な、何と、18歳の高校生がやってくれた。アメリカの難関校、ハーバード・ウェストレイク高校に通うRory Handel君とMaxx Bricklin君が、レーシングカーを開発しているというのだ!
その名も「Formula AE」(チーム名は「RORMaxx」)。「AE」とは”Alternative Energy(代替エネルギー)”の略。風力タービンと太陽光パネルを搭載した電気自動車で、走行中に風力発電と太陽光発電で充電も可能な作りになっている。まだ設計の初期段階ではあるものの、着々と準備が進んでいて、この夏にはプロトタイプが完成する予定だという。
Image from RORMaxx
二人の野心というか心構えたるやすさまじい。「世界が直面している問題を若者の力で解決するんだ」とか、「そのために高校生のシンクタンクを作る」とか、自分が高校生だった頃と比較するのも恥ずかしいくらいだ。
特に興味深いのは、二人の代替エネルギーに対するスタンスだ。代替エネルギーに関わる人は、反文明・反産業のヒッピー・カルチャーの流れを汲んでいることが多いと言われているが、二人はそんなアンチな精神とは全く無縁で、むしろ、二人が尊敬し、影響を受けたのは石油王のロックフェラーだというのだ。ロックフェラーは、石油で稼いだ資金を新しい技術の研究開発に注ぎ込んできたことに二人は心酔しきっているようだが、二人が代替エネルギーで同じように富を得て、次世代技術へ投資することに魂を注いでいるのが、何とも18歳らしからぬというか、技術信奉主義も度が過ぎる気がしてちょっと気掛かりだ。
ところで、車のスペックはざっとこんな感じだ。
- 285馬力のAC電源のモーター
- 一次電源はリン酸リチウム電池(フル充電時の最大走行距離が約320Km、レース環境でも1時間の全開走行が可能。充電は現行のもので90分、開発中のもので6分)
- 軽量・極薄の太陽光パネルを屋根に装備(リチウム電池に充電、晴天時は15~30%走行可能距離を延ばすことが可能)
- 必要最軽量のアルミニウム・ボディ
- マグネシウム・ホイール
- 走行時4風洞風力タービンによるウルトラキャパシタ充電(二次電源、急加速時に使用)
- 軽量化のために麻を使ったボディ・パネル
- 最高時速は約250Km
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by varlen
二人の作った車がサーキットを走る日が来るのが楽しみだ。とはいえ、電気自動車になると、カーレースのあの爆音も、ドラマを生むピットインも無くなってしまうのだろうか?それとも、給油ではなく充電のためにピットインすることになるのだろうか?さすがに6分も止まったら、レースにならないような気もするが。
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