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超小型のエコ・プロダクト。これがポータブル機器の未来を変える(かも)

photo by Saeed Moghaddam

photo by Saeed Moghaddam

指先に乗ったこの小さな物体、いったいなんだかわかるだろうか? この小さな物体がこれからのポータブル機器をとんでもなくエコなものにしてしまうんです。

実はこれ、超小型の燃料電池イリノイ大学アーバナシャンペーン校の研究チームが開発したこの燃料電池は大きさわずか3mm×3mm×1mm、この中に水が蓄えられ、これだけで立派に燃料電池としての役割を果たすのだ。

この燃料電池では、まず蓄えられた水をMetal Hydride(水素吸蔵合金)と反応させ水素を発生させる。そしてそれを電極と反応させて電気を起こす。生み出される電気は0.7ボルトで0.1ミリアンペア(10万分の7ワット)とわずかだが30時間駆動が可能である。

そして、この電池の画期的な点は大きさだけでなく、燃料となる水が内部に蓄えられている点にある。つまり、この9立方ミリメートルの電池は従来の小型燃料電池の多くが別に燃料タンクを必要としていたのと違い、これだけで完全に駆動するということだ。

ただ、このままでは電力が不足していて実用性には乏しい。たとえば携帯電話を動かそうとすると必要な出力は、約3.5Vで500mA程度。電圧で5倍、電流で5000倍の出力が必要なので、電池は2万5000個必要になる。この電池を2万5000個集めたとすると、容積は225000立法ミリメートルで1cmの厚さにすると15cm×15cmになる。これでは少し大きすぎる。

したがって今のところわずかな電力しか必要としないマイクロロボットなどへの利用に限られるわけだが、出力が大きくなるか、さらに小型化されれば、ポータブル機器への応用は比較的容易だ。水で携帯電話やノートパソコンが動くというのも、もはや夢物語ではないのだ。

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