北欧アイスランドの火山噴火の影響により、空の便は欧州を中心に約1週間にわたってマヒ状態となった。2010年4月22日現在、欧州のほとんどの空港で航空機の発着が再開し、事態は徐々に収束に向かいつつあるものの、いまだ、多くの人々が欧州各地で「足止め」を余儀なくされている。私事ながら、オランダを旅行中の私の両親もその当事者。異国に取り残されている彼らを待つ家族のひとりとして、今回の混乱からサバイバルする(させる)方法をまとめてみたい。
12日からツアーでオランダ旅行に参加し、22日の帰国便がキャンセルされたために、そのまま現地で滞在している母は、電話口でこう言っていた。
いつ帰れるか、どころか、いまどうなってるか、全然わからんねん
現地は想像以上に混乱しているそうで、ツアー客の私の両親はもとより、彼らを預かる添乗員さんですら、現地の状況やフライト復旧の見込みを日本に問い合わせる「情報の逆輸入」状態だとか。現地の航空会社の電話は常に混みあっていてなかなかつながらず、先のメドがはっきりしない状況だそうだ。
インターネットはこのような緊急事態における「ライフライン」といえるかもしれない。足止めされた多くの乗客はスマートフォンや公衆無線LANを使ってネットワークに接続し、ソーシャルメディアを活用して、互いに情報を共有し、支えあっている。たとえば、Twitterユーザは「#getmehome」や「#stranded」、「#ashcloud」といったハッシュタグを活用し、陸路で一緒に帰国する仲間を募ったり、臨時の宿泊先を探したり…。Facebookのグループ「Carpool Europe」には3800人以上の人々が登録し、自動車の相乗りパートナー探しに利用されている。また、今回のアイスランド火山噴火に関する最新情報、車のシェアリング、宿泊先がまとめられたウェブサイト「Volcanohelp.eu」も新たに立ち上げられており、足止め客の貴重な情報ソースになっているようだ。
では、彼らの帰りを待つ家族ができることは何だろうか?
自身の経験から、以下の2つがポイントだと感じた。
まずは、足止めされている彼らと定期的に連絡を取ること。滞在先がわかっている場合は、相手から連絡を待つのではなく、「ちょっと大げさかな?」と思っても、こちらから電話するなどして、コンタクトしよう。ちなみに、私の母は、「日本に電話しようと試みたが、オランダの電話のかけ方がわからず、困っていた」と話していた。日本では当たり前にできることも、異国では何かと戸惑うことが多いようだ。現地との時差はこちらの「世界時間マップ」などでチェックしてみてほしい。
それから、意外に現地よりも日本のほうが、正しい情報がタイムリーに入手しやすい状況にある。最新の情報を常にチェックし、必要に応じて、現地の彼らにインプットしよう。航空会社各社の公式ウェブサイトでは、最新のフライト状況やキャンセル便に関する案内などが頻繁に更新されているし、TwitterやFacebookのソーシャルネットワークでも多くの情報が行き交っている。この動きをウォッチし、正しい情報を見極め、必要に応じて現地にいる彼らにつたえれば、情報から孤立しがちな現地の状況を改善することができるかもしれない。
最後に…。
この記事が、欧州でいまも不安な日々を過ごしている人々や彼らの帰りを待つ家族の方に、少しでもお役に立てたら幸いだ。
一日も早く、皆さんが無事でお帰りになることを、心から祈っています!
足止めされている乗客のためのサポートサイト「Volcanohelp.eu」をチェックしてみよう。