スケートリンクに定期清掃のアナウンスが流れます。スケートを楽しんでいた人たちは、全員一旦リンクの外に出なければなりません。しかし、スケートリンクの中央には、足元もおぼつかないスケート下手なおじさんが氷と格闘しています。一体これは…?
これは、ニューヨークを拠点に活動する「Improv Everywhere」の最新のパフォーマンスです。今回の舞台はブライアント・パークのスケートリンク。パフォーマンスの内容を説明する前に、まずは映像をご覧ください!
リンク中央に取り残された男性は、最初はスケート下手な初心者に見えます。リンクの外に出たくても出られずに、滑ったり転んだりする様を、周りで見ている人たちはちょっと小バカにしたように笑っています。
ところが、音楽が流れる始めると、男性のスケーティングが変わっていきます。スケート下手だと思っていた男性は、華麗なスケーティングを披露して、最後には周囲の人もパフォーマンスだと気付いて拍手喝采。映像の途中で徐々に人々の表情が変わっていく様子が見物です。
実はこの男性、スケート歴50年、スケート大会で9回の優勝経験あり、現在はニューヨークのSky RInkでフィギュアスケートのエグゼクティブディレクターを勤めておられるKenny Moir氏でした。どうりでスケーティングがプロ級な訳です。実際に映像のような光景をスケートリンクで見た「Improv Everywhere」のエージェントが、このアイデアを思いついてMoir氏にパフォーマンスを依頼したのです。
「Improv Everywhere」は、公共の空間をゲリラ的にハックしてパフォーマンスをする集団です。「Improv Everywhere」の名前は知らなくても、グランドセントラル駅の時間が止まったかのようなパフォーマンス「Frozen Grand Central 」は、見たことがある人も多いのではないでしょうか。他にも、地下鉄の中でスターウォーズのシーンが繰り広げられる「Star Wars Subway Car」など、思わず笑ってしまうパフォーマンスが数々あります。
アイデアと演出だけで、その場にいるすべての人を一気にパフォーマンスに引き込んで、最後にはハッピーな気分にしてくれるというのが素晴らしいですよね。日本でも時を止めるパフォーマンスを大学生が真似たりしていましたが、オリジナルのアイデアを考えるのも楽しそうです。
(via GOOD)
楽しい気持ちになるアイデアと言えば