「社会起業家」とは、社会の課題をビジネスの手法で解決する人だと言われている。福祉や環境など、収益を上げるのが難しいとされてきた分野では、多くの社会的ニーズ(裏を返せば課題)が未解決のままになっている。そうした未解決の社会的ニーズに真正面から挑み、事業化しようと取り組んでいるのが社会起業家ということだ。
志高い社会起業家の果敢な挑戦を、異分野の先達とのコラボレーションを図ることで後押ししようというプログラムがある。それが、「イノベーション・グラント(INNOVATION GRANT)」だ。
志溢れる社会起業家が、ビジネスのスペシャリストとは限らない。また、ヒト・モノ・カネ・ノウハウなどの経営資源が不足している団体の方が多いだろう。ましてや、彼らが挑戦しているのは、事業化が難しいがゆえに手付かずに残っていた分野。成果を上げるのは、そう簡単ではない。
足りないピースは他所から持ってくるとともに、掛け算でブレイクスルーを達成しようというのが「イノベーション・グラント」の発想だ。実際に事業の立ち上げや市場開拓を経験したベンチャー企業のノウハウを共有する。また、ベンチャー企業が持つ商品やサービス、ネットワークなどのリソースを、社会起業家が持つリソースと組み合わせる。そうすることで、社会起業家の取り組みをさらに発展させることがプログラムの狙いだ。
詳細は、「イノベーション・グラント」のウェブサイトを確認していただくとして、プログラムの概要を紹介しよう。
応募対象
日本国内に拠点があって、社会的課題の解決を目指す団体であれば、法人格の有無や形態は問わない。つまり、任意団体でも株式会社でもNPO法人でも可、ということだ。
募集スケジュール
2009年は3回の募集が予定されている。募集の締め切りはそれぞれ5月15日、7月31日、11月31日。3~4か月に及ぶ選考を見事勝ち抜けると、7カ月間にわたって、以下に示す様々な特典を受けることができる。
選考特典
選考されると以下の特典が待っている。
・パートナー企業による経営支援
・パートナー企業との事業提携
・支援金の提供
・各種助成金の推薦、申請支援
・国内外の社会起業家を招いたセッションや講座への優先的な参加
高い志と熱い情熱で始めた活動をさらに発展させたいと思っていた社会起業家の方々、このプログラムは、外部のリソースやナレッジを取り込むチャンスです。第1期の締め切りまであと数日ですが、ここはひとつエントリーしてみてはいかが?
社会起業家についてのいろいろ
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