突然ですが、東京の昔の呼称「江戸」の由来をご存知?考えてみると、「江=海水が陸地に入り込んでいたところ」「戸=入口」と、水辺を象徴するようなネーミングであることがわかる。東京湾、隅田川、荒川……。東京はさまざま水辺に囲まれていて、まさに“水の街”。でも、普段は眺めるだけでなかなか水辺に触れるチャンスはない人が大多数なのでは?
そんな人にお勧めしたいのが、東京の水辺を巡るエコツアー。船に乗って東京湾や川から東京を眺める自然体験ツアーが、今ひそかに人気を集めているという。その魅力を探ってみよう。まずは、ツアー参加者が撮影した上記の動画をどうぞ!
船に乗って水面の高さから見る東京の街は、まったく違って見えませんか?
こちらは、東京の水辺を排気ガスの出ない“エレクトリックボート”で巡る「都心の水辺でエコツアー」の様子。3つのコースが用意されているが、「日本橋川・神田川エコツアー」では、隅田川・神田川・日本橋川と、都心の水辺をのんびりと遊びながら巡ることができる。
屋形船が行き交う隅田川はともかく、神田川や日本橋川で船に乗るチャンスなんて滅多にないのでは?御茶ノ水、水道橋、九段下、日本橋というお馴染みの地域を流れる神田川や日本橋川は、江戸時代に生活物資や建築資材を運ぶための運河や堀として開発され、利用されてきた。このツアーでは、その都市開発の仕組みや人と河川の関わり方、河川の役割などを、ガイドの解説で詳しく知ることができる。
水辺に生きる動物や魚たちとの出会いも楽しみの一つ。無機質な都会に見える東京にもまだまだ存在する生態系を肌で感じることができるだろう。
これらの様子はバーチャルエコツアーで体験することができるので、ぜひ覗いてみて!
ツアーを主催するのはNPO法人「あそんで学ぶ環境と科学倶楽部」。
押し付けの知識ではなく、自らの意識で環境保全に対する意識を芽生えさせる。
という理念を掲げ、歴史や環境を学ぶ資源にあふれる東京の河川や運河をフィールドに、環境についての知識を広げる活動を展開している。もうひとつのメインツアーである「東京湾エコツアー」のほか、各種水辺イベント協力やツアーガイド講習会など、幅広く活動中だ。ツアーは毎週のように開催されているので、ぜひ一度、参加してみよう。
でも、私たちの生活はなぜこんなに水辺から遠のいてしまったのだろうか。その理由のひとつに、「危ないから」という理由で水辺に子供を近づけない親が増えていることがあると言われている。しかし、これがかえって危険を招く行為とも言えるのではないだろうか。日ごろから水に触れ、増水、流れの変化などの自然現象を身をもって体験していれば、自然に危険を察するチカラも身につくもの。大人も子どもも、このようなツアーをきっかけに多くの方が水辺を身近に感じるようになれば、環境に対する意識を高めるだけでなく、悲しい事故を防ぐことにつながるのかもしれない。
東京に生活しながら、水辺を体験しないなんてもったいない!“水の街”東京に暮らすあなた、水辺から違う東京の姿を眺めてみませんか?