自分がパソコンとiPhoneを使って、毎日ネットしてメールしてTwitterしていると、つい誰もが同じようなことをしているような気になってくる。同じ日本人でも、メールやネットは携帯しか使わない人もいれば、情報はテレビと新聞でしか仕入れない人もいるというのに。
そういう近視眼的になりがちな視点を見直させてくれるのが「世界がもし100人の村だったら」だ。日本でも本がベストセラーになったので、どういう内容か知っている人も多いだろう。
2001年頃から世界中に広まった、この統計学的ストーリーの情報部分をピックアップして、香港在住のデザイナーToby Ng Kwong Toはグラフィックのポスターを作成した。これがシンプルでカワイくて、情報もメッセージもダイレクトに伝わってくる素晴らしいものなので、いくつかご紹介しよう。
GENDER [男と女]
ほぼ半数。
AGE [大人と子ども]
大人が7割。世界的に少子化傾向にあるのでしょうか。
BIRTHS / DEATHS [生後1年未満の生死]
生後1年以内に3人に1人が亡くなるなんて…。
EDUCATION [大学卒業者] +HIV [エイズ患者]
大卒は100人に1人、エイズの人も100人に1人。
COMPUTERS [パソコン所有]
自分のパソコンでこのページを見ている人は、7%の少数派ですよ。
こういう情報を知ると、自分は満ち足りているどころか、ちょっと持ち過ぎているのかも、なんて申し訳ないような気持ちになるかもしれない。
でも、まずは自分の置かれた状況を客観的に知り、その状況に謙虚な気持ちで感謝することが大切なのではないだろうか。
「足るを知る(知足)」とは、欲望に溺れることなく現状に満足して生きる大切さを説いた仏教の教えだが、このような情報を知り「己を知ること」が、「足るを知ること」に繋がればいいと思う。
そして、知った後でどう行動するかがもっと大切になってくる。
毎日使う電気を少しでも減らす。
ご飯や食材は必要以上に買わない、注文しない。
手洗いやシャワーで無駄に水を流さない。
エコバッグやマイタンブラーは本当に持ち歩いて使う。
こういう本当にシンプルで基本的なことができているか?
このポスターを見て、改めて聞かれている気がした。
究極なエコのヒントは、案外見落としがちな日々の生活の中にあるのかもしれない。
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