平和をテーマにした曲を歌いたいと思ったとき、誰かに作曲を頼めるとしたら誰に頼みますか?言葉の問題はおいておいていいとして、さらにはすでに亡くなった人だっていとしたら……。
何人かの方は「ジョン・レノン」と思ったんじゃないでしょうか? そう、“Imagine”のジョン・レノン、「想像してごらん、みんなが平和に生きている世界を」と歌ったジョン・レノンです。
でも、亡くなってしまった彼に曲作りを頼むなんていうのはどだい無理な話。 でも、そのジョン・レノンに本気で作曲を頼もうと考えた人がいたのです。どうやってって?それは、こうやって……。
イタコです。そう、死者の霊魂が憑依するというイタコです。「ふざけてんのか?」と思ってしまいますが、決してそうではありません。
イタコを通じて語ったジョン・レノンが「津軽弁だった」などと言ってしまうと、やはりふざけているようにも聞こえます。でも、ジョン・レノン(?)が最後に彼らに伝えたメッセージには考えさせられます。
「まずは親を大切にする」、うーん、あまりジョン・レノンが言いそうなことだと私は思えませんが、世界を考えるためには、まず身近なことからというメッセージには共感できます。
そしてこれは、ジョン・レノンの新曲を作る物語ではなく、「ジョン・レノンの新曲」という新しい歌なのだということもわかります。
そして、死者と通じ合いたいという欲求、死んでしまった人から何かを学びたいという姿勢、それは私たちの多くが持っている欲求であり、同時に持つべき心構えでもあるのではないかとも思います。イタコはそのような私たちの欲求や思いを言葉という具体的な形にしてくれる存在、イタコが本当に死者と交信しているのかということを問わなくとも、受け手の私たちにとって意味のある言葉をイタコは投げかけてくれた事実を受けとめることは出来るのではないでしょうか。
作者は今度はツイッターを通じてオノ・ヨーコさんに直接、話しかけてみるとかみないとか……。口寄せという長い歴史を持つメディアから、ツイッターという最新のソーシャルメディアへ。本気で冗談みたいなことをしている彼らは新しいメディアとも化学反応を起こして、幸せな気持ちと考える種を運んでくれる素敵な曲をまた生み出してくれるでしょう。
そんな続編も楽しみですが、平和について考えるなら、「マイケル・ジャクソンの新曲」も聴いてみたいなぁ……なんて。
「ジョン・レノンの新曲」を「聴く」
“Imagine”を聞いて平和を祈りましょう