失敗は成功の母-。
失敗によって、新しい気づきが得られたり、さらなる成長・発展につながることは多いですね。そして、自分がやってしまった失敗は、他の誰かにも起きうること。これを広く共有することで、誰かの「転ばぬ先の杖」となることもあります。そこで、カナダでは、チャリティ団体が互いに“失敗談”を共有しあうオンラインコミュニティ「Admitting Failure」が開設されました。
2011年1月、アフリカの過疎地で貧困対策に取り組むNPO「Engineers Without Borders Canada」は、自らのプロジェクトで経験した“失敗”を共有し、世界中のチャリティ団体の活動に役立てようと、オンラインコミュニティ「Admitting Failure」を立ち上げました。
「非難されたり、叱られたらどうしよう」という不安や恥ずかしさから、失敗はつい隠しておきたくなりがちですが、客観的に検証されることも、共有されることもないゆえ、同じ失敗が何度も繰り返されているという面も…。
そこで、「Admitting Failure」は、失敗に対するネガティブな概念を大胆に転換。失敗を革新的なプロセスの一環と考え、これを受け入れ、学ぶことで、今後の発展につなげることを目指しています。
このコミュニティでは、「Engineers Without Borders Canada」のみならず、他のチャリティ団体からも失敗事例について投稿でき、「Browse Failures」というウェブページでこれらを公開。各投稿コンテンツにはユーザからのコメントが掲載できるなど、より多くの人々がインタラクティブに意見を交換しあえるプラットフォームとなっています。
世の中では、何かと成功事例ばかりが注目されますが、同時に、この何倍もの失敗が存在するのも事実。また、うまくいっているときよりも、うまくいかないときこそ、これまで気づかなかった課題や問題点が明らかになりやすいものです。
「Admitting Failure」といったコミュニティを通じて、失敗という貴重なナレッジが共有され、より多くの組織への教訓として生かされれば、“果敢なチャレンジ”と“謙虚な学習”というポジティブなスパイラルが生まれ、よりよい世の中に向けた取り組みを加速させることができそうです。
[via Springwise]
「Admitting Failure」に投稿された失敗事例をチェックしよう。