地球環境を考える上で避けては通れないゴミ問題。
巨大な問題ですが、「そんな大きな問題だし仕方ない」と諦めるのではなく、「一人ひとりが出すゴミを減らせば、地球規模では相当な量のゴミがなくなる」という認識が必要になります。ただ、そうは言っても「具体的にどうすればいいの?」と私のように悩む方も多いでしょう。
そんな人々に向けたアイデアが、フランスのエコデザインカンパニーFALTAZIのキッチンコンセプト「EKOKOOK」です。
彼らの考え方は至ってシンプル。「家庭から出るゴミの大部分はキッチンから」という事実を認識した上で、その“ゴミ”を可能な限り“資源”に変換し、循環型社会の実現に向かう3R(リデュース・リユース・リサイクル)を各家庭のキッチンから実践しようとするアイデアなのです。
このスタイリッシュなキッチンの中には、なんと3つの工場が隠れています。
1. 固形ゴミ処理場
ゴミの種類別に5つのユニット(ガラス、紙、プラスチック、金属、その他)で構成された固形ゴミ処理工場は、それぞれの固形ゴミを簡単に粉砕し圧縮できる仕組みを備え、固形ゴミの大きさを最小化しながら分別・蓄積させることを目的としてつくられています(後のガイド動画参照)。
そして、ある程度たまったら地域のゴミ集積所に持っていき分別廃棄します。腐敗せず資源として再利用可能な固形ゴミの収集が容易になるだけでなく、各家庭で最小化する処理を行っているため、都市規模のゴミ処理にかかる自治体のコスト削減にもつながるというわけです。
2. 廃水処理場
同じく廃水処理も都市規模の大きなシステムからインスパイアされ、キッチンの下に廃水処理工場の機能を備えてあります。使用した水は、シンクから浄水機構を通って浄化された後備え付けのリザーバーに貯められ、食器洗浄器やスチームオーブンに再利用。もちろん植物の水やりにも!(後のガイド動画参照)
ちなみにこのシステムでは1日に15リットルの水が再利用可能になるそうで、15リットルとはまさに食器洗浄器の使用に必要な水量なんですって。
3. 生ゴミ処理場
そして3つ目の生ゴミ処理工場のコンセプトは、キッチンに“ミミズ”を飼う!?
でも気持ち悪いことなんてありません、生ゴミが自然に還る一番ナチュラルな過程なんですから。
完全に密閉され時間をかけて回転するドラムユニットの中で、生ゴミはじっくりと熟成され、3ヵ月後には植物にとって最高級の堆肥がつくられているのです!(後のガイド動画参照)
公式ガイド動画(仏語)
今回このアイデアを見て感じたこと、それは「なんともシンプルで分かりやすい解決策じゃないか」ということ。特に最先端のテクノロジーを駆使しているわけでもなく、誰もが知っている要素を盛り込んだエコデザインです。
ただ、この視点こそが大切なのかもしれません。誰もがシンプルに日常生活で実践できるアイデア、こんなキッチンが家庭にあれば“ゴミ”を“資源”として意識できるし、なんたってキッチンに立つのが楽しい!
まだまだ私たちの日常には、個人や家庭レベルで実践できるシンプルな解決策がありそうですね。ひとりで大きなシステムは変えられないけれど、一人ひとりが小さな変化を生み出せば、それはやがて大きな変化につながることでしょう。
親愛なる地球さま
自分にもできること、少し考えてみようと思います。