女優であり、環境活動家であり、話題作『アバター』の監督ジェームズ・キャメロンの妻でもある、スージー・エイミス・キャメロンが、なんと今年のアカデミー賞で着るドレスのデザインを募集している。しかも、ただのドレスではなく“サスティナブルなドレス”である。
この「レッドカーペット・グリーンドレス」コンテストの応募資格は、18歳以上であれば誰でもOK。コンテストのWEBサイトから参加費の50ドルを支払い、応募フォームからデザイン画を送れば応募完了。素材にオーガニックやリサイクルのものを取り入れたり、サスティナブルでグリーンなアイデア溢れるデザインを送ろう。1回の応募につき送信できるデザイン画は5枚まで。応募は1人何回でもできるが、応募締切は太平洋標準時刻で2010年1月22日午後5時、つまり日本時間では2010年1月23日午前10時までなのでお早めに!
Suzy Amis Cameron for Red Carpet Green Dress from Red Carpet Green Dress on Vimeo.
優勝者のデザインは、アカデミー賞を受賞したこともあるデザイナーの手によりドレスに仕立てられる。賞金は無いものの、優勝者はドレスのフィッティングに立ち会うため、ロサンゼルスに招待される。宿泊は、超ラグジュアリーなサンタモニカの「フェアモント・ミラマー・ホテル&バンガローズ」に4泊。フィッティングではスージー・エイミス・キャメロンはもちろん、ジェームズ・キャメロン監督にも会えるといううれしい特典付き。
また、優勝者はスージー・エイミスが設立したNPO団体「MUSE」のVIPツアーにも参加できる。そもそも、彼女がこのドレスデザインコンテストを主催したのは、世界中の注目が集まるというエネルギーをサスティナブルなことに使いたかったからなのだ。
今や映画祭と言えば、受賞レースの行方と同じくらい、レッドカーペットでのセレブのファッションが注目される。しかもアカデミー賞のレッドカーペットとくれば、正しく世界で一番注目を浴びる場所である。レッドカーペットで着用されるドレスは、誰がデザインしたとか、どこのブランドだとか、必ず世界中で報道される。ということは、そこでサスティナブルなドレスを着れば、世界中の人たちにもっとサスティナブルな意識を持ってもらえるのではないかと考えたのである。
スージー・エイミスと妹のレベッカが立ち上げたMUSEは、子どもの教育と自立を支援する団体で、アメリカとタイとニュージーランドに学校も設立している。ドレスコンテストの開催は、一見NPOとは無関係に思えるが、参加費の50ドルはMUSEへ寄付され、資金集めになっている。アカデミー賞の注目度を利用してコンテストをすれば、MUSEのPRにもなる。ドレスを公募のデザインコンテストにすることで、子どもではないけれど、若手デザイナーに大きなチャンスを与えることもできる。
最近、多くの有名人やセレブが、チャリティーやボランティアに積極的に参加しているが、多額の寄付金を提供するか、広告塔的に使われているだけということも多い。それももちろん素晴らしいことだが、今回のドレスコンテストは、アイデアをひとひねりするだけで、せっかく集めた注目や知名度を、さらに有効な啓蒙活動や資金集めに繋げることができるという良いお手本ではないだろうか。Win-Winどころか、関係者すべてがハッピーになるこのコンテストに、NPOの新しい発展形を見た気がする。
最後にコンテスト応募者の方にアドバイスを。スージー・エイミスの好みは、シンプルでスッキリとしたデザイン、ブランドで言うと「カルバン・クライン」や「ジョージ・アルマーニ」だそう。色は黒・濃紺・紫などダーク系か、動画で着ているような薄いシャンパンカラーやオフホワイトがいいとのこと。(“グリーンドレス”だからって“緑色の”ドレスじゃないですよ!)
一体どんなサスティナブルなドレスが出来上がるのか、今年のアカデミー賞の授賞式が楽しみですね。
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