100人がいいね!って言ってくれて、それで浮かれてた時期もあったんですが…、最近は会った途端に「このプロジェクトはここがダメ」って言ってくれる人がいて、そういう人のほうがほんとうに有難いし、長く応援してくれるので大事にしたいと思います。
小野: でも、そういう人と話すのってパワーが必要ですよね?
末原: めちゃめちゃいりますね。
小野: それでもこういう人と話すほうがいいって気づいたのはいつごろですか?
末原: 3年くらいやってやっと気づいたことですね。はじめは仲のいい人だけ集めてればいいと思ってたのが、そうじゃないんだなとだんだんわかってきました。仲がいいと友だちになっちゃう。友だちになっちゃうといろいろ言えないでしょ。
石村: 人探し以外に今始めるにあたってやっておいたほうがいいことは何かありますか?例えば、シブカサははじめるにあたって協力店舗が必要だったと思いますが、それは人が集まってから探したんですか?
末原: 人が集まる前ですね。人を集める前にアースデイマネーに相談して加盟店を紹介してもらいました。そうやって作っていく中で賛同者が集まったというかんじです。ある程度作ってからのほうが人は増えやすいですね。
続きを見る >> 【先輩マイプロジェクトに聞こう!】シブカサ編(2/3) 仕事じゃない関係のなかで上手くコミュニケーションするには?
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