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コロラドの野生動物を守ろう!人間のためではなく”動物のため”の建築コンペ

Overpass for Wildlife

アメリカのコロラド州では、高速道路に分断されてしまった荒野を野生動物が安全に移動できるようにするための、動物のための歩道橋のデザインコンペが開催されています。人間のためではなく動物のために橋を作ったり、またそのデザインをコンペしたりという発想が、新しい時代が来たなという感じがします。そのコンペ「ARC International Wildlife Crossing」の最終選考に残った、5つのデザイン案をご紹介しましょう。

Overpass for Wildlife

一番上の画像は「Zwarts & Jantsma Architects」のデザイン案、このすぐ上の画像は「Michael Van Valkenburgh & Associates with HNTB Engineering」のものです。どちらも森や牧草地や灌木地などの自然をふんだんに生かしたアーチ状の歩道橋です。

Overpass for Wildlife

Janet Rosenberg & Associates」のデザイン案は動物を保護することだけでなく、人間にもこの橋の存在をきちんと認識してもらうような意図があります。とても印象的な真っ赤なフェンスは、人間には遠くからでも目に留まりますが、野生動物には赤い色は認識しにくく目に優しい色なのです。

Overpass for Wildlife

The Olin Studio」のダイアグリッドの歩道橋では、現存する生態系に合わせてカスタマイズできる植物モジュールを前もって植えるので、もし今の植物が適応しなかったとしても、簡単に取って代われるようになっています。また、このデザイン案では、すぐ近くからでも安全に野生動物の生態を観察できるような、旅行者のための観察ゾーンも設けています。

Overpass for Wildlife

最後の「Balmori Associates」のデザイン案も含め、ほとんどの歩道橋がアーチ型のデザインになっていますが、これは野生動物にとっても人間にとっても一番自然で良い形状なのだそです。ゆるやかな曲線の歩道橋は、そこを渡る野生動物たちに安全な谷のようだと思わせることができます。

動物のための歩道橋とは言え、大量の降雪対策、車の騒音対策、トンネル内の採光など、通常の橋のデザインと同じように対処しなければならない課題もあります。自然と人がいかに快適に共生できるかは、デザイナーの腕の見せ所というところでしょう。

このコンペの優勝者は来年1月23日に発表されます。ところが、現在スポンサーとされている企業は実は暫定的なスポンサーで、実際にはコロラド州は橋の建設費用をまだ確保できていないのです。野生動物を危険にさらしている本当の原因は、高速道路をビュンビュン飛ばす車ではなく、人間の経済的な問題だったなんて、かなりガッカリです。このすばらしいアイデアのコンペが注目されることで、早く正式なスポンサーが見つかるといいですね。

ARC International Wildlife Crossing

(via GOOD

こちらのデザインコンペも来年のアクションが楽しみです