セクシーなギャランドゥにまとったこのメタリックなアンダーウェア、なんと使用済のサーキットボードでできている。米サンフランシスコで活動するデザイナーEmiko Oyeによるこの作品は、実用的かどうかはともかく、オシャレでインパクト大だ。このように、不用品を以前とはまったく新しいカタチに生まれ変わらせる試みは、ファッションやアートの分野で次々と生まれている。
機械部品を使ったアートといえば、Gabriel Dishawが取り組んでいるプロジェクト「ジャンクアート(Junk Art)」も知られている。彼の代表的な作品は、以下のメタル版Nikeシューズ「Blazer Pentium 1.0″」。タイプライターや古いパソコン、機械の部品を慎重に分解し、彼のイマジネーションに従ってこれらの部品を“組み立て”直すと、独創的なシューズに生まれ変わる。
これからの季節、こんな風鈴はいかがだろう?米ノースカロライナ州のThompson夫妻による中古の銀食器を活用した手作りの風鈴「Dinner Time Chimes」は、同じ形は二度とない「オンリーワン」が魅力のひとつ。また、風に揺られて響く銀の音は、日本の風鈴とはまた異なる趣がある。ひとつひとつ丁寧に磨かれた銀食器たちが奏でる素敵な音を、以下の動画でぜひ聴いてみて。
一方、リメイクやリサイクルの定番・ファッションの分野でも、様々な作品が生まれている。たとえば、米ソーシャルベンチャープロジェクト「Hello Rewind」では、中古のTシャツを使って、オリジナルのラップトップPC用ケースを製作するサービスを開始した。前払いで料金を支払うと、自分が愛用していたTシャツを使って、ラップトップPC用ケースを作ってくれるという仕組み。首周りや袖はすっかり伸びてしまったけれど、思い出がいっぱいつまったTシャツ…。これがラップトップPC用ケースとして生まれ変わり、再び自分の側に戻ってくるというわけだ。
日本でも、不用品をリメイクした商品を扱うサービスが立ち上がっている。ウェブショップ「Recoron(レコロン)」では、不用になった衣類や雑貨から作った”世界にひとつだけ”の商品を販売している。何もしなければただ捨てられていくものに、「第2の人生」を歩ませよう―。そんな思いから、クリエイターたちが様々なグッズを生み出している。たとえば、大きな花柄のこのワンピース。「もう歳だし、ちょっと派手かしら」としまいこんでしまえば、”タンスの肥やし”になるだけだが……。
イマジネーションとクリエイティビティを使えば、こんなに見事に劇的ビフォーアフター!かわいい花柄をうまく活かされ、キュートなカバンに変身している。このほかのリメイク商品は、「Recoron」さんのこちらのウェブページでもぜひチェックしてみてほしい。
これらの作品に共通しているのは、ヒトのクリエイティブパワーが、「あとは捨てられるだけ」という不用品の運命を見事に変え、新しい使命を与えて、これらを再び世に送り出している点だ。持続可能な未来は、必ずしも、高度な技術や大規模なインフラ整備だけで実現するものではない。「モノを大切にしよう」という思いから発せられる創造力こそが、それぞれの分野で少しづつ持続可能なカタチを作っていくのだろう。
リメイク・リサイクル・リマインド・リバースのウェブショップ「Recoron(レコロン)」を覗いてみよう。
世界のハンドメイド製品からお気に入りを探してみよう。