象のウンチから作った紙「ぞうさんペーパー」で知られるミチコーポレーションから、今度は象のウンチを再利用した「ぞうさん緑化マット」が登場した。greenz.jpで以前紹介したとおり、「ぞうさんペーパー」は年取った象や孤児となった象の保護に役立っているが、「ぞうさん緑化マット」は象も人も幸せにするらしい!
「ぞうさん緑化マット」は、名前の通り“ぞうさん”のウンチとヤシ殻を再利用して作った緑化用マット。土の代わりに、ココナツミルクの廃棄物であるヤシ殻の活性炭やチップを使用。そこに象のウンチを含んだ肥料などを合わせたものを加工してできている。
しかし、なぜ “ぞうさん”のウンチなのか?
実はこのマット、スリランカの象と住民の衝突という深刻な問題と関係している。スリランカでは森林伐採などの環境破壊が進み、餌を探しに街に迷い込んだセイロン象が住民たちとトラブルになることがあるという。
そんな問題を少しでも緩和させたいと考えられたのが、この「ぞうさん緑化マット」。象のウンチを商品化してお金に換えることで、恩恵を受ける住民が象との共存の道を模索する、そんな人と象をつなぐ役目になることを目指しているのだ。
さらに、スリランカにおけるヤシ殻の大量廃棄を減らし、日本の地方農家の悩みであった休耕地で芝を育てることで、地方農家の収入確保に寄与する上、都市の環境改善にも役立っている。つまり、スリランカの象と人、そして日本の私たちも幸せにしているのだ!
もちろん、「緑化マット」としての機能も高い。優れた保水力を持ち、100%自然素材なので、廃棄時は可燃ゴミとして処分できるのが特長。芝生が育ったこのマットを敷くだけで、夏は涼しく、冬は暖かくなる上、マット1平方メートルで年間約4kgのCO2を吸収してくれるという。
「ぞうさんペーパー」や「ぞうさん緑化マット」のように、役に立つだけでなく、世界が抱える問題に気づかせ、解決に導いてくれる商品こそ、クリエイティブであると言えるのかもしれない。
「ぞうさん緑化マット」「ぞうさんペーパー」についてもっと知りたい!