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カンヌ2010受賞のソーシャル広告(6)メディアの使い方こそクリエイティブに!

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カンヌ受賞のソーシャル広告、今回はメディアの使い方を評価するメディア部門からのピックアップです。まずは金賞から。

GO BEYOND BORDERS / CNN INTERNATIONAL /
CNN INTERNATIONALHEY /

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CNNは、新しいスローガン「Go beyond borders」のPR のために、ベルリンの壁崩壊の記念日に、旧東ドイツと西ドイツの 国境40キロを粘着テープでつなぎました。さまざまなポイントで、そこで何が起こったのかを複数の言語で伝えるパネルなどが置かれ、ソーシャルメディアで感想などを共有できるような仕組みをつくりました。これは単なる企業のPRに留まらず、それまで考えられなかった断絶を乗り越えた歴史を思い出し、先行きが不透明な時代に人びとに勇気を与えるキャンペーンになったのではないでしょうか。

BEING HOMELESS / SAMUSOCIAL /
HOMELESSNESS CHARITYHEY /

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次からは銀賞です。ホームレスの人たちは、なかなか自分たちの力だけではその生活から抜け出せません。ホームレスの自立支援を促す団体は、多くの人たちが、ホームレスの人たちは本人たちの努力が足りないと思っていることをなんとかしたいと思っていました。そこで、ホームレスの人たちに小さなカメラがついたメガネをかけて生活してもらい、彼らが食べたり、寝たりするのにも苦労をしている様子をWEB上で見せるようにしました。ホームレスの生活が見られるというウェブサイトに行って、そこから出ようとすると、「申し訳ないですが、ストリートから抜け出すのはかんたんではありません。」という警告文が出ます。このサイトから出る方法はただひとつ。ホームレス支援団体のロゴをクリックすること。団体のロゴをクリックするとホームページに行き、ホームレス支援の活動をしていることと、寄付を集めていることが伝えられます。興味本位でサイトに来た人を寄付にもっていくようにしたんですね。

PEDIGREE ADOPTION DRIVE / MARS /
DOG RESCUE PROGRAMMEHEY /

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ペットフードの会社が実施した、保護された犬を飼うことを呼びかけるキャンペーンです。犬を飼おうと思っている人のなかには、保護された犬は傷ついているんじゃないかと思っている人は少なくありません。でも、病気やケガで捨てられた犬ばかりではありません。このキャンペーンは、犬のこれまでの生きざまがわかる、犬をかたどった立て看板をつくりました。それを通りや公園に置いて、飼っても問題がない犬であることと、飼う方法をインフォメーションしました。その結果、多くの保護犬に、新しい飼い主が見つかったそうです。

SDIA PROJECT / AIDS TASK FORCE / AIDS AWARENESSHEY / SHALMOR AVNON AMICHAY/

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次からは銅賞です。エイズの啓発を行う団体が、若者たちにメッセージをとどけるために、とても手の込んだキャンペーンを実施しました。SDIAという覆面バンドをつくり、「Going All the way.」という曲をリリース。ウェエブサイト、プロモーション・ビデオ、着うたまでつくったところ、大ヒット。みんなに親しまれる曲になりました。そして、世界エイズデーの日に、エイズ啓発団体はSDIAというのは、AIDSを逆さにしたものだということを明らかにします。音楽を気に入ってラジオ局にリクエストしたりCDを買ったりした人たちは、この瞬間に社会的なキャンペーンのプレイヤーになったんですね。このキャンペーンのメッセージである「ものごとはいかに早く伝染するか」ということは、テレビなどのメディアで取り上げられ、知らないうちに広まっているエイズのことを多くの人に実感させました。

TIED UP / THIS HUMAN WORLD /
HUMAN RIGHTS FILM FESTIVALHEY /

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次は人権団体の変り種ポスターです。人権をテーマにしたフィルムフェスティバルの告知として、ポスターの人の手首を縛りつけて貼っているんですね。理不尽な暴力で自由を奪われることを、立体的なポスターで表現しています。

TROJAN BOTTLES / FRANKFURTER TAFEL /
FOOD BANKHEY /

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ドイツにも貧困ライン以下で生活している人たちがたくさんいます。彼らは物乞いをすることを恥ずかしいことだと思っていて、満足に物を食べることもできずにいます。そんな貧しい人たちの唯一の収入源は、ペットボトルを拾って、デポジットの小銭をもらうこと。余った食材を貧しい人たちに配るフードバンクは、その存在を貧しい人たちに知ってもらうために、特別なペットボトルをつくりました。ボトルを持っていけば食べ物がもらえるという情報が書かれた空のペットボトルです。それをゴミ捨て場に置いておくと、デポジット目当てに来た人がそのメッセージを見て、ボトルをもってフードバンクに参加しているお店で食事にありつくことができるのです。的確にターゲットにメッセージを届けることができ、貧しい人に恥ずかしい思いをさせないメディアとして、空のペットボトルを使ったんですね。

BABY PACIFIERS / MILITARY FORCES OF COLOMBIA / ANTI-GUERRILLA CAMPAIGNHEY /

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コロンビアでは、女性がゲリラに入隊することが問題になっていました。そこで、コロンビア政府軍は、思い切った作戦に出ました。ヘリで、あるものをバラまいたのです。それは、カラフルなおしゃぶり。そのおしゃぶりには、こんなメッセージがついています。「もしあなたがゲリラのメンバーになったら、あなたの赤ちゃんはこういうものを楽しむことはないんでしょうね。」おしゃぶりをメディアに、母性本能に訴えてゲリラに入ることをやめさせたんですね。女性は国の宝です。この決死のキャンペーンは、幸せな結果に結びついたとのことです。

カンヌ受賞作の広告、まだまだ続きます。次回は印刷部門の受賞作をご紹介します。